書評・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』村上春樹訳、中央公論新社

『テヘランでロリータを読む』に深い感銘を受け、スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』村上春樹訳、中央公論新社を読んだ。ラストが素晴らしかった。余韻が次の日になっても残っている。こうして日本にも、そしてイランにも、名作の力は伝わっているのだなあと思った。

切ない青春文学だと思うのだが、若い頃よりも今読んだ方がジーンときたような気がする。それは多分、「喪失」ということについての経験値が多くなっているからだと思う。時間の喪失、夢の喪失、愛の喪失。

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