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007:見積もりで皮算用し始めた時

おいおい、また見積もりかよっ

見積もり、仕事が順調に進むと求められるアレ。見積もり、そう、後出しじゃんけんでひっくり返る、アレ。ということで、今回は見積もりの話。見積もり、フツーにたくさん出してます。求められたらの話ですが。

見積もりにも種類がいくつかあって

  • 指名見積もり(発注は確定・見積もりは調整されることが多い)

  • 無視され見積もり(発注は確定・形式上出さされるだけ)

  • 相見積もり(発注は未確定・見積もりで選ばれる)

  • 相場見積もり(発注はされない・他社見積もりと相場感を調査されてる)

  • とりあえず見積もり(発注はされない・仕事出そうか?と匂わせ系)

指名見積もり

お前に発注してやろう!だが、ワシの予算感より上回っていたら、下げさせる。下回っていたら、そのままにしておく。というもの。予算10万の案件で、見積もり15万で出したら、「もう少しなんとかなりませんか?」と言われて、結局相手の予算感聞いて、少し下げて出しなおす。この場合、9.5万で出しなおすイメージ。

もし7万で見積もりだしたら、そのままステイ。10万の予算であることは決して開示されない。だから、見積もり出して翌日までにOKの返事が出たら、それは、予算下回りマクリのサイン。損しましたね。ほぼブラックジャック的なバクチニュアンスがある。

無視され見積もり

出すだけ無駄な見積もり。とりあえず、出してという割に、出してしばらくしたら仕事の依頼。見積もり有効期限は大体1ヵ月、そこを越えて依頼。依頼の際は、「クライアントと調整したんですが、5万でできますかね。」みたいな奥襟掴んであと、投げるだけみたいなところから始まる柔道です。やりますけどね。全然かまわない。

相見積もり

一番安く出してきたところが仕事をゲットんできる見積もり。これね、プロジェクト形式で、デザイナー・ライター・撮影、もろもろ抱えている形式なら相見積もりもわかる。ライター単体で相見積もり取られることがたまにある。だいたい相場観として、50万周辺の仕事なら相見積もり取られてもそうだね。そうだよね、上司にも報告必要だしね。となる。が、50万以下の案件で相見積もり取られてたら、もう、「予算言ってよ」。見積もり作るのも手間なんだよ。と言いたくなるよね。※僕の事業は価格競争には参加しないというポリシーなので、相見積もりはお断りしています。

相場見積もり

これは、無視され見積もりに近いんだけど似て非なるもの。だが見分けがつかないという。。。単に、ディレクター・営業といった相手方が業務の相場感がわからず、見積もりを出してもらおうとしているもの。価格によっては発注するかもしれないけれど、このマインドだとほぼ発注してこない。マンションのショールーム内覧に来ているような感覚だろう。無下に断れないが、見積もり→理由なしフェードアウト→仕事につながっていない、というクライアントはいる。なので、そういったクライアントからの見積もり依頼は1.3倍マシで見積もりを出すようにしている。なんでもかんでも、安くあげたいということは、業界の発展にもつながらんのだ。

とりあえず見積もり

「とりあえず、ビール!」ぐらいの思考停止した状態で言われる見積もり。「とりあえず、見積もり出してもらえます?」と聞いたら、肩を落とす。仕事のカタチにもなっていないのに、こんな細分化されたパーツの仕事の見積もり見て、何決めるの?と言いたくなるが、とりあえず見積もりにはオプションのパターンも付けてあげるのが僕のやり方。お通し、サービス料、盛り合わせ、デザートのごとく。時に、別見積もりで、コース料理的なのも付けておく。仕事をあげるかもよ、的な匂わせ見積もりなので、このあたりは経験と相手との関係性でわかるように。

で、何がピンチなんだよ!

まぁ、はっきり言って、見積もりの裏側にはさまざまな憶測ってあるわけ。それは誰でもわかることなのだけれど、これは指名だ、これは相ミツだ、相場だ、とか判断が難しいことの方が多い。というのも、さほど関係性のないクライアントから見積もり依頼されることの方が多いからだ。

単価リストは作らない

項目ごとの単価リスト、例えばライティング1P¥00,000 的なものは用意しない。仕事によっては、ディレクション、校正、打ち合わせ料など、項目が焼け太ることもある。どのクライアントにも、どの仕事にも一律同じ単価でと言うわけにはならないのだ。それは、仕事の内容を見つめてないことでもある。かかる仕事の手間(あまり美しい言葉じゃないが)×制作時間×イレギュラー度合いに拘束時間を掛ける。拘束時間が長いと、1.1や1.2倍のギャラになる。深夜料金のようなものだ。単価リストでどの業務も一律、なんて意味がないし、自分を苦しめるだけのものだ。そういうわけで、見積もりはいつも新しく作るようにしている。物価も変わっているしね。

見積もり失敗ってどういうこと?

そうすると、見積もり失敗ってことも日常的に起きる。単に「高い」と言われることじゃぁない。無駄な見積もりを出したときが「失敗なのだ」無駄な見積もりとは、この先の仕事にも繋がることのない、見積もりのレビューコミュニケーションさえ発生しないもの。出して、メールでピロっとお断り・検討した結果云々が来るもの。説明責任を果たしていないものとも言う。

見積もりを出すためには、その仕事の全体像とディテールを理解する。そのために打ち合わせやメールで質問することもある。実際にシミュレーションしてこれくらいのリサーチと地ならしが必要だとわかり、かかる時間を想定する。で、クライアントの特性・関係性をにらみ、修正の頻度を予想する。予測するという方が適切だ。そうして、全体感の費用が見えてくる。

あとは、項目ごとに割り振っていく。その際、変動要素(単価の単位が1ページみたいなの)に厚めに単価を設定するか考える。紙のページものは16P単位が基本だが8Pでも4P単位でも印刷は可能。(無駄が増えるだけ。)究極2Pを後足しでもできるはできる。

これは紙モノだが、WEBにしてもページのボリューム感や遷移する階層をある程度想定して、これが実制作で増えそうなら、厚めに単価を張る、そうでもなさそうなら、一式としている単位の部分、例えば進行管理費みたいなのを一式にして、厚めにギャラを設定する。

とにかく、細かくバランス見ておく必要があるのだ。ざっくり項目はいらないからと言われていても、ある程度考えてざっくり項目なし見積もりを作る。

皮算用してちゃぁ、ダメってことですかね

というわけで、ここまで考えて見積もりを作る。つまり業務です。見積もりを作るというのは業務なのです。最も対価が発生しない業務。これが増えるほど通常の仕事にも影響はする。この辺の手の抜き方がわからずに、見積もりを作り続けていた時期もあり、そりゃぁ、ピンチってことになりますわ。

捕らぬ狸の皮算用、といいまして、これでこれだけ「銭」が入るなんて思っていたら、ねぇ。あの支払いこれであてられるわ、なんて思っていたら、ねぇ。ダメです。狸は捕まえてから、ソロバンはじきましょう!!!!!

そういうことなんでございます。まぁ、このあたりの難しさが、フリーランスの厳しさなのでもありますね。頑張ってまいりましょう!

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