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ターンを防ぐ1v1

イングランドでは、1v1の守備が3種類あります。(あくまでも僕が把握している範囲ですが)

一つ目は前回のnoteで紹介したForcing Play。相手がある方向にプレーせざるを得ない状況に追い込む1v1の守備技術。

2つ目は今回紹介するPrevent from Turning, 「ターンさせない」1v1。相手が後ろを向いている状況で前を向かせないための1v1の守備技術。

3つ目は次回紹介するPrevent Forward Pass, 「縦パスを防ぐ」1v1。これは実質1v2ではありますが、ゾーンディフェンスを理解する上で必要なコンセプトとキーファクターがあります。


ターンさせない1v1

この技術は言わなくても、守備において非常に重要な役割を果たしているのは読んでいる方も理解していただけると思います。

サッカーは方向性のあるスポーツで、守備側は相手をゴールから遠ざけながらボールを奪うことを考えます。

相手に簡単にターンされ、前を向かれることはすなわち相手にさらなる前進を許すことになり、ピンチを招くことになるのです。

ここ10年ほどで前からプレッシャーをかける戦術が発達しましたが、ボール/相手と向き合った状態での守備練習だけでは不十分です。

相手はプレッシャーから逃れるためにボールを縦に入れた際は、ターンさせないことで高い位置でボールを取り返すことができるのです。

ターンさせない1v1の重要性をサラッと触れたところでキーファクターに移りましょう。


キーファクター

- スタート位置
- 相手との距離
- 姿勢(ニュートラルポジション)、体の向き
- ステップワーク
- End Product = 結果(つつく、ブロック、体を当てる・入れる、クリア)


スタート位置

ボールと自分がマークしている選手を両方見れる位置。
これはまぁ基本ですよね。
でも最初から距離を詰めていてはチームの形を乱してしまうので、チームのバランスを保ちながらボールとマーク対象者の両方を見れる位置でスタートしましょう。

立ち位置と言わずスタート位置と言ったのはこっちの指導者がその言葉を使っていた影響で、「立つ」というとそれ以降の刻々と変わる状況に対して受け身になる、そこから始まるというニュアンスを持たせたいからスタート位置。と言っていたのでそう使っています。


相手との距離

この守備技術において一番大事とも言えるキーファクターです。
相手との距離は「腕の長さ」「触れる距離」と言われています。
相手に密着すると、自分を軸にして相手にターンされて入れ替わったり、相手が邪魔になってボールが見えなくなります。
また遠すぎれば相手に十分なスペースを与えることになり、ターンされてしまいます。

このキャラガーとルカクの動画は非常に参考になります。
ルカクはあえて密着して相手を軸にしてターンすることを狙っていますし、キャラガーは適切な距離(腕の長さ)で対応する、また相手にボールが入る前に一度体をぶつける工夫をしている、と言っています。


姿勢、体の向き

ニュートラルポジションな姿勢は相手がどのような動きをしても対応しやすくしてくれるので非常に重要です。前のめりになりすぎないようにしましょう。
体の向きですが、なるべく相手に正対しない半身をとりましょう


結果

相手のタッチが乱れた隙や、無理にターンしてきた際に取りきる技術です。
イングランドでは体の向きに則って、前足でつつく、後ろ足はブロック、と言われています。
つつけそうな距離ならつつきますし、無理なら我慢して取りにいかない。Patienceと言いますが、焦らないことも大事です。試合ではターンさせないことで味方がサポートに来てくれるはずなので。


練習例

シンプルなコンセプトなので、そんな目新しい練習はありません。
またこれは早めに習得しておいたほうがいい事でもあるので、練習例の対象年齢は低めです。
1v1

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30秒から1分の時間や回数でサーバーと交代しましょう。

シンプルな練習なので難易度を上げる工夫をしてください。


ゲーム形式

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各選手はそれぞれのゾーンに閉じ込められており、他のゾーンには行けません。
(もしくは同じゾーンに味方が2人以上いてはいけないというルール)


現代サッカーでは攻撃側のほとんどは後ろを向いた状態でボールを受けると言われています。

つまり相手を有利にプレーさせないためにも必修の項目とも言えます。

攻撃の1v1だけでなく、守備側も向上させていきましょう!



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