#日韓軍事情報協定を破棄韓国政府が決定 韓国大統領府は22日、国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を開き、日韓で防衛秘密を共有する日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。輸出管理を厳しくした日本への反発から韓国政府内では破棄論が強まっていた。

北朝鮮がミサイル発射を繰り返すなか、日米韓の安全保障協力に影響を与える恐れがある。 NSCの金有根(キム・ユグン)事務処長が記者会見で「GSOMIAの終了を決めた。外交ルートを通じて日本政府に通報する」と述べた。 破棄の理由として日本が輸出管理を簡略化する優遇対象国から韓国を除外すると決定したことを挙げ「両国の安保協力環境に重大な変化をもたらした。敏感な軍事情報の交換を目的とした協定を続けることは国益に合致しない」と説明した。 康京和(カン・ギョンファ)外相は記者団に「韓日の信頼問題に触発された決定だ」と強調。韓国大統領府関係者は「日本が報復措置を撤回すれば、見直しもあり得る」と記者団に語った。 GSOMIAは日韓の防衛当局が防衛秘密の交換を円滑にするための協定。2016年11月に署名し、1年ごとに更新してきた。輸出管理の厳格化を巡って日韓の対立が深まるなか、韓国政府は撤回や追加措置の阻止を迫るカードとして破棄の可能性を示唆してきた。破棄の場合は、24日までに相手国に通告する必要がある。 韓国政府によると16年の締結以降、日韓は協定に基づき29件の情報を交換したが「最近は減少傾向にあった」(大統領府関係者)との指摘もある。韓国紙の中央日報によると、日韓は5月以降に北朝鮮がミサイルを発射した8回のうち7回で情報を交換した。韓国側は北朝鮮が過去に核実験をした際に日本から情報提供を受けたと明らかにしている。 北朝鮮が最近発射したロシア製の模倣とみられるミサイルは、変則的な軌道で飛行するため捕捉や迎撃が難しい。分析には米軍や日本のイージス艦などが収集する情報が欠かせず、韓国にとっても自国防衛に影響が出るとの見方はある。 NSC会合に先立ち、韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は米国のビーガン北朝鮮担当特別代表と会談し、GSOMIAの扱いを含む日米韓の安保協力を巡って協議した。米国はかねて日本との安保協力を強化するよう求めており、ビーガン氏もこの場で継続を望む立場を伝えていた可能性が高い。 韓国政府内では7月以降、輸出管理を厳しくする日本に譲歩を迫るカードとして、GSOMIAの破棄論が強まった。国防省などには継続論が強く、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は21日に同協定について「戦略的価値は十分にある」と指摘していた。 一方、南北融和を優先する韓国の革新系勢力には「日米韓の安保協力は南北分断を固定化する」という主張も存在していた。21日には韓国大統領府の金商祚(キム・サンジョ)政策室長が「韓国を信頼できないとする国と敏感な軍事情報を交換することが正しいのか」と発言した。日本の輸出管理措置に反対する革新系の市民団体が催す日本批判集会では「GSOMIA破棄」のプラカードを掲げる人

#COMEMO #NIKKEI

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