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田端大学初の2回目MVPをとったプレゼンの作り方(内容編)

プレゼン勝負の必勝法
あったらすぐにでも知りたいですよね?
(私も知りたいですw)

そんな都合の良い話はないんですが、必勝とまではいかなくとも勝率を上げる方法はあると思っていて、実際に田端大学定例会でのプレゼン勝負で結果が出ている方法を書いてみようと思います。私はしゃべりが上手いわけではないので、プレゼンのテクというより内容をどう作るかに主眼をおいて書いており、普段の仕事における提案等にも使えます。

田端大学では250~300名程塾生がいて、毎月課題提出者の中からプレゼンターが選出され、一人MVPが決まります。
まず課題提出までにハードルがあり、課題の難易度によって提出率は全体の10~20%程度。課題提出者の中からプレゼンターに選ばれるのが10%、MVPが3%ぐらい。

私の結果はというと、10ヶ月所属してMVP2回で20%、プレゼンター選出8回なので80%と田端大学で複数回課題を提出している中では勝率は一番良いです。また田端大学では一回MVPとると評価を厳しくすると公言されており、二回目のMVPを唯一取っているという点からも効果ある方法だと信じていただけると思います。

以前こちらの記事にテクニック的な話も書いているので、合わせて読んでいただけると参考になると思います。

最初にメッセージを考える

プレゼンを作るにあたって最初に考えるのは、「このプレゼンで見ている人に伝えたいメッセージは一言で何なのか?」です。
このメッセージをわかりやすく、納得感を高めてもらうために、理由、例え、図、グラフなどを使って補足していきます。

メッセージを考えるうえで特に意識しているのはこの2点です。

・意外性があるか?
・幹になる話かどうか?

聞いている人が既に思いついている話をしても学びがないので、インサイトを与えられるメッセージになるようにいつも考えています。どんな話だと「そうそうその通り」という話ではなく、「そんな考えがあったか!」や「本当に?」と思う話になるかを考えます。

そのうえで、その話は幹に近い本質的な話なのかを考えます。意外性があっても枝葉の話だと全体に与える効果が薄いので、意外性がありつつ影響範囲の大きな幹の話になっているかも重要なポイントです。

メッセージを決めたら、プレゼンはその一貫したメッセージをどう伝えるかを念頭に置いて構成を考えます。

どうやってメッセージを考えるか?

メッセージを考えるに当たってはまず論点が何なのかを考えます。

課題が与えられると与件整理をする人が多いと思います。

与件整理は同じく田端大学に所属している宇山さんのこちらのnoteが参考になります。
与件を整理するのは大切なのですが、整理した与件にそのまま回答してしまうのはよくありません。
営業でもそうですが、お客さんが正解を持っているわけではないので、言っている課題が間違ってたり、実はもっと大きな課題があるケースもよくあります。
そのため与件は整理するのですが、「本当にその課題を解くことがベストなのか?もっと大きな論点があるんじゃないか?」と疑います。

2月定例会課題だった「実力のない田端大学の新入生が交渉術を使ってMVPを取るためのプランをプレゼンする」について考えてみます。

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いきなり、田端大学でMVP取るために、どうやって良いプレゼンを作ろうかと考え始めるのはよくありません。
まずは「何でMVPを取りたいのか?」、「MVPを取ると結果どうなるのか?」という事を考えます。トヨタでいわれている「なぜを5回繰り返せ」や、ロジカルシンキングでよくいわれる「WhyやSo whatを繰り返せ」と同じで、解こうとしている課題は解決すると効果が大きい本質的な課題なのかを考えます。

❶田端大学でMVPを取りたいのはなぜ?
→田端さんに認知され拡散してもらえるから
❷田端さんに認知され拡散してもらいたいのはなぜ?
→個人としてのブランドをきずいて、発信力を高めるため
❸発信力を高めるたいのは何故?
<略>
❹田端さんに認知してもらう以外に、発信力を高める方法は?
→仕事で実績を残す
❺MVPを取る以外に、田端さんに認知され拡散してもらうには?
→田端さんのツイートをリツイートしまくる
→行動から田端さんに面白い奴だと思ってもらう
<略>

のようにまずは、上流に理由をさかのぼって、本来の目的を達成するために解決する課題の全体像を明確にし、その次にどの課題をとくかを考えます。

このとき注意すべきは、さかのぼりすぎても意味がないという事。
最終までさかのぼると「なぜ生きているのか?」のような解決策のない問いにたどり着き、取り組むべき課題も絞り込めないほど膨大な数になってしまいます。
もともとの課題の粒度にもよりますが、感覚的には3回から5回ぐらいが最適かなと思います。

解像度の高さと画角の広さ

「解像度を高くしろ」という指摘を受けた事がある人は多いと思います。取り組むべき課題である論点を見つけるためには、他に広い画角の切り替えが必要になります。画角とは映る広さです。

ズームレンズに例えるとわかりやすいと思うのですが、対象を探すとき100倍にズームしたレンズ越しに探そうと思ってもなかなかみつかりません。
そんな時は広角にひいて探してからズームすると思います。この時広角に広げすぎても、対象が小さくなり探す範囲が広くなって大変なので、最適な画角で探すと思います。これが広い画角への切り替えで、先ほどのGifアニメーションだとこの部分です。

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これが取り組むべき課題だと思ったら、ズームをして解像度高く考えます。考えてみて違うと思ったらまた広角に引きます。
これを繰り返して論点を絞るのでズームの切り替えの速さも重要になります。

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どの課題に取り組むべきかを絞り込むときは、効果や影響範囲が大きい解決策があり現実的自分の得意分野で独自の解決策が出せるといった視点で各課題を比較し絞り込みます。

効果や影響範囲が大きいというのは論点を変えるときには一番大切で、元々の課題より大きくないと論点を変える理由が作れず、自分が得意な領域に論点をすり替えただけのように見えてしまい、説得力が失われてしまいます。

また解決策がない課題や現実的ではない課題は取り組んでも解決ができないので意味がありません。
独自の解決策が出せるというのは、他の人と差別化ができるので、この論点を作ることができればかなり有利になります。

魅きつけるプレゼン構成

・最初は意外性でのつかみ
・理由・例・比喩で説得力を持たせる
・最後にインパクトを残す

構成についての基本的な流れは冒頭にも紹介した、「田端大学入学初月にMVPを獲得したプレゼンの作り方」を読んでいただければと思うのですが、勝つためにはプラスアルファでこの3つを是非意識していただければと思います。
これは入学から10ヶ月課題を提出してプレゼンをしてきた中で、参加者や田端さんの反応をもとに試行錯誤した部分になります。

「最初は意外性でのつかみ」

一つ目の「最初は意外性でのつかみ」はプレゼンを聞いてもらう態勢になってもらうためにとても重要です。
プレゼンで最初にアジェンダや与件整理を入れましょうと教えられた人は多いと思います。全体像を理解しやすく効果的というのは承知していますが、私はあえて入れていません
理由は2つあって、「アジェンダ、与件定義を入れる人が多いので、冒頭が似てしまい意外性を出しにくい」「アジェンダを最初に出してしまうとプレゼンの全体像を先に伝えてしまうので、聞く前に想像がついてしまう」というところからです。
何かを決めるミーティングや、今回のような文章ではアジェンダも使うのですが、プレゼンの場合は入れないようにしてます。(スライドに入れないというだけで、与件の整理や全体構成は資料作成の前に行ってます。)

じゃあ冒頭何を入れるかというと、聞いている人が想像していなかっただろうメッセージを入れています。
例えば1月の定例会の課題はGoogleの人事担当上級副社長が書いた組織論についての本「WORK RULES!」を読んで、「1人目の田端大学の社員を採用するにはどんな人をどんな方法で採用すべきか?Googleの採用の知見をいかして回答する」、「本に書かれている中で間違っていると思う事を1つ選んで論証する」という2つの課題について回答するという内容でした。

これに対して私が1枚目のスライドで用意したのはこちらです。

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この課題に対して、プレゼン資料を提出した他の人の構成は前半に課題1として採用方法、後半に課題2として本への指摘を書いていた人が多かったです。

私の構成は、

❶どんな人をどのように採用するかはどんな組織を作りたいかによる
❷田端さんが作りたい組織はGoogleを超えている
❸本に書かれたGoogleのやり方の限界を指摘
❹3をふまえてGoogleには出来ないが田端大学だからこそ作れる組織
❺その組織を作るための人材と採用方法

と一つの流れのプレゼン資料にしました。
理由は課題の回答をテキストで書くだけなら2つに分けていいのですが、プレゼンで話すという事を考えると、2つのメッセージを入れてしまう事によりそのプレゼンが何を伝えたいのかわかりにくくなってしまいます。

2つの課題をもとに、私はこのnoteの前段に書いたメッセージの考え方を使い、今回のプレゼンで参加者に伝えたいメッセージを「Googleを超える組織の作り方」にしました。

このメッセージをもとに最初のページを「Googleを超える組織を作りませんか?」とする事で、参加者の想像とずらし「?」を抱かせ、聞く態勢を作ろうとしました。

2月のプレゼンはzoomを使ってオンラインだったのですが、佐藤優さんの「交渉術」が課題図書だったので、スパイをテーマにミッションインポッシブルをオマージュした動画を作り、冒頭に入れることによって聞く態勢を作ろうと考えました。(田端さんを尾行しているイメージで、田端さんが歩いている動画と同じ通路で撮った動画を切り貼りしてます)

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またスライドの1枚目も意外性を出そうと考えました。
「実力のない新人が田端大学でMVPを取るにはどうすれば良いか?」という課題に足して、どうプレゼンの場で勝つかについての手段を書く人が多かったのですが、私は田端大学のMVPを決める場である「プレゼンの場には立たない」というのを最初に話す事で他のプレゼンターと差別化することが出来ました。

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このように、当たり前や常識だと思われている事を否定して考えてみるのは、聞くひとに対してインサイトを与えられるケースが多いので私はよく使います。

理由・例・比喩で説得力を持たせる

これはプレゼンに限らないのですが、主張に説得力をもたらすに理由と例が重要になります。
なぜ私はそれを主張しているのか、そしてこんな実例があるという補足をすることによって説得力が増しロジカルなプレゼンになります。

例えば、私は「実力のない新人が田端大学でMVPを取るにはどうすれば良いか?」という課題に対して、会社をすぐ辞めて行動を起こすような破天荒さを提案の中に加えました。

理由として、下記のような田端さんのストレングスファインダーをはじめとしたパーソナリティ分析をくわえ、何故その提案をするのか補足をしました。

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また実例として、ミノトゥクのまるちゃんやAV男優の篠塚さんといった破天荒、無鉄砲なキャラクターを田端さんが好んでいるという点を補足しました。

主張にロジカルな説得力を加えるには理由が役に立つのですが、比喩を加えるとわかりやすくする事が出来ます。
このnoteの前半に書いたズームレンズの話などは、イメージを掴みやすくするために比喩を使っています。

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2月定例会のプレゼンで使ったこのページも、新人の実力、信用が無いというところをスタートアップにたとえ、将来性と計画で勝負するという提案につなげました。

比喩を使うとわかりやすくなるという他に、抽象化されて他にも応用が効きやすくなる効果もあるので、是非使ってみてください。

最後にインパクトを残す

これはシンプルで最後に「おぉ!!」という驚きを残せると印象に残ります。
最初のつかみで意外性をだして聞く態勢が出来ても、そのあとが平凡でそのまま終わってしまうと、最初の意外性しか印象に残らず出落ちになってしまいます。
最後に驚きを入れられると良い印象で終われるので理想的です。

2月の交渉術テーマのプレゼンでは、私は先ほど書いたようにプレゼンしないという事を前提に組み立てました。
そのために定例会外で田端さんに会って交渉するという提案なのですが、実は田端さんの書店巡りのツイートを見て、出没する書店と時間を推定し実際に会うことによって、この提案の現実性を証明しました。

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このネタを途中で使わず最後までとっておき、プレゼンが終わったと思わせたところで、「実は今までの提案は直接会って交渉の材料を得て作った提案なんです」ということをバラし、最後に「おぉ!!」という驚きを作ることができました。

プレゼンをしりすぼみにせず、いい印象を残すために、最後にとっておきのネタを残しておくというのも意識するといいと思います。

最後に

田端大学に入ってから10ヶ月。プレゼンを毎月作る中で意識している事、気づいた事をまとめてみました。
プレゼンの作り方に正解はないと思いますし、人それぞれ得意なスタイルは違うと思いますが、一つのケースとして参考にしていただければと思います。

私のプレゼンの作り方は、澤円さんが書いたこちらの本に書かれている事を多く取り入れているので、こちらも読んでみると参考になります。

またプレゼン力をつけるには多くの打席に立つことが大事ですが、田端大学は平等に評価の機会があるのでプレゼン力を鍛えたい方にはオススメです!

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