“速く動ける“から出来てる
サッカーのドリブルでよくある1対1と言われるシーンを想像してほしい。
わかるかい?
フリーで受けてドリブルしようとした時、足が速い選手が得られるスペースと足が遅い選手が得られるスペースは、全く同じ状況でボールを受けたとしても広さが違うということ。
足が速い選手が繰り出すフェイントと足が遅い選手が繰り出すフェイントでは、それが同じ動作のフェイントだったとしても効果が違うということ。
足が速いか遅いかは相対的なもの。
足の速さの差は相手にこれだけの違いを生み出す。
相手より足が速いというだけで得られるアドバンテージが明らかに違う。
足の速さだけでなく、「速く動ける」ということはそれだけで有利だ。
自分自身が相手より「速く動ける」というこれらのような速度を持ち合わせていない場合は、他の方法で補えたりする。
など。
これらの理由がわかる。
けど、「速く動ける」を補っているに過ぎない。
「俺たちのフィールド」という漫画内で、作中最強のFWでありフィジカルお化けのダミアン・ロペスという選手に向けられた言葉がある。
真理。
自分は好んでよく例えに出すのだが、少年サッカーでやる親子サッカーではテクニックめっちゃ高い子供を相手に素人お父さんでも無双する。
理由は子供より大人の方が「速く動く」ことが出来るからに他ない。(ついでにリーチもあるし、ボールも速いボールを蹴ることが出来るし、知恵がある)
つまりフィジカル的に劣っている子供達が対応を迫られることになり、素人お父さん達の得られるスペースや時間も変わってきて、テクニックの無さを補うことにもなる。
こんなツイートをしたが、フィジカルレベルとはそれだけの影響力がありプレーするカテゴリーを決めるものになる。
冒頭の1対1の話に戻る。
少年サッカーでは早熟晩熟の差が大きい。
早熟の子はドリブル無双しやすくなる。
理由はもうおわかりだろう。
フィジカル的な優位があればあるほど、プレー環境がイージーモードになるから。
同等以上のフィジカルレベルの環境で同様の価値を生み出せるか、がその選手の本当の上手さと言っても良いかもしれない。
とはいえプロになってもフィジカル優位でいられそうな選手は、いつも自分より下のフィジカルレベルを相手にしていた方が必要なプレーを磨けるかもしれないが。
パッと見は細くて小さくて遅いのに、それでも同等以上のフィジカルレベルと思われる環境で光っている選手は、もしかしたら思っている以上に「速く動ける」のかもしれないし、動きの速さを補うスキルを多数持っているのかもしれない。
そんな選手はもう少し上のフィジカルレベルを相手にやらせてあげたらもっと楽しめるのかも。
「速く動ける」からこそ出来ること。
こんなツイートを見た。
「速く動ける」お化け、ことメッシのドリブル映像。
これと同じフェイントを同じ状況で小学生が実施した時、この対応しているDFは同様にアンクルブレイクされるだろうか?
答えはもちろん「されない」。
リーチの長さこそないものの、ボールと一緒にいつでも速く曲がれて、曲がった後のシュートまでが速くて、確実にゴールを決めるという速さを補う正確性とDFの動きを予測する力を持ってるメッシ。
そんなメッシだからDFは近寄れないし、DFは細かく何度も先回りしようして無理な体勢になって足がもつれる。
だからこのフェイントだけを真似してもDFの「速さ」次第では全く抜けない。
「速く動ける」からこそ出来てる。
世にあふれるドリブル動画。
無双している人のテクニックはもちろんすごいけど、そもそも対応しているDFの同等以上の「速さ」があるはず。
今ドリブル無双しているそこのちびっこ。
君は同等以上のフィジカルレベルを相手に同じことができるかい?
おわり
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