ドバイスト

ドバイ在住3年。インド生活11年(デリー&ムンバイ)。 本業は、四半世紀間ケミカリスト…

ドバイスト

ドバイ在住3年。インド生活11年(デリー&ムンバイ)。 本業は、四半世紀間ケミカリスト(化学品営業)だったが、現在はデンタリスト(歯科材料営業)。 宮城県仙台市出身、54才。家族構成は妻&子供3人。

最近の記事

#016 「洗浄」

手動式ウオシュレットの続き。小職は、20年近く、手動式を愛用しているのだが、肛門科医の佐々木みのり先生は、おしりの洗いすぎに警告を鳴らしている。過ぎたるは及ばざるが如し、である。10万人以上の尻を見てきた先生だけに説得力がある。 ポイントは ・肛門周辺の皮膚は非常にデリケート。ウオシュレット(自動、手動問わず)は、毎回、水鉄砲攻撃をしている様なもの。皮膚に負担をかける。 ・特に、洗浄によって、皮脂がはがれ、皮膚のバリア機能が低下。炎症を起こす。(ウオシュレット症候群) ・これ

    • #014 砂漠~ 敦煌 井上靖

      これまで読んだ本の中でトップ10に入る作品は、やはり井上靖の「敦煌」だ。同じ砂漠でも中東の砂漠と異なり、東西文明の交通の要所にある砂漠は、スケールが異なる。そこは、巨大な都市と文明があり、様々な文化が集積する一大文化センターであった。 時代はチャイナの宋。極めて優秀でありながら、待ち時間中に昼寝してしまい、科挙に失敗した趙行徳は、開封(南京)の町を徘徊する。そこで、全裸の西夏(チベット族の強大な国家)の女が売りに出されているのを見て救ってやる。見返りに、女は趙行徳に一枚の小さ

      • #015 砂漠生活における「洗浄」

        インド生活時代に、慣れ親しんだのは、手動式ウオシュレットだ。紙でこするよりも、清潔感がある。どうしても紙の場合は、微妙な残存感があるし、ケツ毛が比較的長い(他の人の長さは知らないが)場合、時として紙玉が残る場合も多い。この手動式(ウオシュレット開発以前からあったはずなので、手動式洗浄装置、ここでは以下、「手動式」とする)は、一旦慣れると非常に便利で、紙の使用量が拡大に減る。紙は、水分除去に使用するだけで良い。あるいは、紙がなくとも、乾燥した気候ではそもそも多少濡れたままでもす

        • #013 原子力エネルギー 雑感

          UAEにも原子力発電所がある。アブダビの石油精製・石化センターであるルワイスの西方約50㎞にあるBARAKAH原子力発電所である。韓国の電力会社KEPCOが主導する韓国連合が200億米ドルで受注し、建設、運転支援を手掛けた。運営主体はENEC(EMIRATES NUCLEAR ENEGY CO)。2012年7月に着工、2021年から稼働開始。1400MW/基で合計4基、公称能力5600KW。4基目が今年稼働する見込みである。UAEの電力需要の1/4を賄う。 UAE(アブダビ)

        #016 「洗浄」

          #012 ラマダン雑感 IN ドバイ

          砂漠生活3年。自分は断食しないものの、ラマダン(日中断食)期間を経験するのは4回目となった。そもそも一体、これは何のためにやっているのかと、ふと考える。 今でこそ、様々な生活スタイルがありうるが、基本的に、乾燥した灼熱の気候下の生活は単調である。 一般的に、寒暖差の激しいほど、果物は美味しくなる。人間社会においても、環境の「変化」こそが生活にメリハリと活力を与える。そう考えると、いかにも砂漠ライフには変化がない。そこで、ある一定期間の忍耐を社会全体で共有する。結果、忍耐を共有

          #012 ラマダン雑感 IN ドバイ

          #011 「中東への視角」牟田口義郎 志賀重昂③オマーン

          志賀曰く、 「鏡の面よりも平らかなる深甚の海水より大巌石の絶壁は空をえぐりて並び立ち、一本一樹の之に生ずるものなく・・・」 「王宮は海岸の波うち際に立てる三層楼である。宮門に行くと、衛兵は誰何した。予は日本ジの名刺を出した。衛兵は携えて内に入った。 「予は万里の日本よりこのオマーン国に来たり、折角国都にも来りたるが故に一度国王殿下に拝謁、オマーンと日本と親交せざるべからざることを言上し、かつ日本国民をして天下の風采を想望せしめたしと思うと答えた。二・三分経つと、この人は再び

          #011 「中東への視角」牟田口義郎 志賀重昂③オマーン

          #010 「中東への視角」牟田口義郎 志賀重昂 ②石油問題

          大正13年(1924年)当時の話。 志賀の見解。 ①油が断ゆれば、国が断ゆることを日本国民に徹底せしむることが先ず以て日本の石油政策を確立せしむべき第一の手段である。 ②日本国内および日本に接する方面における含油地層およびオイルシェールに徹底的調査を遂行せよ。 ③ロシア、ボルネオ等より永久に石油の供給を仰ぐべき契約を締結せよ ④石油以後の燃料問題、の研究を奨励すべし。 石油確保はもちろんのこと、石油以後にも言及していることに驚く。志賀の先見の明。 志賀曰く、 「志ある士は一人

          #010 「中東への視角」牟田口義郎 志賀重昂 ②石油問題

          #009 ドバイのタクシー&バイク

          ドバイのタクシーは非常に便利だが、運転手は、パキスタン人が大半で特にぺシャワール出身者(パターン人/アフガン人)がほとんどである。たまにパンジャービー系もいる。この青年は、ラホール出身との事。 ちなみに、ドバイのバイク運転手はほとんどがラホール出身者。高速運転で非常に危険度が高く、相当な運転技術がないと大事故にもつながりかねない。パキスタンのラホールは、バイクだらけで、運転に長けた青年が多いとの由。 珍しく、この青年はRTA(ドバイ道路・交通局)の帽子をかぶっていた。因みに、

          #009 ドバイのタクシー&バイク

          #008 志賀重昂①~石油問題

          牟田口義郎著「中東への視角」から。 志賀の中東視察の目的は石油事情の調査であった。(100年前である) 志賀曰く、 「この地球は空、陸、水の3つよりして成っている。しかして、空を支配するのは飛行機であり、陸を支配するのは自動車であり、水を支配するは船である。しかるに飛行機も、自動車も、船も、ガソリン油すなわち石油に依らざれば一寸だに行る能わず。すなわち石油なき国家は空、陸、水に劣敗し、この地球の上に存在を容さざるに至るべきである。(中略)しかれば、将来のことは一言に尽くる。い

          #008 志賀重昂①~石油問題

          #007 牟田口義郎「中東への視角」(昭和52年)

          牟田口は、同著の第一章で、「日本風景論」(1804年)の著者、近代日本の思想家、地理啓蒙家である志賀重昂(しがしげたか)を取り上げている。 志賀は、明治43年(1910年)から、世界を3度1周しているが、「知られざる国々」ではキューバ、ブラジル、パラグアイ、チリ、メキシコ、ビルマ、中東諸国、南アに及んでいる。ちょうど100年前の大正13年(1924年)2月28日に、志賀は船で、ムンバイからパキスタン沖を抜け、オマーンのマスカットに上陸した。その後、イランのバンダルアッバース、

          #007 牟田口義郎「中東への視角」(昭和52年)

          #006 中東学 牟田口義郎&ブノアメシャン

          中東を研究する上で欠かせない名著と聞き、目下、乾燥劣化した脳を酷使して精読中。 牟田口義郎は、1923年神奈川県生まれ。1948年東大仏文卒。朝日新聞記者、カイロ支局長、パリ支局長、論説委員を経て退職、1982年成蹊大教授、1991年東洋英和女学院大教授。中東調査会常務理事、日本アラブ協会、日仏協会理事等。専攻は中東近現代史、国際関係論、地中海文化史。2011年死去。 ブノアメシャン(Jacques Benoist-Mechin)は、1901年パリ生まれ。政治家、作家。新聞

          #006 中東学 牟田口義郎&ブノアメシャン

          ドバイシーシャEXPO #005

          先日、ドバイでシーシャ(水たばこ)EXPOがあったので、ちょっと覗いてみた。シーシャとは、火皿で燃えたタバコの煙を水に通し、ろ過された煙を吸引するタバコだ。煙が水を通ることで冷却され、まろやかで独特な味わいとなる。昨今は、燃やさない、電子式のものも増えている。また、風味としては、各種フルーツやミント、様々なフレーバーがあり、これがシーシャの味を決める。中東エリアでは、欠かせない嗜好品である。 ローカルな喫茶店では、お茶とシーシャがセットになっていて、店に入るとシーシャのフレー

          ドバイシーシャEXPO #005

          ドバイのインド料理~そしてムンバイ回想 #004

          インド人が多いドバイなのでインド料理は、いろいろあって地方色も豊かだが、小職が時々通っているのは、デイラにある南インド系のムスリムがオーナーの店。10AEDで食べ放題。腹が割れそうになっても、TOP UPのおかずやごはんを持ってきてくれる。 有難いのは、脂っこくない事。本当に美味いインド料理はあっさりしてオイリーでなく、スパイスに深みがあって、上品な辛さの余韻が残る。まさにそれだ。 昔、ムンバイの合弁企業に勤務していた頃、お昼は皆で弁当を食べるのだが(家から弁当を持ってこれな

          ドバイのインド料理~そしてムンバイ回想 #004

          ドバイのタクシー #003

          UAE内での移動にはタクシー、バスを利用しているが、運転手さんの8割以上はパキスタン人。特に、ペシャワール出身のパターン人(アフガン系)が多い。運転も抜群の安定感あり。 パキスタン人以外の旧インド帝国としてバングラ人、インド人もいるが、運転は荒いのが通常。 その他ナイジェリア人、ウガンダ人、エチオピア人等がいる。ピンク色の入った車体は女性運転手で、エチオピア人の女性運転手がなぜか多い。 車の8割はTOYOTAのCAMRY。圧倒的な信頼性ありとの評判。400~500㎞/半

          ドバイのタクシー #003

          カスル・アル・ワタン(アブダビ)にてエネルギーを考える #002

          これだけゴージャスな建物は見たことが無い。アブダビ首長の王宮。総工費600億円との話。やはりエネルギーを手にした者が強い。結局、エネルギーに絡んで戦争が起こる。「再生可能」?エネルギー」。そもそもエネルギーは再生しない。再エネの虚構に騙されている内に、電気代は高くなり、産業の競争力が劣化し、破滅の道を歩むことになる。昨年UAEは、ドバイにCOP28 を誘致して、観光ビジネスの実を取りながら、一方で、したたかに原油生産を拡大している。我々日本も見習う必要がある。化石燃料という、

          カスル・アル・ワタン(アブダビ)にてエネルギーを考える #002

          乾燥生活 ドバイスト#001

          砂漠ライフも早3年。かつて住んでいたインド(デリー&ムンバイ)と異なり、雨季が無い。乾燥生活の利点は、洗濯物が乾くのが早い、黴が生えない、虫が少ないこと。インド時代は、防虫コストがそれなりにかかり、日本からの人気の土産品のひとつは、虫よけ、あるいは殺虫スプレーであった。しかし、ドバイではそもそも蚊取り線香、あるいは殺虫剤を買ったことが無い。また、気温の変化も小さいので、年中半袖短パン、自宅内では全裸モード。斯様に、中東のドライライフはなかなか快適。ベランダからドバイの夕日を眺

          乾燥生活 ドバイスト#001