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風にブゥ垂れて

The pessimist complains about wind, The optimist expects it to change,...... (William Arthur Ward)

行きも帰りも向かい風。風に行く手を阻まれる。風神に恨みを買った覚えはない。勿論喧嘩も売っていない。それなのに風の吹く日は大概いつも向かい風だ。ひとつの詩歌が、不意に私の口を衝いて出る。

風立ちぬ、いざいきめやも(堀辰雄)

私は日ごろチャリで移動する。戯れじゃない。私のチャリは手段だから。だけど所謂ローディじゃないよ、安心して。まあ何でもいいけど、兎に角チャリに跨るんだよ、それこそ毎日。

嫌なのは雨ね、想像つくと思うけど。カッパとか蒸れる、不快。ゴアテックスだって駄目、なんにしたって結局蒸れるから。ポンチョがいい、構造上蒸れ難い。ポンチョ派です、私は。どうでもいい話か。兎に角、雨の何が嫌かって言ったら、濡れるのは勿論だけど、なんせ疲れる。倍以上、疲労困憊する。何でなのか謎だけど、まあ異常に疲れる。

次いで風ね、前述通り。ごつい風神が立ちはだかっている、呪いかよてくらい。こいつが追い越せない、鈍いのかよてくらい。生まれて此の方チャリ漕いでて追い風感じたことはない。哲学は感じる、人生向かい風かよて。だっていつも絶対確実に、行きも帰りも向かい風、どう考えてもおかしいでしょう。なんか間違ってない? 自問自答する。 そうして、チャリに跨りながらひとりモヤモヤする。

風かよ、行かなきゃだけど行きたくねえな……

the cyclist runs against wind. ていう話でした。
今日風強かったんです。

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