私の本を農家だけ読んでも意味は半分

「そのとき、日本は何人養える?」を昨年8月に発刊してから講演依頼が非常に増えている。今日は長野で講演。とてもありがたいこと。
https://x.gd/genl4
しかし一つ残念なことがある。講演依頼が農協か生協に限られていること。一般の方が参加できるシンポジウムとかはまだない。

農業関係者に本書の理解が進むことはとても嬉しい。でも実は、農業と関係ない人、消費者にこそ読んでほしいと思って書いている。しかし出版社である家の光協会自体が農業関連にしか販路を持たず、一般書店に並んでいない。農業関係者にしか手に取られにくいという問題がある。

それでも本書を読んでくれた人の中には、講演をぜひ聞いてみたい、と言ってくださる方がいる。しかし企画されるのは、一般参加が認められていない講演会ばかり。参加可能なのは関係者のみ。これでは消費者、非農業者に広がらない。この点がヤキモキしているところ。

日本の農業人口は152万人。恐らく直近ではもっと減っている。国民のほとんどが農業と関係ない生活を送っている。このため、農業への理解がどんどん難しくなっている。自分たちの食料に関することなのに、理解を深めるきっかけが得られない。

私に講演依頼をして下さる人たちにお願い。関係者だけでなく、一般の方も参加可能な講演会を開いて頂きたい。私がツイッターで告知すれば、そこそこ人数来て頂けると思う(聞きたいという声をよく頂く)。でもそうした機会がないから告知しようがない。

講演を自分で企画してくれ、と言われたこともあるけど、私は仕事も抱えていて、研究会の運営もしていて、とても手が回らない。一般参加が可能な講演会を企画してくださるなら、日程さえ合えば喜んで伺う。ぜひ一般参加可能な講演会を企画して頂きたい。

これからの農業は、消費者と手を携えて進む必要がある。そのためには、消費者に農業の未来がどうなってしまうのか、理解してもらう必要がある。私は、そのために動きたい。本もそのつもりで書いてある。

アメリカも日本と同じように、人口の1%程度しか農家がいない。政治家からすればわずか1%しかいない有権者は怖くないはずなのに(実際日本ではだんだん軽視されつつある)、アメリカの農家は強大な発言力を持っている。これはなぜなのか?

恐らくこれは、アメリカ国民が農業の重要性を深く認識しているからだ。農家に大きな所得補償をしているのも、国民が納得しているからできること。しかし日本では国民の理解が得られていない。

日本の農業のあり方を、農家だけでなく、食べる側である消費者も一緒になって考える。そうした形を作る必要がある。そのためには、消費者への理解を深める必要がある。私の話は農業関係者だけ聞いても、意味は半分しかない。ぜひご検討頂きたい。

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