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【強迫性障害】映画「恋愛小説家」を観て

NHK BS3 で映画「恋愛小説家」をやっていたので、観ました。以前から、主人公(ジャック・ニコルソン)が強迫性障害者の物語だと知っていたので、いつか観たいとは思っていましたが、例えフィクションであっても、人の強迫の症状を知ることで、自分も感化されて、同じ症状になってしまわないか、怖くて、観れずにいました。

主人公は、強迫性障害でマイルールに囚われ生活している、いわゆる変わり者。空気が読めず、思ったことを口に出し、悪気なく他人を傷つける嫌な奴。そんな彼を気嫌いしつつも、関わりを持つ、気の知れた隣人達。人々との関わりの中、主人公は、それぞれの人生における苦しみを知り、理解し、打ち解けて行く。

強迫性障害がメインテーマではないのだけれど、ジャック・ニコルソン演じる主人公が行う強迫行為には、うん、うん、わかる、と思わずうなずきました。主人公は他人に興味はないのだけれど、他人に接近する場合の動機が、自分の強迫観念由来の恐怖を回避する為であったりするのも、わたしにはよ〜くわかりました。

主人公が、家に帰ってドアを閉める時、数を数えながら慎重に鍵を閉めるシーンがあります。神妙な面持ちで「大丈夫、大丈夫」とつぶやき、冷や汗をいっぱいかきながら。他人からは変人にしか見えない彼なのだけれど、本人は人知れず症状に苦しんでいるという、強迫性障害の本質を表しているシーンだと思いました。

ラストは、好きな女性とハッピーエンドで、ほっこりしました。ラストに、女性のお母さんが、「普通の男なんて、どこにいるの?」と女性の背中を押すシーンが良かったです。

わたしは、強迫性障害者も苦しみながら生きているけど、強迫性障害でない人も苦しみながら生きていて、皆、苦しみながらも、自分の人生に喜びを見出そうとしているのだ、と感じる映画でした。

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