7番目の芸術。

 どこかで読んだのだが、映画は「7番目の芸術」と呼ばれているらしい。では、1から6の芸術は何だろうか。

 調べてみたらすぐに見つかる。検索って便利だ。ちなみに答えは「絵画、彫刻、音楽、文学、舞踊、建築」(順不同らしい)以上の6つである。 

 一番原始的なのは、やっぱり音楽だろうか。人が声を出す事がすでに音楽だからね。

 舞踊は音楽とセットだと思う。音楽があって舞踊がある、という順番じゃないかな。知らないけど。

 絵画はルネサンスの宗教画において隆盛を極めるが、もっとプリミティブな、洞窟の壁画なども絵画と言えなくもない。ラスコーの壁画を絵画の始まりとする説があるが、だとすれば2万年以上前であり、歴史としてはずいぶん古い。

 彫刻は基本的に立体だから、絵画の次ではないかと思われる。しかし彫刻は、実は定義づけが難しかったりするようだ。例えば「ボコッて感じで盛り上がってる絵を彫刻と呼ぶか?」とかね。

 芸術としての建築はずいぶん後でしょ。洞窟に掘った穴ぼこの住居を「建築」と言うなら分からないけど。

 そして文学。これ、琵琶法師が平家物語を伝えたような「口伝」も含むのであれば、一気に範囲が広くなる。ここでは書物としての文学、でいいのかな。それとも言語表現すべて?

 最初の文学とはなんだろうね。例えば夜、何人かの狩猟民たちがたき火を囲んで座っていて、いつものように「実利的な」情報交換としての会話をしていたとする。それは明日の糧を得るために必要なことなのだが、そもそも狩り自体が大変な仕事なので、狩りの話を苦痛に感じる人がいた。こんな話はつまらない、もっと面白い話を何でもいいからしようぜ。そんな時の表現ツールは言葉だけである。ではどうやって面白くするのか?やはり、シンプルに考えると相手を笑わせるのが面白い。どうやって笑わせるか。もっとも直接的なのは「ボケること」であろうか。つまり、今ある話題からほんの少しだけ「ずらす」。ずらして、馬鹿のふりをする。馬鹿のふりをして安心してもらう。人が笑うのは、安心した時と相場が決まっているからである。例えばみんなでたき火に向かって座っている時に、なぜか1人だけ外を向いているとかね。しかし、笑わせようとするばかりでは飽きてしまう。怖い話、泣かせる話、びっくりした話など、徐々に人は人の話に耳を傾け始める。その中でも、話が上手くて語り口に魅力があり、おまけに声の良いやつが重宝されてゆく。話せば話すほど人は慣れて上手くなっていくから、いつのまにか熟達した語り部が1人誕生するよね。…あれ、何の話だっけ?

 映画は歴史が浅い。僕は、映画は「サブカル」の範囲に入るのではないかと思っていた。でもそうではないらしい。さらに言えば、こういったカテゴライズというのは日々、じわじわと変わっていくものだということだろう。

やぶさかではありません!