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#2 ダイエットは自分を理解することからはじめる


診療所ではダイエット・肥満外来も行なっています。
漢方薬を使って痩せたいという人も多くおり、治療に併用していることもあります。
僕のダイエット・肥満外来の方針は『怒らない・叱らない・自立する』です。
厳しく指示してコントロールしてほしい人は是非スパルタトレーナー、肥満外来をしている厳しい言葉をかけてくれる先生方を探してください。
僕の考えを外来ではなかなか伝えられないので、ここで書いていきます。

1.自分のことを理解する

僕の外来では、まず、朝夕の体重を測ってもらうことから始めます。
体重を毎日朝夕はかり、グラフを書き、その時の生活習慣を簡単に記録します。
自分の体の変化と生活習慣の影響を把握するためです。
 
世間には色々なダイエットの情報があります。
僕のやり方はレコーディングダイエットといわれるやり方に近いのかもしれません。
勘違いしないでもらいたいのは、記録すれば痩せるということではありません。
色々な論文で体重記録や食事日誌をつけた人はつけない人より痩せやすいと言った趣旨の論文などもありますが、体重を記録する、食事内容を記録するだけで痩せることはないと僕は思っています。
記録することで自分の現状を把握すること、見つめ直すことを考えていかなければ意味がありません。

記録したとしても記録したものから目を背け、向かい合わなければ、自分のことを理解できません。さらには、記録することが体のコントロールにはつながりません。

自分のことを理解して初めて、自分で自分をコントロールし痩せることの先にあるwell beingな状態を目指すベースを作る準備をしていけます。

2.考えて痩せる

ここから本格的なダイエットが始まります。
早速、出鼻をくじく感じになりますが「楽に痩せる!これだけやればOK」といったダイエットはありません。
漢方薬を飲んでも、薬を飲んでも、断食しても、一時期トレーニングしても、一時的には痩せるかもしれません。しかし、元の生活に戻れば体重は元に戻ります。
僕は痩せる方法をアドバイスはしますが、指示はしません。
あなた自身にあった痩せる方法を、実際の生活の中で考え、試し、実践してあなただけのダイエット方法を一緒に考えていきます。

〜なぜ指示しない・管理しないのか〜

 短期間でここまで痩せたい、頑張るという方を厳しく管理して、痩せさせることはできるでしょうが、管理がなくなったら、きっといつかリバウンドします。
 日々のスケジュールを管理するように、自分の体・こころも自分で管理する力を身につけて欲しいと思っています。

〜怒らない・叱らない・自立する〜

 怒らない・叱らないということは優しいのかというとそういうことではありません。ある意味、怒るより厳しいかもしれません。
言われてダイエットをする、それは言われたことをやるだけで何も考えなくて良いでしょう。
一方、僕のやり方は答えは患者さん自身が持っていて、時にはアドバイスもしますが、ほとんどはそれを見つける手助けをするだけです。患者さん自身で考え、選択肢チャレンジしていく必要があります。そうすることで、いつか自立して自分で自分の体を管理できることが、患者さんの生き方を自分で決めることにも繋がると思っています。
 僕が投げ出すことはありませんが、患者さんが投げ出したくなる時もあるでしょう。
 長くかかっても構いません、少しずつ目標に向けて一緒に頑張れればいいかなと思います。 

3.大事なことは習慣が変わること

 一時期頑張ってトレーニングして痩せた。
でも、ウォーキングしたけど暑くて辞めた。それでリバウンドした。
よく聞く話ですね。

頑張って追い込んで痩せることは簡単です。
でも、その生活をずっとできますか?
大事なのは考え方・習慣を変えること、自分の体を管理することが大切です。

今のあなたの体はあなたの習慣が作っています。
無理して変えた習慣が定着すればいいですが、定着しなければリバウンドする。
そんなことにならないように、ゆっくり習慣を変えながら、自分の体を管理することを覚えてもらいます。
自分で自分の体を管理できるようになると、少しぐらいハメを外しても取り返せます。
そのために、自分の体のことを自分ごととして向き合い、理解し、考え、コントロールすることを外来で身につけてもらい、自立できれば卒業です。

〜方法が目的化することが理想〜

 理想的には痩せるため(目的)に行なっていた、習慣(方法)が、その習慣が楽しいので実行していると『方法が目的化する』と最高ですね!
 例えば、健康のために山登りを始めたのに、山登りが楽しくなって、それが健康維持につながっているとそんな具合です。

4.その痩せたいは「自分ごと」になっていますか?

痩せたいけど痩せないという人はたくさんいます。
楽して痩せたい、痩せなさいと言われるから痩せないといけない。
いろいろな理由はあるでしょう。

 その人たちは「痩せる」ということが本当の意味で「自分ごと」としてイメージできていないのかもしれません。
なぜ痩せられないのか、答えはあなたの中にあります。
 人から言われたきっかけでも構いません。
 まずは一歩を踏み出しながら、自分を知り、理解し、考えることが大切です。
 自分は痩せたいのか、痩せなければならないのか、なぜ痩せなければならないのか、痩せた先に何があるのか。
 自分がどう生きていきたいのか、どういう未来が嫌で、どういう未来をいきたいか、どういう逝き方をしたいのか。
 自問自答しながら「痩せること」とその先にある「あなたの生き方」に想像を膨らませてみるといいかもしれません。
 一人で難しい人には、外来で一緒に話しながら、考えて行ければいいなと思います。そのサポートもダイエット・肥満外来の役目の一つですので、うまく活用してください。

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