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「誰でもできる仕事」をやる誰かになろう

薬局の事務のアルバイトを始めて、もうすぐ2ヶ月になる。
相変わらず人間関係は良好で、仕事にも慣れてきた。数々のバイトを始めては辞めてきた私にも、この仕事なら長く続けられるかもしれないという希望が見えてきた。 

職場では私が一番の新入りで、まだ教えてもらっていない仕事もたくさんある。
社員さんや先輩バイトの人は、PC作業や薬剤師さんの調剤の手伝いもしているが、私ができるのは、受付で処方箋を受け取ることと、簡単な書類の確認作業だけだ。

先輩バイトの人たちが入社したときは、続けざまにバイトが辞めてしまい、人手不足だったので、入ってすぐにPC作業を習ったそうだ。
しかし、いまはPC作業をできる人が十分にいることと、私に作業を教える時間的余裕がないため、私がPC作業を習うのはまだ先になるようだ。

試用期間の1ヶ月が経ち、面談でその旨を伝えられたときはものすごく悔しかった。他の人たちが入ってすぐに覚えた作業を、私は1ヶ月経っても教えてもらえないほど不出来なのだと、悔しくて情けなくてバックヤードで泣いてしまった。

でも、と今では思う。バイトの先輩たちは、
「シノさんが受付をやってくれるようになってすごく楽になりました」
「書類が溜まっていく一方だったので、シノさんができるようになってくれて本当に助かります」
と口を揃えて感謝してくれる。
時折退屈に感じてしまう単純作業でも、難しいことじゃなくても、確実に役に立っているのだ。

会社に例えるならば、上司の方が偉いように見えるけれども、上司の指示を受けて動いてくれる平社員がいなければ、仕事は回らないわけである。

だから私はまず、誰でもできる仕事をやってくれる「誰か」になろうと思う。簡単で、誰でもできるけれど、誰もやってくれなかったら困る仕事。それが私のいまの仕事だ。

地味で、つまらなくて、下っ端っぽいけれど、それでもみんなの役に立っている。この仕事を私が片づけておけば、みんなは他の重要な仕事に集中できる。きっとそういうことだと思う。

だから私は、地味で単調ないまの仕事に誇りを持ちたい。休まないこと。遅刻しないこと。真面目にこつこつやること。それが何よりもみんなの役に立つはずだ。

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