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世界一周物語 第8話 〜バックパッカーの憧れの地タイはカオサンロードへ〜

・ほろ酔いの少年の迫り来るカンボジアの美女

・バックパッカーの聖地タイはカオサンロード。

・グッバイ、総額10万の一眼レフカメラ

美女が狙うのは僕ではなく、僕の財布。

前話は↑


おじさんとアンコールワットの観光を終え、レストランへ。
男2人でささやかな打ち上げだ。
日本食レストランへ行き、イマイチな日本食を食べ、ビールを飲む。

今日行ったアンコールワットについて話す。
年齢は僕の3倍はあるおっちゃんではあったが、なかなか楽しい時間だった。オジサンは楽しくてたまらなかったらしい。
楽しいそうにずーと喋っていた。
少年は、まだ20歳そこそこ。
いつか遺跡を巡って楽しいと思える時が来るだろう。


さすが、おじさん、全部奢ってくれた。
貧乏旅行には嬉しい限りだ。そして、美味しいご飯で満足して、ほろ酔い気分で、宿に向かって、歩いて帰っている時に事件は起きた。

若い女性二人組が僕らの近づいてくる。
そして、『今夜どう?』と誘ってくる。
まあ、夜の街を歩いていると、よくあることだ。
まあ、少年は、少しだけ話して軽く切り抜けようと思った。

女性は少年の体の身を寄せる。
そして、一言二言言葉を交わす。
少年は別に悪い気はしない。それどころか嬉しい限りだ。
その瞬間、一緒に歩いていたおじさんが、叫ぶ
『おい!!!』と女性に向かって怒鳴る。
そして、おじさんは僕を引きずるように捕まえて、僕達は逃げる。
女の子達が見えなくまで、僕たちは走った。

僕は何が起きたのか分からず、おじさんに『どうしたんですか?』と尋ねた。
僕ばっかりが、若い女の子に相手されるから嫉妬していたのか〜と呑気に思っていた。
体を寄せて、お前のカバンから財布を盗もうとしてた、とおっちゃんが教えてくた。
全く気づかなかった。

そうか、全部作戦だったんだ。男はつくづくバカな生き物だ。
おっちゃんはさすが年の功だけある。少年を救ってくれた。ありがとう、おっちゃん。

これにて、アンコールワットのおっちゃん2人旅が閉幕した。

やりたいことリストの『アンコールワットへ行く』という目標を達成し、次なる国はタイへ。


バックパッカーの聖地はタイのカオサンロード

カンボジアからタイへの入国もこれまたバス。中国からタイまですごい距離をバスで移動してきた。

少年の次なる目的地はタイの首都のバンコクにあるカオサンロード。
この場所には、旅人が求める全てがあった。そこに集まる旅人達。
今ままで順調にきていた旅ではあったが、少年をあるアクシデントが襲う。

やっと来ましたタイ。
タイと言えば首都のバンコクにあるバックパッカーの聖地のカオサンロード。深夜特急を読んで絶対に来たいと思っていた場所。

カオサンロードと言えばバックパッカーの聖地で、世界中からヒッピーが集まる。なぜなら、安い宿に、安い飯、ナイトクラブに、マリファナに、ヒッピー達は集まる。
そこで沈没するヒッピー達はたくさんいる。

『沈没』とは、、、旅用語。
何をすることもなく、一日が過ぎて、また一日が過ぎ、長期間一つの場所にいることを指す。

僕が泊まった宿はNUT2という宿で所謂日本人宿。
日本からの旅行客がほとんど。当時で、一泊600円〜1000円ぐらいだったと思う。
それで、ベットが一台置いてあるだけのスペースがある個室だった。トイレとシャワーは共有だった。
牢屋みたいな部屋だった。シャワーのお湯はぬるめ。水量は弱めだった。
しかし、貧乏旅行。それで十分に満足だった。そんな安旅がカッコいいと思っていた。

日本人宿にいると、日本から来ている旅行者と過ごすことが多くなる。
これはこれで楽しいが、何日もいると段々と物足りなさを感じてくる。

日本から来ている人達と毎晩メシに行ったり、夜市に行ったり、クラブへ行ったり。これはこれで楽しいかった。
ご飯も美味しいし、コンビニもあるし、日本人もいっぱいいる。
沈没してしまう理由もわかる。

なぜなら、ちょうどいい感じの街だからだ。
命の危険を感じることは少ない。
タイは比較的治安が安定している。
ご飯もうまい。
パッタイに、フルーツはめちゃくちゃ美味いし、安い。
旅行者もたくさんがいるから、友達もできる。
夜の街も賑わっている。
それが、お金をいっぱい使わずに滞在できるとなれば、長期滞在しながら、ダラダラしてしまう。

しかし、そんな生活を1週間もすれば僕はだんだん飽きた。
だんだんと刺激がなくなってきた。
これは移動のタイミングだなと悟る。

次の目的地は、タイのパタヤピーチへ行くことに。

人生初のバンジージャンプ。


プールに設置されたバンジージャンプ台。
30mぐらいの高さからプールに向かって飛び降りるもの。
めちゃくちゃ怖かった。人生で初めてのバンジー。
しかも、一人で来ていて、誰か他のお客さんがいるだろうな〜と思っていた。しかし、たった一人だった。

30分ぐらい、ジャンプ台の先端に立って、やっと飛ぶことができた。
後にアフリカでもバンジーをやったのだが、30Mの高さが絶妙に怖いらしい。
この高さは、地上がしっかりと見えていて、死が想像できるらしい。
もっと高い所から飛ぶ方が頭がバグって怖くないらしい。
ほんまかどうかは疑わしいが。笑

このパタヤビーチに2泊しただろうか?
ここの宿をチェックアウトする時、リュックの荷造りをして、いざ出発。

グッバイ、ワタシのカメラ

僕は、日本から、NIKonの一眼レフを持ってきていた。
ここにくるまで、いっぱい写真を撮っていた。

世界一周の旅費の為の朝から晩までずーと働いてお金を貯めた。
そして、一眼レフを買って、いろいろな場所を写真に収めておこう、と思い買った一眼レフ。

家電量販へ行って、ニコンとキャノンの一眼レフを試し撮りして、シャッター音がいいとニコンに。
苦労して買った一眼レフをその宿に忘れて行ってしまったのだ。

(※ほどんどのタイの方は本当に親切で、親日でした。ただ、少年の不注意で、カメラを無くしてしまっただけです。)

僕は、宿に戻り、スタッフの人に聞いても、ないと言う。
しかし、絶対にあるはずだ。
彼らも食い下がらない。ないものはない。
俺は絶対ある。と引き下がらない。
1時間ぐらい粘っただろうか?
タイの闇市で、タイ人の元に渡ってることだろう。
そして、思い出を写真に残していることだろう。
それはそれでいいだろう。
そう、このブログの写真が一枚もないのは、そう言うことだ。

彼らに屈して、総額8万のニコンと今まで撮影した思い出の写真と別れを告げ次の目的地に向かったのだった。

しかし、僕が経験したのは、次回登場する旅人せいじに比べれば、うんこちゃんだと思ったのでした。

次回に続く。
『次なる目的地はマレーシアのクアラルンプール。そこには身ぐるみを剥がされたせいじが。笑』

1話から↓


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