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ベトナム鍋図鑑/『Hà Hồi通りの道端でChả Cáを食べた日』


ハノイでは家の前の道端で鍋をつついて団らんしている家族、グループを時々見かけます。鍋以外の食べ物の場合もありますが、換気不要の屋外という利を生かして鍋がほとんどです。
っていうか家族全員揃ったんで鍋でも食うか、となると、とーちゃん、外にテーブル並べてや、となるワケです。
ガイジンとしては一度はやってみたいワイルドな体験です。でもワタシのようにこっちに身寄りのないニンゲンにはなかなか機会がありません。
 
この店はウチの近所のHà Hồi/ハホイ通りにあるChả Cá/チャーカー屋の老舗で、路地の奥に建物があり道路に面しては看板しか出ていません。それでしょっちゅうお客が道端で食べているのを散歩の途中で見かけていました。
ソバ屋やカフェで道端席があるのは普通ですが鍋屋の、店先でもない路上というのは珍しい。公安には当然話を付けてあるでしょう。鍋持って逃げ惑うっていうのも見たことがないので。
通りすがりの人にじろじろ見られながら食べるのはどんなもんかいなと思っていましたが、その時は遂にやってきました。

路地の奥の店の入口

前回は陰暦忘年会の鍋でした。これは陰暦新年会の鍋です。西暦新年会はどこに行ったか忘れました。
隣のビルの屋上という選択肢が示されたものの、階段を上るのは困難と思い道端を選びました。
ツマがニッポンから来ていたので、道端で鍋をつつく珍しいニッポン人初老夫婦の図がスタッフのSNSを通じてセカイを駆け巡りました。
 
テーブル上は諸々溢れんばかり。鍋代わりのフライパンは小さく4人で一つをシェアします。魚は店の奥で粗方調理され20m程の距離をフライパンごと運ばれてきます。途中で1回追加されます。
ディルやネギはビニール袋でホイって渡されジブンで皿に盛ります。一見近所のイケイケおネーさんにしか見えないミニ+ブーツ姿の店主が実にタイミングよく来てくれます。
あの紫色の臭いヤツ、マムトムですら食べやすい。マイルドな臭さでいくらでもオッケーでした。
 
時々果物を売り歩くオバサンが来てパイナップルやマンゴーをその場で切って勧めてくれます。
ちょうど鍋が終わる頃にタイミングよくどこからともなくやって来ます。遠くでチラチラ見ているのかもしれません。
齧れば歯の掃除ができるサトウキビ売りも来ますが、ワタシの場合、逆に歯の隙間に入ってしまうので齧れません。ベトナム人の歯は見るからに丈夫です。
 
昼なのでビールは程々のつもりでした。当店のスタッフは皆あまり飲まず、それもそのはずみんな午後もシゴトがありますから。でもワタシら夫婦だけ随分飲み、いいキモチになりました。
こうして飲んで食べてベトナム的幸福ってこういうもんかと。観光でハノイに来る人はぜひトライしてほしいと思います。何ならワタシが案内しますぜ。
 
因みにハノイはTrip Advisorが選ぶ2023年食べ物がおいしい街のセカイ第3位に選ばれました。1位はローマ、2位はクレタ島、3位がハノイで4位はフィレンツェ、5位はパリです。マジかあっ???!!!

準備中の図

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