Shinya Okada

オラクル、SAP、salesforce など複数の外資系ソフトウェアベンダーでプリセー…

Shinya Okada

オラクル、SAP、salesforce など複数の外資系ソフトウェアベンダーでプリセールス組織の責任者をした後、MARKETO,BRAZEのスタートアップ会社の支援でプリセールス、コンサルティング、研修、カスタマーサクセス、サポートなどの技術系の組織の立ち上げを経験しました

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SaaSベンダーのプリセールス

プリセールスの位置付けプリセールスは会社の資源(つまり、最大限有効に活用するべき) プリセールスは営業とPeerな関係(同じゴールに向けて仕事をする仲間) プリセールスが取り組むべき事成約率を上げて最大限の成果を得る  成約率を上げる事によって、プリセールスだけでなく、営業も効率的に成果を達成することが可能となります。つまり、成約率を上げる事で、プリセールスの対応する案件数を減らし、質の高い支援を行うことが出来るので、より顧客満足度を高めた対応が可能となり、結果として成約

    • パートナーへの仕事の依頼で思う事

       顧客からプロジェクトを受注した段階で厳しいプロジェクトになることが目に見えていることも実際には起きうることだと思います。そんなプロジェクトの体制を組むためにパートナーへ協力を依頼する必要がある場合、人をアサインしてもらうだけでなく、プロジェクトを成功させるために考えるべき点があると思います。まず、受注元が責任を持つ気概を示し、合わせてパートナー企業へも成功へのコミットをしてもらう必要があります。同じ船に乗って成功を目指すということを完全に共有しなくてはなりません。  会社と

      • 組織化での考慮点

         ソフトウエアプロダクトを販売する企業のプリセールスの組織を考える時に、考えるべきポイントがいくつかあります。ここでは、そのポイントについて記載しますので、自社に適した組織を作る参考になればと思います。各社によって、扱う製品の特性から、ターゲット顧客、商談クローズまでのリードタイム、製品のバリエーション、パートナーとの関係などによってプリセールスの組織体制は異なります。以下ではこうした点をどのように考慮すべきかのポイントを考えてみます。また、ここではSaaSの製品を前提にまと

        • 今後の方向性

           SaaS製品が企業に浸透するに連れて、プリセールスの役割も徐々に変化して来ています。製品を販売する事に注力するだけで無く、製品が継続的に利用されるように販売やポストセールスの段階でもプリセールスがリテンション対策を意識して貢献するように変わって来たのです。 ライフサイクル全体への関与  SaaS製品の場合、顧客の製品利用のライフサイクル全体を考えて、プリセールスだけでなく、導入コンサルタント、CSM、サポートなどが組織横断で製品の継続利用を意識した活動を考えることが必要

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        SaaSベンダーのプリセールス

          業績評価

           プリセールのエンジニア評価については、チーム達成度で見るか、個人の貢献度つまりクローズ案件金額で見るか、そのハイブリッドで見るかなど悩ましい部分があります。前者に寄せると優秀な個人は不満を持ちますし、後者に寄せると受注困難な案件や業種を担当するモチベーションが下がります。さらに、優秀な営業の案件をやりたがる(成約率が高い)など、営業の選別をする弊害が出ます。そうなると、ハイブリッドが良いのではないかと言うことに落ち着きますが、チーム業績と個人業績の配分比率をどうするか、MB

          人員計画

           プリセールスの組織の人員計画は、組織的にコストセンターの括りであるために、単独ではJustificationsが出しにくく、企業によっては計画を出しても結局営業の売り上げ計画の枠の中でしか考えられない場合もあります。計画を立てる際には、営業の体制、売上の規模を元にして考えるのが一般的でしょう。 必要リソースの計算  プリセールス組織は会社の売上目標を達成して成り立つ組織です。その為に人員計画の際には売上目標は考慮すべき点として最も重要になります。その売上目標を達成するた

          モニタリング

           プリセールスマネージャーはチームの状況を把握し、適切な対応が出来ているか、いくつかの指標をモニタリングする事で進捗、課題を確認します。ここでは、いくつかの代表的な管理項目を例として記載しますが、多くの会社でいろいろな指標で見ていると思いますので、あくまでも一つの例として確認下さい。これらの管理項目をダッシュボードなどで定期的にチェックして、必要なアクションを取る為の材料とします。 パイプライン件数  ここで言うパイプラインは、営業がクオリファイしたリードを指します。プリ

          モニタリング

          プリセールス組織の課題:C社のケース

          背景  C社では、大企業向けと中堅企業向けのアプローチをそれぞれ別に考え、今ではスタンダードになったThe Modelの考え方で営業からCSMまでの役割を揃えて活動していました。大企業向けと中堅企業向けを分けた組織としていた理由は、そのアプローチの違いもありますが、同じ組織の場合にどうしても金額規模の大きな大規模案件が優先されて、中堅以下の案件にアサインが回らないという不都合が起きるためです。ここではThe Model(福田康隆著)の営業プロセスに加えて、プリセールスでどの

          プリセールス組織の課題:C社のケース

          プリセールス組織の課題:B社のケース

          背景  B社は、プリセールスのエンジニアが業種別の営業組織に従属しており、営業からの依頼で案件の支援を行う体制でした。支援対象となる製品は、会計、物流、製造、販売、人事と広範で、さらに23種の業種別ソリューションがありました。営業との連携は同じ組織であることから、非常によく取れており、営業の依頼にもタイムリーに応えられるものでした。 課題  23種の業種別ソリューションを持ちながら、その担当者は専任では存在せず、担当業種に必要なソリューションのスキルを持ったエンジニアは

          プリセールス組織の課題:B社のケース

          プリセールス組織の課題:A社のケース

          背景  A社は、市場優位性のある主力製品が中心の会社で、営業組織は業種別に組織化され、主力製品と付随するツール製品を扱っていました。プリセールスもその営業組織の配下に各々配置され、同様の製品範囲をサポートしていたのです。そこへ新たな製品事業としてアプリケーション事業を追加するために、いわゆるオーバーレイ営業組織としてアプリケーション事業部が作られ、製品管理、営業、プリセールス、コンサルタント、サポートなど、全ての関連チームがこの事業部内に配置されていました。成熟した製品にな

          プリセールス組織の課題:A社のケース

          プリセールスのタスク

           ここでは一つの参考例としてSaaSソフトウエアベンダーでのプリセールスのタスクについてまとめてみたいと思います。 定義  プリセールスのプロセスの中でここで扱うのはエンジニアによる支援部分、つまりプリセールスエンジニア(ソリューションコンサルなどと呼ばれる事もある)の範疇を扱うこととします。また、パッケージソフトウエアを例に取った内容となりますので、全ての業種に当てはまる物では無いことをご了承ください。 案件の支援という観点のタスクを一例として以下のように整理します。

          プリセールスのタスク

          プリセールスの役割

           プリセールスは、技術的な側面で営業フェーズをサポートし、案件の成約に貢献することが主たる業務となります。また、プリセールスは決して営業の従属的な位置付けでは無く、営業と対等な立場で成約の為に活動をするので、リスクや見込みのない案件への工数の投下などを避けるために調整をします。つまり、チームとして最大限の成果を得るために営業と共に調整しながら活動をするのです。  このプリセールスの活動にはその仕事の範囲によって幾つかの役割が考えられます。此処では、役割を細分化して記載していま

          プリセールスの役割

          プリセールスとは?

          プリセールスの位置付けプリセールスは会社の資源(つまり、最大限有効に活用するべき) プリセールスは営業とPeerな関係(同じゴールに向けて仕事をする仲間) プリセールスが取り組むべき事成約率を上げて最大限の成果を得る  成約率を上げる事によって、プリセールスだけでなく、営業も効率的に成果を達成することが可能となります。つまり、成約率を上げる事で、プリセールスの対応する案件数を減らし、質の高い支援を行うことが出来るので、より顧客満足度を高めた対応が可能となり、結果として成約

          プリセールスとは?

          プリセールスの仕事

           プリセールスという職種がソフトウエア業界の多くの企業で見られるようになりましたが、プリセールスに関する資料は多くありません。営業プロセス全体は福田康隆氏の「The Model」にあるように連携しそのモデルは出来ていますが、プリセールスの部分の記載は少ないのでそこをもう少し掘り下げてみたいと思います。 プリセールスとは? プリセールスの役割 プリセールスのタスク 組織化の事例 組織化での考慮点 モニタリング 人員計画 業績評価 今後の方向性 などについてまとめてみます。

          プリセールスの仕事