『炎環』

永井路子さんの作品。直木賞受賞作です。

おととしの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』も北条義時が主人公でしたが、もう何十年も前に永井さんは義時の小説を書いている訳ですね。

ということは、義時ってもっとフィーチャーされていい存在のはずなんです。鎌倉時代って明らかに「源時代」ではなく「北条時代」であり、その礎を築いたのは時政でも政子でも泰時でもなく、この義時であるということを「バラした」訳ですから。

でもイマイチ人気ないですよね。大河の主役を張ったって一時のブームで終わろうとしている。そもそも北条が人気ない。

それが義時のやったことなんでしょうね。名よりも実。この200年程前には藤原氏がやった。そして200年後には細川氏がやる。

小学校の時の友達に「大塚が学級委員長やれよ。俺は副委員長やるから」という友達がいました。新撰組で言えば土方歳三。

イヤですねえ、こういうの。矢面に立たず、失敗した時は知らん顔して、うまく事が運ぶと「あれ、オレ」みたいな顔して嘯くやつら。

彼らからしたら、頼朝すら「脇」なんでしょうね。

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