「規制緩和=経済成長」?

新婚旅行にイタリアに行った。ローマ最大のスーパーマーケットとガイドで書いてあったので楽しみにして行ってみると「小さ!」田舎の小さなスーパーとさして変わりのないサイズ。

フィレンツェで、ワインを買ってホテルで飲もう、と思ったら。駅にあるキオスクより小さいんじゃないかという狭い店。女性が一人で店番。昔のタバコ屋を彷彿とする商売の規模。
どうやらイタリアでは、店を大きくしたりすることに強い規制がかかっているらしい。

その少し前、2005年にスウェーデンに行ったとき。日本のコンビニがストックホルムに。しかしガイドの方によると、コンビニを認めるかどうか、激論が交わされたという。小規模店舗の経営を危うくしないか、など。結局、1店舗だけ認めて、小規模経営に悪影響がないようにしたという。

日本ではディスカウントストアとか、巨大な店舗が支配的。昔の小さな商店はもう見かけるのが難しくなった。しかし少なくともイタリアやスウェーデンは、小規模店舗を守る意識がかなり強い。雇用というか、零細な商売でもやってけるようにかなりの配慮がなされているらしい。

日本も昭和の時代まではそうだった。タバコ屋や酒屋は一定の距離を置かないと店舗が構えられない規制があった。また大規模スーパーを規制する法律などもあって小規模経営、零細規模のお店が守られていた。それをヨーロッパは未だに守っていると言えそうだ。

日本では大規模経営がすっかり普及しているため、小さな店舗で独立するという道が非常に難しくなっている。どこかの企業に勤め人として働くことが一般的になり、自営業はかなり減っている。

日本は「規制緩和」のもと、コンビニやスーパーでも酒を売るようになり、酒屋はやっていけなくなった。タバコ屋も消滅。大規模チェーン店が栄えて、個人商店は軒並みシャッター街に。で、それで日本は成長できたかというと、全然。特にこの20年は成長できていない。

他方、規制を緩めず、小さなお店や零細企業が生きていけるようにし続けたヨーロッパ各国は成長を続けている。あれ?規制緩和が経済成長を促すんじゃなかった?規制を緩めなかったヨーロッパ先進国が軒並み経済成長しているのだけど?

もちろんヨーロッパも問題がないわけではない。外国人労働者や移民が大量に入ってきて、賃金を押し下げたり仕事を奪われているとして、外国人労働者に対して規制をかけるべきだ、とされている。しかし外国人労働者に頼っているという点では、日本も同じ。でも日本は経済成長できていない。

規制緩和しないと世界の流れに置いて行かれる、経済成長などできるはずがない、と脅されるけど、ヨーロッパは規制を厳しく保ち、むしろますます規制を厳しくするくらいの状態で、経済成長を続けている。日本は経済が低迷したまま。そろそり、規制緩和=経済成長という図式に騙されないほうがよいかも。

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