見出し画像

My Real Theory

先月末から花屋で期間限定のバイトを始めた。この時期で花といえばもちろんアレだ。そう、母の日要員である。

私はすっかり忘れていた。そして久しぶりに"新人"になって思い出した。自分がどんくさいということを。

よく耳にする「迅速・丁寧」というフレーズ。これはすべての仕事の基本だと言ってもいいだろう。
しかし、それがどうにも難しく感じるのだ。

私は同時に2つのことをやるのが得意ではない。
たとえば、テレビを見ているとき、指がヒマになってついついスマホをいじってしまうのだが、「今なんて言ってたっけ」と巻き戻して確認することが頻繁にある。文を書くとき、誰かの話し声や音が聞こえると気が散って、脳が考えることをやめてしまう。

私にとって、意識的に"迅速"と"丁寧"を両立するのは、同時に2つのことをするのと同じだ。

速くしようと思えば思うほど丁寧さが疎かになってしまうし、丁寧にやろうと思えば思うほど速さが疎かになってしまう。

もちろん「雑にやろう」とか「遅くしよう」と思っているわけではない。
自分なりにはなるべく速く・丁寧にやっているつもりなのだが、客観的に見ると遅かったり丁寧ではなかったりしてしまうらしい。

しかし、だからといって両立するのは完全に無理だというわけでもない。

作業が身体に馴染んでしまえば、自然と出来ていくはず。いや、出来る。今までもそうやってやってきた。ただ、少し時間が必要なのだと思う。

「速くして」「急いで」という言葉は呪いのようで、言われた途端に頭の中が"速くしなきゃ"という意識でいっぱいになる。その結果、順序を間違えたり、一工程抜けたり、怪我が増えたりということに繋がってしまう。

母の日まであと1週間、本番はこれからだ。
バイトは残り20日弱。たったの…と言えばそうなのだが、今の私は気が重い。無事に乗りきれるだろうか。

傷だらけの手を見つめて大きくため息を吐く。
ぼんやりと音楽を聴きながら、栄養ドリンクを流し込んだ。





仕事後の倦怠感にこの曲が心地よくて、つい何度もリピートしている。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます! もしよろしければ、サポートしていただけると嬉しいです。 ♡スキやコメント、フォロー、シェアなども励みになります!(スキは非会員の方も押すことができます)