（はじめに）

　ご無沙汰しておりました。ひと月あっとい
う間でした。詩作と向き合う時間を大切にし
て、過ごさせて頂いたことに感謝申し上げま
す。復帰するにあたりまして、掲載する作品
について少し悩んだのですが、誰かのために
なるようなものを提供したい結論に至り、こ
の詩に決めました。この作品は、５月１日に
発表されたばかりの、第28期日本現代詩人会
（検索して頂けると解ります）の投稿にて、
渡辺めぐみ さまに佳作に選んで頂いたものに
なります。佳作ですと、選評の言葉はもらえ
るのですが、全体文までは掲載されませんの
で、note で発表したいと思いました。これか
ら、詩のコンクールが盛んな季節に入ってい
きます。国民文化祭をはじめ、県が主催する
ものや市主催のもの。何故、この作品が佳作
に留まったのか、何が足りなくて入選できな
かったのか、他の優秀な書き手の皆さまと比
べるのも良いです。参考になるかは解りませ
んが、もしコンクールに応募してみようと考
えましたとき、どのくらいのレベルの作品を
仕上げれば良いのか、ひとつの基準として見
て頂ければと思いますし、私も載せることに
より、今後いっそう精進していかなければと
思います。全文投稿時のまま掲載いたします｡

　　   では、どうぞ─────────

　球形の祈り

休肝日にミネラルウォーター
疾走するサラブレッドのように喉をすぎる
光る風
胃にやさしい
材料でつくった小皿料理を並べていると
呑まないのが損に思えてくる
考えを葬ることに集中する
目を閉じる（意味はないかもしれないが）
侵攻という題で展開するニュース
祈る少女の瞳を浮かべ
残像が寄せる
わたしは
さらに祈りをかさねる
遠く離れた安全な場所で
（おやすみなさい）
言える相手がいた部屋で
ご飯が炊けるのを待っている
スイッチを入れ忘れた影響が
空腹を刺激する
写真たてのなか
あなたは笑みを浮かべている
みそしるをあたため直す
切りそこねつながった
わかめ発見（かたい絆で、つながっている）
そんなことで
笑えた日
テレビの音にまじって　わたしを呼ぶ声が
聞こえた気がしたが
記憶の折り目からこぼれてくる
あの日の　あなたの声は
とうめいなまま

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　　　イラスト、お借りいたしました。

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（ちょっとだけ解説）

　３・１１震災を思いまして、私なりに書か
せてもらいました作品です。これは、投稿作
におきまして個人的な傾向なのですが、何故
か、女性の審査員の方のほうが、作品を選出
してくださる割合が多いような気がします。
ということは、私の詩は男性には刺さらない
内容なのでしょうか、真剣に考えています。

　これが、復帰一作目に相応しいかは、読ん
でくださいました方の判断にお任せします。
次回は、休息中に書きました作品を載せます｡
どうぞよろしくお願い致します。

　　　　　「ただいまーっ😭」

#今こんな気分