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【詩】水彩画の夏

(はじめに)

 8月まで、noteを更新するのは仕事の方を
優先してお休みを戴こうかなと思っていたの
ですが、そのあいだにも、つたない私の作品
に対しましてアクセスして頂いたり、また、
「スキ」までくださり、記事を書かない状況
に申し訳ないと考えまして、過去に発表した
ものになるのですが作品を掲載することにし
ました。
 新潟県の小千谷市が主催しています「文芸
おぢや」というものがありまして、令和2年
度に詩部門へ応募し佳作に選んで頂きました
作品になります。こちらは詩の他にも短歌、
俳句、川柳の募集もおこなっていまして、私
は短歌のほうは詳しくないのですが、審査員
に、たいへん魅力的な歌人「小島なお」さま
が務められております。
〈令和5年度、文芸おぢや第43号〉で検索し
て頂きますと、8月10日 (木)まで募集中と
記事が出ていると思います。ご興味のある方
は応募してみてはいかがでしょうか。(私は
応募はしません、締切までに勝負できる作品
を書く自信がありませんので)

 前置きが長くなりましたが、では、作品の
ほうを見てやってください。


 水彩画の夏

設計ミスが生じたように
光がほつれる

高温多湿な
風をまとい
ゆっくりと歩いてくる
夏の横顔を誰も知らない

タチアオイは赤い花を咲かせている
野心を膨らます
自分たちではたどり着けない道のりの
その先を見ながら

植木鉢の中の小さな空間さえ
変化を好む
空気がつくる見えない地図に
耳を澄ます

(描かれてゆくもの
 消えてゆくものに触れている)

生薬を取り入れた生活に
舵を取る
水彩紙に落ちる
わたしの影が濃くなって


………………………………………………………………………………

 「🍰いお」さま。作品お借りしました。
     ありがとうございます。

………………………………………………………………………………

(ちょっとだけ解説)

 生薬を取り入れた生活はしておりません。
この作品を書くにあたりまして、実年齢より
ずっと歳を重ねたのならと想像し、つくりま
した。少しだけ選者の方の評を載せますと、

(言葉によって描かれていくもの、消えてい
くものを同時的にとらえている。わかりにく
い表現もあるが魅力に富んだ作品)

 と評価を受けまして、冒頭の「設計ミスが
生じたように/光がほつれる」の部分が読者
に伝える上で、光の乱反射のことを言ってい
るのか、解りにくいとも指摘しておられまし
た。同時に、このあたりの言葉の使いかたが
佳作に留まらせた理由なのだと知ることがで
きた作品でもあります。

   伝えること、は難しいですね。


   (夏を乗りきっていきましょう🍧)


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