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「秋田の母になる」子育てラボhateao代表 山田綾子さん

14年間務めた看護師を辞め、「秋田の子ども達のために」と立ち上げた「子育てラボhateao(はてあお)」。
現役の双子の母だから分かる、秋田のお母さんの悩み、辛さ。
そんな涙で溢れた秋田を全て抱きしめようとする山田さんの熱い想いを伺いました。

■プロフィール
2018年4月、秋田県にて託児・病児託児・病院通院サポート『子育てラボ hateao(はてあお)』を設立。
多胎サークルひなっこクラブ代表、秋田食介護研究会秋田市支部あふか代表も務める。
秋田県を子どもの出産・育児をしたい県ナンバー1にするため、行政・医療・教育機関・専門家・育児支援団体などと連携をとり活動している。

記者︰よろしくお願いします。
山田綾子さん(以下、山田)︰はい、よろしくお願いします。

「秋田のお母さんへの道」

記者︰秋田県の出産・育児に対して様々な角度から支援、貢献をされていますが、現在の活動を始められた背景を教えていただけますか?
山田︰一番の転機は双子の妊娠・出産をして、自分が大変な経験をしたことです。秋田県では、双子の妊娠・出産の情報があまり無かったことも大きな要因でした。
でも、同じ悩みを持った仲間が沢山いたので、「その仲間で集まって、困った時に支え合えるサポート体制を作ろう」という想いが一番初めにありました。
また、当時は起業しようという考えは全くありませんでした。ただ、「次の世代のお母さん達が同じ思いや苦労をしないようにするにはどうしたらいいのか」と様々な支援の方法を考える中で、ボランティアだと責任や継続性の面で弱いと感じたので、私が起業して事業として支援を行おうと考えました。

双子などの多胎児における妊娠や出産は想像以上に様々な困難さがあります。まず、双子を妊娠した時点で、秋田は産む病院が限られてしまいます。秋田には双子を産める病院が3つくらいしかありません。高速道路で片道3時間もかけて病院に通う人もいます。それに里帰り出産も受け入れてもらえないところが多いです。

記者︰そうなのですか!
山田︰はい。それに、双子や三つ子のお母さんは、産後のメンタルが不安定になりやすいです。
多胎児を持つ家族の虐待率は3倍高いと言われています。
記者︰そんなに高くなるのですね。
山田︰はい。
また、生む前は母体と子供の安全を確保しなければならないので、約2か月の管理入院をします。いつ出産するか分からない不安や、先の見えない不安などから、私自身も妊娠・出産を通じて凄く落ち込みました。
私のような辛い思いを皆もしていると思った時に「誰かが支える必要があるんだ」と思いました。
私は、起業する前から「ひなっこクラブ」という多胎サークルの代表もさせていただいているのですが、この代表をやろうと決めたのも「私が辛い時に助けてもらったから、恩返しをしたい」という気持ちからでした。

「人と人を繋ぐ仕事をしたい」

記者︰なるほど。ご自身の経験から問題意識を感じられたのですね。山田さんはこれから未来に向かって立てておられる計画はありますか?
山田︰私は起業する前に3年計画を立てました。
今私が1番力を入れているのは、病児託児と、小学校低学年の居場所作りです。今年1年目がこれです。2年目は色々なところで、"自身の活動の中で感じたこと"をお話していくこと。3年目は全く新しい事業をしようと思っています。

記者︰3年目の新しい事業とはどんなものですか?
山田︰3年目は、保育園と学童保育を作りたいと考えています。今は子供も少ないので、保育園も学童保育も採算が取りにくい事業でリスクもあります。でも、必ず必要な事業だと思うので、どのように差別性を作るのかと考え、地域の人・高齢者を巻き込んで保育園、学童、高齢者が一箇所に集まる拠点先を作りたいと思っています。これは必ず作りたいです。

私自身、最終的には自分の経験を元にして、様々なところで双子、三つ子育児についてお話をさせていただきたいと考えています。
また、人と人を繋ぐ仕事をしたいとも思っています。「人を大切にすると、こんなに良いことがある」ということをお話したいです。例えば、企業の子育てに対する想いをお話することや、企業の中のお父さん・お母さんの働きやすさを整えることで人材が流れず企業に根付くということをお話することなどです。
記者︰なるほど。人と人を繋ぐお仕事ですね。
お話を伺って、山田さんは「人を大切にしたい」という想いが溢れる方だと感じました。

「みんなでやろうよ」

記者︰何か山田さんの事業で今必要とされているサポートはありますか?
山田︰そうですね、もしサポートしていただける方がいたら、私達に空き家を有効的に活用させて欲しいと思っています。そんな方がいらっしゃいましたら、是非お話させていただきたいです。
空き家を提供してくださる団体もあるのですが、なかなかマッチングしないのが現状です。
もし私達に提供して頂ければ、私は子どもの支援のために空き家を使いたいですし、私の持っているネットワークで、古民家カフェや民宿をやりたいと言っている人達もいるので、シェアも出来ると思います。
お互いがWin-Winになることが私の目標なので、誰も損をせずに活用が出来たらと考えています。
それをやるにも先立つものが必要なので、秋田で面白いことをしていると思ってくださる方がいたら、支援していただけたら嬉しいです。
また支援だけでなく、県外の方に秋田に来ていただきたいです。そして秋田を訪れて、秋田が新しくビジネスを始めるのに適した県だと少しでも思っていただけたらと思います。

記者︰なるほど。県外の方が秋田に来ることで、秋田の活性化に繋がりますね。
山田︰秋田は他の県に比べて、まだ手を付けていないところがたくさんあり、ビジネス要素が多いと思います。そこに県外の人が気づき、秋田の良さを県外の人に磨いていただけると私たち秋田県民も一緒に良くなっていけると考えています。
それにはまず、私たち秋田県にいる人たちが踏ん張る必要があります。

「明日だけ良ければ良いのではない」

記者︰秋田の中の人たちが連帯する必要がありますね。
山田︰そうですね。個でやるのはもう限界だと感じています。明日が良ければ良いではなく、自分達の子供の世代に秋田県をどう繋いでいくかが課題だと思います。
これからの人生、まだまだ長いので、その時にどういう秋田になっていれば良いかという理想をずっと追い続けていきたいです。
理想に到着するまでは、とても大変な道のりだと思います。でも、少しずつ近づいていけたらと考えています。なので、これからは子育て支援だけではなく、移住や婚活支援の活動もしていく予定です。
そうなると私だけの力では足りないので、色々なところからの力が必要ですし、繋がってやっていきたいと思います。
記者︰ありがとうございます。一つになって繋がると、面白いことが出来そうですね!
山田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

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山田綾子さんの詳細情報はこちらから↓↓


【編集後記】
お話を伺って、秋田県全体を一つの家族として受け入れ、我がごとのように全てを愛で受け止め助けようとする山田さんの姿勢に感動しました。
自分のためではなく、秋田の未来のためにと活動される彼女の姿は、まさに秋田のお母さんそのものでした。
山田さんの今後の益々のご活躍を応援しています!
秋田に少しでも興味をもったあなた、一緒に秋田に行きましょう!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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