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ほぼ毎日 note #129 C.Wニコルさんを偲んで

「勇魚」。「いさな」と読みます。


C.Wニコルさんによる時代小説。幕末から明治を迎える日本の大事件を一人の鯨取りの目から見る。
紀州(和歌山)、琉球、中国、アメリカと世界中を回った壮大なストーリー。大河ドラマになってもおかしくない大きな物語です。

ただし、捕鯨(鯨取り)という微妙なテーマのためか、小説自体も文庫本が絶版という状態。
C.Wニコルさん自身も先頃亡くなり、こんな大きな小説がもう世に出ることはないだろう。

物語はペリー来航、桜田門外の変、薩英戦争と日本の開国に向けての数々の事件を扱う。当然、坂本龍馬や勝海舟(麟太郎)も登場するが、あくまでも主役は鯨取りである甚介である。後にアメリカ市民権を得て、ジム・スカイと名乗る。
彼の視点から見た日本の開国までが描かれる。
非常に面白い視点から開国を描いている。
日本人でありながら、開国を外から見ているので客観と主観の中間で日本の騒動が描写される。

ニコルさん亡き後、この小説の扱いが気になる。もしかして、大きく取り上げられることを期待しながら。

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