保育の技術は全年齢に通じる

今日は福岡で、保育士のリーダーや責任者の方々に講演。思ったより若い方々で驚き。それなりの職にいる方々なのでもっと年配の人を想像していたのだけれど。
依頼は、子育てのことではなくて部下育成について。みなさん、スタッフとのコミュニケーションにあ悩みとのこと。

正直、あんなに言う事聞かない子どもたちを相手にしてるコミュニケーションの強者が、私から学ぶことなんてないと思うけど。
私がお伝えしたのは、「保育で子どもに接するときと同じように、大人とも接してはどうだろうか」という提案。保育の技術は、どの年代にも通じる素晴らしい技術だと思う。

ただしそれは、大人を子ども扱いしろということではない。保育では、子どもが能動的に取り組むことを大切にする。能動的に子どもが動いたらそれに驚き、面白がると、子どもはますます自分の成長で大人を驚かせようとする。それが子どもの能動性を促す。大人に対しても、それは同じだと思う。

ついつい相手が大人だと、言葉で命令したら動かせると思ってしまう。だからついつい命令するのだけど、それでは大人も子どもも面白くない。自分が能動的になれる場面がないから。
子どもは自分が能動的に取り組み、それを見た大人が驚いてくれるのか楽しい。それは実は大人も同じ。

大人も、自分が能動的に動いたときに驚いてほしい。ところが上司はそこをスルーし、自分の命令どおり動いたかどうかだけを見てる。これでは部下はつまらない。自分なりに考えたことを評価されないから。自分の工夫に気づいてもらえないから。

上司がもし、部下が能動的に動いたことに驚き、感謝するなら、部下はますます能動的に動こうとする。それを認めてもらえて嬉しいから。楽しくなるから。上司が、部下の能動性の発生に驚く場合、部下はますます能動的になるように思う。

こうした仕組みは、実は保育の考え方から学ばせてもらった。言葉のろくに通じない子どもにどう接したらよいかを突き詰めて考えた保育の考え方は、全年齢に通じる素晴らしいものだと思う。だから実は、保育士の皆さんは答えをすでに持っているように思う。

保育ならではの子どもへの接し方を、大人向けにアレンジするだけ。保育は大人だけでなく、老人介護にも通じる、普遍的な技術なのだと思う。現場の皆さんには、もっと自信を持って頂いてよいように思う。

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