シューマッハカレッジ 繋がりとモザビ ①

実は6月に一週間ほど、シューマッハカレッジというところに行っていました。シューマッハカレッジはイギリスにある大学院で、世界中にたくさんある問題をホリスティック(全体的)に捉え、考えるということをしているところです。(シューマッハカレッジについてはいくつか記事を一番下にのっけておいたので気になる人はみてみてください!)

人種差別、外国人労働者問題、地球温暖化、奨学金問題、貧困などなど。それらの問題は個別に語られ、別個の問題として分析されがちではありますが、それぞれが深くつながっているのだと思う。また、その問題を分析するときもその「分野」だけを見ていてもまた問題を捉え損ねてしまう。

例えば、外国人労働者問題。権利の問題として語られることが多いですがそれだけではないと思います。なぜこのような問題が起きるのか。世界的な流れで、新自由主義(市場経済を重視して、政府は小さな政府路線をとっていく)を提げて広がるグローバリゼーション。「日本を世界一ビジネスのしやすい場所にする」という首相の言葉から見えるように、日本の企業はますます「競争力」を上げていかなくてはならない。利益を出さなくてはならない。そうすると人件費は削られていきます。安いとされる外国人を雇った方が企業にとって良いものとなります。

同時に、この過程で奪われていくものが多くあります。そもそも何かものを作るときに資源がないと始まらない。自然がないと始まりません。「経済」(ここにカッコをつけているのは、今の「経済」という言葉が指し示しているものが本当に経済なのか?と考えているからです。わかりづらい笑)の指標では「商」の部分が重んじられます。製造される過程で付加価値が多く付き、販売するときに利益が多くやり取りされるから。根っこの一次産業は二次産業、三次産業に比べて重んじられません。

しかし、もちろんそこが崩れたら人の生活はありません。土台なのです。

小倉ヒラクさんの『発酵人類学』という本を読んでいて驚いたことがあります。僕らの普段飲んでいるビール、ワイン、普段食べているパン。これらは発酵菌がいるからこそなのです。発酵菌が、発酵菌にとってエネルギーになる糖やグルコースを取り入れ、エタノールと二酸化炭素を排出します。これがパンをふくらましたり、ビールのシュワシュワになったり、アルコールになったり。

ここで僕は驚いたのです。こんな言い方は間違った印象を与えてしまうかもですが、率直に思ったことを言わせてください。

「発酵菌のいわゆるう○ちまでもが役に立つのか!!!!」

そうです、人間で例えるとそういうことなのです。(間違っていたらご指摘いただけると嬉しいです...)う○ちですら、何かの役に立つ。自然の輪っていうものは本当にすごいなと。勿論、僕らのう○ちも肥料になっていた時代はあるのですが。それにしても、それすらも循環するこの世界は本当にすごい。

今、国連が先頭に立ちSDGs(Sustainable Development Goals 国連のページに飛びます)を達成しようとしています。持続可能な社会を実現する、ということが叫ばれています。おお、自然はとっくに達成しているのだな。発酵菌を見て思ったのです。

もともと地球に自然の輪は存在していた。その円の途中で、人間は一直線の物差しを伸ばした。「経済」と言う名の(GDPなど)。そしてそこを指標に社会を作り、地球としての歯車が狂った。

僕は今こんなイメージを持っています。SDGsとは、僕ら人間が改めてこの輪を捉え直して、その輪の一部として自分たちの生活を再構築していく営みであると考えています。

外国人労働者問題が人権の問題として捉えられがちだけど、きっと世界がとある方向に向かっている過程で生まれた歪み。地球温暖化だって。奨学金だって(政府が文系廃止を唱えた時も、利益の生み出せる「理系」にお金を使いたいと言う思惑がちらついている感じが。文系にはお金を出したくないのでしょうか。「文系」「理系」なんて、幅広く見たら本当はくくれない気がするぞい!)。それぞれの問題は密接につながっていると思うのです。

前置きが長くなりました。僕はなんとかして、この繋がりを捉えたかった。知識としても、感覚値としても。ホリスティックサイエンス(全体性科学)を訴えているシューマッハカレッジはその意味でとても魅力的でした。

たった一週間ではあるけれども、いくに越したことはない。この経験で自分の中の何かが変わるのであれば、人生の早い時期に参加して今ある世界をもう一回見つめ直してみたい、と思い、参加を決めました。

長くなってしまったので、シューマッハの具体的な体験については次の記事へ!

シューマッハカレッジに関して、いくつか記事を見つけたので載せておきます。

- 「人の幸せを前提に考える「新しい経済学」を学べる世界でたった一つの大学院。イギリスのトットネス「シューマッハ・カレッジ」ってどんなところ?」NPOグリーンズ
- 「エレガントに、シンプルに。シューマッハカレッジの、学び合うコミュニティのつくりかた」hirakuogura.com
シューマッハカレッジ公式HPはこちら


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