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VRChatオリジナルワールド作ってみた

こんにちは。
株式会社シンテックホズミ XR推進グループの水野です。

先回、グループ内でVRChatの体験会を実施しました。

実施した結果は好評で、VRChatの有効性に対して理解が得られ、トラストレベルも上がったため、次のステップとしてオリジナルワールドの制作を試してみました。

オリジナルワールド制作

制作と言っても、今回はゼロからワールドを作るわけではなく、弊社が販売している「安全啓蒙VR」で制作したシーンを流用して、VRChatのワールドを作ってみました。

ワールド制作で確認したいこと(目的)

まず、VRChatのワールドにはVR非対応ワールドVR対応ワールドがあります。
VR非対応ワールドは、PCでVRChatをプレイでき、VR非対応のオリジナルワールドをアップロードする場合の容量制限は特にありません。
VR対応ワールドは、PCの他にMetaQuest2などのVRChatに対応したVRデバイスでもプレイすることができ、PCでVRChatをプレイするよりも没入感があり、操作が簡単だったりしますが、アップロードできるワールドに対して容量制限(Max100MB)があります。

ここで突然の宣伝っぽくなりますが、弊社の「安全啓蒙VR」には以下のラインナップがあります。

  • 工場災害シリーズ(11事例)

  • 工事災害シリーズ(4事例)

  • オフィス災害シリーズ(4事例)

  • 交通事故シリーズ(5事例)

  • 安全管理トレーニング(4事例)

これらのコンテンツ制作に使用しているシーンに、「なるべく手を加えることなくVR対応ワールドを作れるか」が、今回のワールド制作で確認したいことです。
さすがに全シリーズ試すのは手間なので、ポリゴン数やテクスチャなどが多めな「工場災害」と「安全管理トレーニング」のシーンを使って確認します。
ちなみに「工場災害」のシーンはYoutubeで360°動画をご覧いただけます。
もし、「安全啓蒙VR」にご興味ある方は、弊社HPもご覧ください。

ワールド制作の手順

VRChatのワールドはUnityというゲームエンジンを使って作ることができます。
しかし、弊社の「安全啓蒙VR」はUE(Unreal Engine)というゲームエンジンを使って制作しています。
そのため、今回は以下の手順で、UEのシーンをUnityに流用してVRChatのワールドを作ってみました。

  1. UEのシーンを丸ごとobj形式で書き出し

  2. 書き出したobjファイルをBlenderで開きglb形式で書き出し

  3. VCC(VRChat Creator Companion)を使ってUnityにVRChatのSDKをインストール

  4. UnityでVRChatやProject Settiingsなどの設定

  5. 2で書き出したglbファイルをUnityに読み込み

  6. 読み込んだglbファイルのテクスチャなどを修正

  7. 最低限の床と壁だけ当たり判定を設定

  8. VRChatにアップロード

UEのシーンを流用する必要がなければ、手順3から実施し、素材にはFBXファイルなどを使うのが基本的なワールドの作り方になります。
なぜUEのシーンを流用する方法を試したかというと、目的のところで説明した「なるべく手を加えることなくVR対応ワールドを作る」ためです。
細かい話をするとUnityとUEの仕様やCGファイル形式の特性の話になるため割愛しますが、この方法には次の2つのメリットがあります。

  • UEでシーンに配置したCGオブジェクトをその配置のまま流用できる(Unityでの再配置の手間がなくなる)

  • 複雑なマテリアルでなければ、UEで設定したマテリアルをUnityに持っていける(完全に同一のマテリアルを持っていけるわけではないですが、全マテリアル再設定という手間はなくなる)

今回試した「工場災害」と「安全管理トレーニング」のシーンは、オブジェクト数が多いため、Unityで再配置、マテリアル再設定をするよりも、この方法が一番手が掛からないと思い試してみました。(もっと手の掛からない方法をご存じの方がいらっしゃれば、DMや最下部のお問い合わせフォームからアドバイス頂けると幸いです)

結果

以下の画像1が、UEで作られたシーンです。(手順1を実施する前の状態)

画像1:UEで制作された「安全管理トレーニング」のシーン

画像2が、手順6までを実施してUnityで作られたシーンです。

画像2:画像1のシーンをUnityに流用したシーン

今回の手順のメリットである、オブジェクトの配置に関しては問題なく保持したまま流用できていました。
マテリアルに関しては、体感ですが80~90%程度は持ってこれたと思います。そもそものUEとUnityの違いがあるので、色味などはどうしても異なりますが、今回の「なるべく手を加えない」という条件なら許容範囲でした。

ひとまず、この状態のワールドをVRChatにアップロードしてみたところ、容量的には問題ありませんでしたが、テクスチャが多い方向を見ると、描画処理が追い付かずカクカクした動きになってしまったので、この辺を修正できればVR対応ワールドとしても使用できそうです。

今回制作したワールドは非公開のため、興味ある方は動画をご覧ください。
※描画の重くなる方向を見ないように移動しているせいで、動きが不自然なため、画面酔いなどにご注意ください。

VRChat版「安全管理トレーニング」

VRChat版「工場災害」

現在の弊社の「安全啓蒙VR」はMetaQuestでの一人用のコンテンツとなっていますが、VRChatの様なメタバースプラットフォームを使うことで、複数人遠隔地マルチデバイスなどの環境で使用できる、集合教育コンテンツとしても使えそうです。
そういったサービスを弊社から提供するには、大人の事情(弊社がVRChatと法人利用契約を結ぶ必要がある)があるため、まだ製品化などはできませんが、もし、メタバースプラットフォームを使った集合教育などに興味がありましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
この他にもメタバースで何かやってみたいなどのご相談も承っております。
(ご要望頂ければ大人の事情を解決しやすくなります!)

お問い合わせフォーム

次回は、ロケーションベースAR関係の内容を予定しています。
気になる方はフォローよろしくお願いします!

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