編集長を卒業しました!|3PMmm…と私の3年半
タイトル通りではあるのですが、スナックミーさんにて担当させてもらってきた同梱冊子『3PMmm…』の編集業務が、issue48でひとまずおしまいになりました。
約3年半、とっても充実していました。ありがとうございました!
楽しみにしてくださっていた読者のみなさん、共に制作に携わってくださった方々に感謝をしつつ、今日は「やっと書ける……!」という気持ちで、このひと区切りを振り返らせてもらいたいと思います。
その前にまずは、とても大切にしてきた3PMmm…のaboutをご紹介させてください。
スナックミーとのはじまり
当時ライターと名乗っていた私は、この肩書きに物足りなさを感じていました。
元々は新卒で書籍の制作会社に入り、本や雑誌を作るために編集者として育ててもらったはずでしたが、独立したらなかなか紙もののお仕事に出会える機会がなく。
全くないわけではなかったのですが、出版業界の仕事のやり方に思うところがあって、下請けの雑誌制作などからは距離を置いてしまっていました。(若手のくせに生意気かもという葛藤もずっとありました)
そんな折に「冊子編集長募集!」の記事をWantedlyで見つけたのが、スナックミーさんとのはじまりです。
制作会社経由ではなく、心から応援したいと思う会社と直接関わりながら、「中の人」として私が貢献できることをしていく。そんなスタイルを妄想して、希望を感じました。
そこでひとまずお話を聞いてみたいなと応募してみたら、まさかのまさか、代表の服部さんから直接メッセージをいただいてびっくり(笑)。
しかも、私の経歴を見て「◯◯のメディア拝見していました!」と、きちんと向き合ってくれている文面だったことにも感動して「絶対にいい会社だ」と思ったのを今でもおぼえています。
実際に訪れた箱崎オフィスの飾らない佇まいも、自然体なスタッフのみなさんも、服部さんが語る「同梱冊子としてやりたいこと」も、帰り際にもらったおやつも(!)どれも「いいな」と思っているうちに、晴れて一緒に冊子の立ち上げをさせてもらえることに。
業務委託として関わりたいという私のわがままを聞き入れていただき、デザイナーは社員さん、編集者は外部のフリーランス(私)という少し変わった体制でスタートしました。
冊子時代の3PMmm…
まずワクワクしたのが、初めの編集会議で服部さんが「おやつからちょっと離れた内容にしたい」と語っていたこと。
snaq.meのおやつを深掘りするコンテンツがありつつ、読むことでユーザーさんが別の世界を知ることができるような冊子にしたい。と。
そこでまずは冊子の名前を決めるところからはじまり、いくつか案が出た中で決まったのが3PMmm…でした。
初期の3PMmm…の役割は、一言でいうならば「おやつ時間に広がりを持たせる」こと。毎月ユーザーさんの元に届くパーソナライズされたおやつを、もっと楽しんでもらうために、おやつを食べながら読む冊子といった位置付けでした。
そこで、毎号その時期そのタイミングに合ったテーマをひとつ決め、それを元にページごとの企画を詰めていくスタイルに。
またこの頃は、ふんわりほっこりしたテイストではなく「ちょっと不思議」「なんだか示唆的」な雰囲気も大事にしていました。
なかなかチャレンジングな企画もたくさん。
他にも、いろんな方にインタビューをしたり、社内のみなさんに体を張って体験してもらったり、おやつにまつわる研究をしてもらったり、
おやつにちなんだショートストーリーを書いたりもしました。
読者さん参加型のコンテンツもたくさん考えて、
冊子の裏表紙には、毎号のテーマに沿った名言を載せていました。
そしてなにより、読者のみなさんがSNSに3PMmm…のことを書いてくれるのが嬉しくて、毎月こっそり「#スナックミー」を追いかけていました。
さらには、編集部宛にお手紙を送ってくださる方まで。
とくに思い出深かったのは、コロナ禍によって社会が大きく変わった2021年最後の号です。
みんなにも自分にも「おつかれさま」を言えたらなと、デザイナーさんにお願いしてこんな巻頭ページを作ってもらいました。
このページに共感してくださり、ご自身の想いをわざわざお手紙にしたためてくださったユーザーさん。
当時の編集部メンバー3人が、それぞれ直筆のお返事を書いたことは、感慨深い思い出です。
こんな風に、いただいたお手紙にお返事を書かせてもらう機会は他にも何度かありました。
もうひとつ嬉しかったのは、3PMmm…紙面上でのチャレンジが実際のサービス開発に活かされたり、サービスの成長と共に3PMmm…の役割が変わっていったこと。
サービスの一部としてコンテンツも変化していくのを肌で感じながら制作ができたのは、本当にかけがえのない経験でした。
こうして、何度かマイナーチェンジをしてきた3PMmm…ですが、2022年には冊子からポスターへ大きく生まれ変わりました。
「読みもの」から「貼りもの」へ
デザイナーさんの入れ替わるタイミングであったり、清澄白河に店舗がオープンしたタイミングが重なって、「お店にもユーザーさんのお部屋にも、ポスターみたいに貼れたらいいかも」となった2022年。
まずはせっかくなので絵ヂカラのあるものを作ろうと、社内の工房でsnaq.meオリジナルのパンケーキを焼いてもらいました。
重ねられるだけ重ねよう!と社内のみなさんが頑張って焼いてくれて、メープルシロップをかけている瞬間をフォトグラファーさんに撮ってもらい…思い返すだけでも楽しかったし、いい匂いがしたなぁ。
こんなふうに私が無茶振り企画をたくらんでも、「いいね!」とノリノリで一緒にやってくれた皆さんには感謝しかありません。そのおかげで、唯一無二のBOX同梱物を作ることができたんだもの。
その後も「読みもの」から「貼りもの」として、ユーザーさんの生活空間に少しでも「おやつのある喜び」があればと思いながら、気分が上がりそうなビジュアル作りを試行錯誤しました。
BOXを開けたときに「3PMmm…」のロゴが見える折り方にしているのもこだわり。
所属タレントのりっすさんにもたくさん協力してもらったなぁ。
3PMmm…から伝えたかったこと
また、約3年半の間「おやつ時間を豊かにするためのコンテンツ」という立場から、かなり気を付けてきたことがあります。
それは、決してこちらが「豊かさを定義しない」こと。
綺麗なお部屋でちょっとずつつまむおやつ、
大切な人と囲むテーブル、
丁寧に淹れたコーヒーやお茶。
これらは想像しやすい「豊かなおやつ時間」かもしれないけれど、リアルはどうなんだろう。多くの人たちを置いていってしまうんじゃないか。というか私だって、理想はこうだとしても全然ついていけません。
ひとりで泣きながらケーキに齧り付く日も、忙しくて荒れた部屋でひと箱いっき喰いしちゃうおやつも、ヨレヨレの部屋着でBOXを開ける瞬間も、すべて「豊か」と呼んでもいい。
というか、その瞬間は「豊かだ」なんて思えなくても、それぞれの日々に美味しいおやつがあること、そして、snaq.meのユーザーになるという選択をしたその人自身が、すごくナイスだと思います。
だから、毎号の3PMmm…に書いていた「“あなたにとっての”最高なおやつ時間に出逢ってほしい」というコンセプトは、48冊全ての指針であり、3PMmm…に込めた願いでした。
編集者として携わる最後の3PMmm…には、こんなメッセージも書かせてもらいました。
いつの日も、あなたらしいおやつ時間を。
さいごに
3年半の経験と皆さんからいただいた反応を通して、それまでは自覚できていなかった私自身の特性に気づくこともできました。
ライターの仕事ではなかなかできないアートディレクション的なお仕事や、コンセプトや企画などの上流からコンテンツに関わっていくやりがい、「小説を書く」ということ、本当の意味で読者を考えるということ。
シンプルなライターの仕事も楽しいけれど、自分ができることは他にもあって、きっとそれを必要としてくれるパートナー企業さんがあること。
今後の私の生き方や仕事の仕方にもつながっていくと思える、ありがたい学びに溢れています。
さいごに、3PMmm…をきっかけに出会えたスナックミーのみなさん、取材させていただいた方、そして「しおりが編集しているなら」とユーザーになってくれた家族や友人知人のみんな。ありがとうございました。
また、私にできることがあれば!
▼3PMmm…のアーカイブはweb版の「マグミー」でも一部読めるのでぜひ
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Special Thanks.|服部さん、さっつーさん、なかゆうさん、ひらめさん、みたさん、みやもとさん、しんかいさん、なかむらさん、かとうさん、あさのさん、えんどうさん、はまなかさん、あんじゅさん、森田さん
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