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toC向けメガプラットフォームのPdMが貿易テックのスタートアップに転職してみたところ予想以上に面白いかもしれない件について

はじめに

こんなにニッチなタイトルの記事に訪れていただいてありがとうございます。
ここに辿りついたのもなにかのご縁だと思いますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。toCサービスのPdMをずっとやってきた者目線で、物流SaaSでしか得られない栄養がありそうだ、という話をさせていただきます。

簡単に私の経歴の紹介をすると、これまで主にtoCのプロダクトのプロダクトマネジメントに携わって来ました。
新卒で入社したのは、ユーザー数が1億人に届くかどうかというタイミングの成長途上真っ只中のLINEで、二社目としてはアメリカでユーザー数をガンガン伸ばし始めていた頃のメルカリにジョインしました。(その後数社を渡り歩いて今に至るのですが割愛します)

というわけで、これまでは典型的なtoCプラットフォームのメガベンチャーを渡り歩くキャリアを歩んできたわけですが、今年の1月にShippioにジョインし、ここに来てはじめてBtoB SaaSに携わることになり、また初めてスタートアップに所属する事となりました。

そして入社2ヶ月目にしてすでに、「これは思ったより面白いかもしれない」という予感がしています。具体的にどういったポイントが面白いと感じたかをご紹介できればと思います。

その1: スマホに閉じた世界からの脱却

一番はこれです。
これまで私が携わってきたtoC プロダクトの機能開発の7-8割は、「スマホ画面に収まるサイズのUIをいかに最適化するか?」というのが主要な課題でした。

Shippioでは、お客様である荷主が貿易の輸送管理を行うためのシステムを提供しているため、「モノが実際にどこからどのように運ばれているのか」か、という点を考慮する必要があります。デジタルな世界の中で完結する機能の開発に携わっていた自分からすると、プロダクト開発を行う上で物理的なモノを考慮する必要がある、という点が非常に新鮮だと感じています。

自分が今回Shippioに転職をしようと思った理由の一つとして、アプリに閉じた機能開発に飽きた、という点がありました。

一言でアプリといっても、サービスによって開発の際に考慮すべきポイントは千差万別で工夫の余地はいくらでもあるのですが、大抵の場合のアウトプットは結局「スマホアプリの機能」になるわけで、なんだか同じことをずっとしているなあという漠然とした停滞感を感じていました。

そんな自分にとって、Shippioにジョインしてからプロダクトを開発する上でデジタルに加えてフィジカルな世界での情報の考慮が必要になり、視点と視座が大きく広がったことが新鮮で楽しいと感じています。

その2: シンプルに難易度が高いのでPdMとして鍛えられる

現状、国内の貿易SaaS界隈においてデファクトスタンダードと言われるようなサービスは存在していません。それは、まだこの市場が誕生してから間もないから、という事情もあると思いますが、なによりも「多くの顧客に受け入れられる汎用性のある機能開発が非常に難しい」という理由が大きいと考えています。

Shippioの顧客である製造業や商社における貿易実務は、数十年にわたって手運用され続けた結果、全く標準化されておらず完全にブラックボックスなっている、みたいなケースが多いです。加えて、物流業界は他の業界と比較しても高齢化が進んでいて労働人口が減少傾向にあることもあり、実務の標準化の必要性を強く感じているお客様は多いのですが、、
サービスを提供する側の目線では、お客様である各企業の業務が個別最適化されている傾向にある& 暗黙知化しているため、現状の実態を正しく把握して、広く刺さるサービスを開発するハードルが非常に高いという事情があります。

そのため、ShippioのPdMは、顧客理解の解像度の高さを求められることはもちろんですが、
個社の要望に引っ張られず、各社の要望から汎用性のあるエッセンスを抽出し、うまく横展開出来るような機能に仕立てる、という高度なバランス感覚が求められます。
また、新たに開発した機能の価値を粘り強く啓蒙し、機能を活用していただくお客様のリーチの広さと利活用の深さを徐々に広げていく、といった高い視座でGo to Marketまで行うスタンスが要求される場合があります。

ディスカバリーとデリバリーの両面で高いスキルと粘り強いマインドが求められるため、ShippioでPdMをやってると鍛錬になりそうな予感がしています。

その3: (良い意味で)みんな必死

スタートアップに務めている人からすると当たり前の事かもしれませんが、メガベンチャー務めが長い身からすると、(良い意味で)社内に切迫感があるなあと感じたのが印象深かったです。

経営状況に余裕がないというわけではないのですが、まだまだ規模が小さいスタートアップですし、会社の規模をもっと大きくするために自分は何が出来るのか、という事を一人一人が本気で考えている印象があります。

もちろん規模が大きくてもポジティブな切迫感を維持出来ている企業のケースはあると思いますが、
一般論として事業や会社の規模が大きくなればなるほど、売上や利益といった事業KGIと自分自身の成果との乖離が発生し、一人一人の事業貢献の実感が薄れていく→当事者意識が薄れていく、と言う力学が働く事は自然なことだと思います。

日々の受注に社員全員が関心を持って一喜一憂できる一体感は、スタートアップならではだなと感じています。

その4: 国際物流って、みんな当事者

「国際物流」って聞くとあまり身近に感じない方が多いかもしれません。Shippioに入る前は自分もそうでした。

ただよく考えると、私やあなたが今座ってる椅子や、今使ってるPCやスマホや、今日の晩ごはんも、恐らく部分的には日本の外から輸入されてきた部品や材料を使って作られています。日本は島国で、国際物流は人々の日常生活の生命線であり、国民は皆当事者です。

私たちは国境をまたいで運ばれてきたモノに囲まれた日々生活をしているわけですが、「モノが国境をまたいで運ばれる」という事は当たり前のことではなく、非常に複雑・煩雑な貿易手続きを複数国のステークホルダー間で、壮大な伝言ゲームをしながら実現しているという実態があります。
そして、前述の通りあらゆる貿易業務が属人化されているため、クラウドベースで再構築し標準化・効率化する改善余地は非常に大きく、インパクトを生み出す余地も大きいです。

難しくもあるのですが、市場が大きく、また世の中に対して生み出すことのできる潜在的なインパクトも非常に大きいため、日々ワクワクしています。

まとめ

まとめると、

  • スマホの画面のことは忘れて、物理的なモノにフォーカスしたプロダクト開発って新鮮

  • 難易度は高いけどそのぶんプロダクトマネージャーとしてのスキルが鍛えられる

  • 皆必死だし本気

  • 「国際物流」というテーマのリーチの広さとインパクトの大きさにワクワクする

というお話でした。
3ヶ月後に違う感想が生まれたら、その時はまたなにか書くかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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