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ぼっち学生だった私に、25歳の私が伝えたいこと

ばかみたいな書き出しだが、私はいま、25歳である。今年26になる。
最近、人生が軌道に乗り始めたような気がしている。気がするだけかもしれない。

友達が多い。いままでの人生でかつてないほど多い。人と会う予定は先月が3件、今月は4件(もう1件増えるかも)あり、会うのはすべて別の人である。

大学生の頃、学校で友達と呼べるのは入学当初に仲良くなった女の子一人だけだった。その子は美人でモテて友達も多い、いわゆる勝ち組だったので私以外との交友関係に忙しく、私はたいてい一人で暇を持て余していた。
学校の図書館の衝立つきの広々した机の居心地が最高で、妖怪のように住みつき、本を読みもせずに課題をやったり、学校の弱いWi-Fiでデレステをやったり、Twitterをしたりしていた。ド陰キャである。

そんなド陰キャが、定職に就いていないのにもかかわらず、なぜ毎週のように遊ぶ相手がいるのか。摩訶不思議である。

ひとつには、大学を卒業後始めたバイトも辞めて無職になった頃、積極的に友達と会うようにしたからだろう。
無職でひきこもってゲームばかりしていると、最初は楽しかったけれどだんだん気が狂いそうになっていった。家族以外の人と話したい。人と会いたい。遊びたい。

だから私は、バイトで残ったわずかな貯金を削って友達と遊んだ。本当に会いたいと思う人、こんな情けない状態の私を晒してもきっと笑わないと思う人だけを誘った。
私の不眠が一番ひどかったときに、何度も夜中のコンビニに付き合ってくれた中学の友達や、肌に合わなかったサークルで唯一この人とは仲良くなりたいと思って、卒業祝いの飲み会のときに勇気を出して声をかけた同期。その人たちが、いまでも2、3ヶ月に一度は会おうと声をかけてくれるおかげで、いまの私の交友関係は保たれている。

もうひとつは、コスプレを始めたことも大きいと思う。
コスプレというのは、私が思うに、数あるオタク趣味の中でもトップクラスに簡単に友達のできる趣味である。

なにせ、コスプレの基本は、
「人が大勢集まるコスプレイベントに行く→自分と同じ作品や、自分の好きな作品のコスプレをしている人に声をかける→写真を撮らせてもらう→Twitterを交換する(気が合えばそのままアフターに行く)」
という流れである。マイナージャンルのコスプレしかしない私でも、イベントに行くたびに10人近くフォロワーが増える。
増えたフォロワーと、次はどこどこのコスイベで会いましょう、このキャラクターで一緒に撮影しましょうとか、好きな作品のコラボカフェに行きましょうとかいう話になる。予定は増える一方。嬉しい悲鳴。

友達が多い=人生の充実かというと、そうではないかもしれないが、私の場合、大人になってからは息がしやすくなったと感じている。
小中学生の頃、本ばかり読んで過ごしていた私は、周りの子たちと比べて異常なほど語彙を持っていた。普通に喋っているつもりなのに、よく「なに言ってるかわかんない」「そんな言葉聞いたことない」「ガリ勉すぎてついていけない」と敬遠されていた。

そんな私だったが、最近は年上の人と仲良くなる機会が多く、「話し方に知性を感じるから好き」と言ってもらえることが増えた。ようやく実年齢にふさわしい話し方だと思ってもらえる年になったのだろうか。私は声があまり高くなく、喋るトーンも低めなので、それも「25歳らしい」のかもしれない。

思うに、私は学生時代に輝けるタイプの人間ではなかった。運動も苦手だし、発言したり、大勢の前で目立つことをしたり、リーダーに立ったりするのも苦手だ。テレビとかインスタとか流行りに乗るのも苦手だし、馴染めない女の子のグループに入って愛想笑いすることもできなかった。

そんな私だけど、人の話を聞くこと、約束を守ることは大事にしているし、好きなことを続けられるところ、新しいことにすぐ挑戦してみるところは長所だと思っている。それを認めてくれる人がいるから、学生時代からご縁が続いている友達もいるし、新しい友達もできるのだと思う。

自分はもしかしたら、友達付き合いの下手なダメ人間ではなくて、10代という年齢、学校という狭いコミュニティ、学生特有のノリが苦手なだけだったのかもしれない。いつもひとりぼっちだったのに、学校を出たら、いつのまにかこんなに友達に囲まれるようになったのだから。

だから、学校に馴染めなくて苦しかった過去の私に、学校が世界のすべてじゃないよと言いたい。20代になったら楽になるから我慢してなんて言えないけど、君がダメなんじゃなくて学校という場所が合わないだけなんだよって伝えたい。

25歳の私は、こんなに楽しく日々を過ごしているよ。君が精神の拠り所にしてきたTwitterで出会った人は、10年後も仲良くしてくれているよ。

過去の私だけじゃなく、いま生きるのが苦しくて、自分を責めてしまっている人がもしいたら、あなたじゃなくて環境が合わないだけかもしれないですよって、伝えたいと思う。


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