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インド・ジャイサルメール情報(2023/12時点)

そんなに日本から行く人もいないだろうけど、自分が行くときに資料がなくて苦労したので、ここに書いておくことにしました。

2023年の12月29日から31日まで滞在したときの様子です。

■下準備

・ビザ
インドは、短期間であってもビザがいる。観光だとVisa on arrivalでも行けるが、時間がかかるかもしれないのと、制度は変わることがあるだろうということで、「電子観光ビザ e-VISA(インド入国の4日以上前に申請が必要)」で取得しておくのがよいかと思う。入国時にもホテルでもビザの確認があるので、面倒を避けるためには、プリントアウトを持っていってよかった。滞在期限が過ぎていないかをチェックされるため、出国までプリントは捨てずにいたほうが賢明。

・クレジットカード

使っているクレジットカード会社によっては、セキュリティが厳しくなっているので、インドの会社への決済ができない場合がある。航空券、ホテルの手配でひっかかる。ちなみに、エアインディアの航空券購入時の決済とbooking.com経由で現地のホテルがするときに、ひっかかった。

毎週土曜日ごとに取り替える魔除け。魔除け売る職業のカースト(正しくはジャーティ)があるそうだ。

解決方法は、カード会社のカスタマーサポートに電話をして相談することだった。オペレーターになぜインドからの決済があるのかという理由と、インド旅行の日程を伝えると使えるようになる。手配日と旅程が離れてるなら、旅程が近づいたらまた電話くれということだったので電話した。インドは高額紙幣を廃止していたり、キャッシュレス社会を促進しているので、クレジットカードが現地で使えないと詰む可能性があるなと考えて、面倒だけど電話をした。平日の16時頃で15分待ち。いにしえのチケット購入のように業務開始時間と同時に電話をして5分待ち。

・保険
クレジットカードについてる保険は、かつては無条件で使えたが、現在はそうではないことがあるので確認したほうがいい。旅行代金、行きの交通費、現地の交通費を該当クレジットカードで決済をする必要があるようになってることがある。現地で調べて、慌ててデリーで地下鉄の運賃をカードで支払った。

デリーの地下鉄は安全快適。どの国でも日本より照明が暗いので不穏な感じがするだけだ。

■行き方

時間が有り余るほどあるような旅ではないので、空路一択だった。

ジャイサルメールはパキスタンの国境から100キロのところにある街なので、情勢が悪くなれば空港の民間利用ができなくなる。開港後しばらくは民間の飛行機の離着陸はできず、近年に使用が開始された気配だった。なので、それ以前の空路でのジャイサルメールへの行き方の情報は非常に限られているのでご注意を。特に「放棄された10の空港とその物語」という2022年2月のろくでもない記事が出てくるので、これを信じると空路で街へ向かう考えを断たれる。ジャイサルメール空港は放棄されていない。とにかく、2023年12月末時点で空路でジャイサルメールへ向かうことができた。

ハーヴェリーの中庭から空を望む。

日本からだと、インドのどこかの国際空港で国内線に乗り継いで、ジャイサルメール空港へ行く方法が順当だと思う。ただ、インド入国手続や飛行機の遅延やキャンセルなどに遭い、旅程が崩れる可能性を考えると恐ろしすぎるので、一度入国し余裕をもって国内線で移動する方法をとった。具体的には、デリーで入国手続きをし、2泊して体調も買い物も万全にし、日を改めて国内線に乗り換えるという方法にした。また、国内線に荷物を預け入れるのも不安だったので、ジャイサルメールから帰ったらまた同じデリーのホテルに泊まることにして、日本からのスーツケースや余分な荷物を預かってもらい、機内持ち込みサイズのバックパックに詰め替えて空港へ向かった。インドの国内線は2時間前に空港へ。国際線は3時間前。まじで、舐めないほうがいい。ギリギリでもいつもクリアできているからの法則は成り立たない。ゲートが変更になったし、出発時刻が早まった。ついでにいうと、ゲートの存在が希薄でなぞの待合で待っていたら、突然ふんわりした場所で搭乗が始まった。自分の国の制度を適用して考えるとカオスなのだが、インド的秩序の中ではおそらく普通のことなんじゃないかと思う。彼らには彼らの理屈があり、秩序は保たれているように見えた。ただ、自分には馴染みがない秩序ではある。わからないときは早く行けば救われる航空券もあるというものだ。

国内線は、IndiGoとスパイスジェットがデリーージャイサルメール間を飛ばしている。到着時間などはあまり変わらない。評判を調べてみると圧倒的にIndiGoだったので、そちらでチケットを確保した。

■空港からホテルまで

インドの空港、駅ともにそこでタクシーをつかまえるのは、なかなか骨の折れる作業なので、予めタクシーを手配しておくとよい。その場でタクシーをつかまえると運転手の「そのホテルは潰れているからオレの知っているホテルに」と300%くらいの確率で言われる。これをかわすためには「さっき電話したからそんなことはない」という嘘を言わなければならない。運転手のほうの嘘がバレたところで運転手は悪びれもせずに「そのホテルは評判が良くないからオレの知っているホテルに」と食い下がってくる。仮にそれも論破できたとして、土産物屋に連れて行かれる可能性が捨てきれない。お土産屋とホテルからのコミッションを期待してるから、壮大な無駄な時間ではあるが料金は安いかもしれない。自分だけ儲からずみんなで栄えていくためには、まあ彼らも協業も必要なわけで、と考えるといらない土産でも買わないわけにもないんだよなといような葛藤をするのが面倒ならば、あらかじめ手配に越したことはないと思う。

ただし、ホテル予約サイトからの手配の場合は、法外なお値段(15分程度の道のりを6000円くらい)を請求される場合がある。ホテルに問い合わせたが、他はすごく親切なのに、タクシーの件だけぶっきらぼうで、タクシー会社の電話番号をシレっと教えてきたのみだった。小さい町なので、なにか協定めいたものがありそうなのだが、深くはわからない。デリーのホテルの人にそのタクシー会社の電話番号に電話をかけてもらい、空港からのタクシーを手配してもらった。空港からホテルまでは、3000円だった。これもまた法外であるが、おっちゃんのやり取りから推察するに、ホテル予約サイト的なものを経由すると倍額になるくさかった。半額になったのでよしとする。観光で成り立つ街に、すくなくとも飛行機代金とホテル代金を払えるほどのお金を持つ輩として降り立つのであるからタカリにあうのは当然と思って支払うのみだ。たぶん、真夏の本当に暑い時期には、この街には誰も来ず商売はあがったりだろうからな。彼らにも生活がある。タクシー手配は、とりあえずは、ホテルに直接聞いてみるとよいと思う。

この建物の彫刻を観に行った。

■ホテル

ジャイサルメールの街は、ジャイサルメール城とそれを囲う城壁、その外側に広がる旧市街、さらにその外側が新市街という配置になっている。城壁内は本当に狭いエリアで、そこにもホテルは何件もあるが、あまりおすすめできないと感じた。というのも、城壁内は上下水道の整備があまりできていないので清潔とはいえない可能性がある。だとするとそこはにおい消しのためにインド特有のお香のにおいなどが充満していて、つらくなりそうだなと予想ができる。また、細道や急坂が多いし、車が城壁内には入れない。タクシーを城壁外のどこかにつけて、ホテルの人に迎えに来てもらうなどの必要があるのだろう。特にスーツケースを持っている場合は、助けがないと城壁内のホテルにたどりつくのは不可能だと思ってOKではないか。あと城内は観光客でごった返している時期もあって、静かには過ごせなさそうだし、観光のために城壁外へでかけるのも手間がかかりそうだった。泊まったわけではないので予想だけど。

で。「WelcomHeritage Mandir Palace」というホテルに二泊した。城壁外、徒歩10分のところにあり、観光スポットでもある王宮の建物内に宿泊ができる。安くはない値段ではあるのだが、べらぼうに高いわけでもなく、設備やサービスや立地からすればリーズナブルな価格かと思う。1泊2万円ほどだった。

安心、安全の水回り。

部屋の窓からは王宮内にある塔が見えた。

窓からの眺め

ジャイサルメール特有の石の彫刻装飾が室内にも滲み出していてとても風情があった。旧市街の大きさは吉祥寺程度だし、田舎の街でもあり、そんなにいいカフェがあるわけでもないので、結局部屋に戻ってきてルームサービスでマサラティーを飲む方がよっぽど良いというようなこともあった。

エアコンは正面の1台。建物の外にある装飾が部屋の中にも施されていて盛り上がる。

Booking.com経由で予約をしたが、出発から2週間くらい前にインドの支払いサイトで代金全額の支払いをしないと予約を取り消すという連絡が来た。怪しすぎるが、背に腹は代えられないので、ホテルのサイトと決済サイトについて調査をしたのち、一か八かで支払いをしたが、本物だった。疑うのは申し訳ないが、疑わざるを得ないだろう? こんなのとは思った。

ホテルでのご飯もおいしいが、隣には「The Trio Restaurant」という評判のよいおいしいレストランもあって便利だった。北インドはポーションがでかいなあと思ったので、ゴージャスなターリ1人前を二人で食べられるかと聞いたら、OKということだったのでそうした。かわりに飲み物は必ず頼んだりなどして調整。

The Trio Restaurantのうまターリ。

年末だったのもあり、12月30日には、近所にあるロマの集落から楽隊がきて音楽と踊りをたのしみながらのディナーが開催された。しかしながら、吹きさらしの野外での鑑賞なので、激寒。焚き火であたためてくれはするが、キャンプで焚き火をしたときほどにおいがつく。寒すぎるので会場を見下ろす食堂から見させてもらい、においも避けることができた。

野外でのディナーには寒すぎる。カレーが一瞬で冷やしカレーになる勢いだったので、視界は狭いが室内に避難させてもらった。

部屋は寒かった。LGのエアコンではまったく太刀打ちができない。もしかすると、フロントにいえばストーブを貸してくれたのかもしれなかったが、厚着でしのいだ。冬に滞在するときは、くれぐれも自分を冷やさない工夫をどうぞ。日本より乾燥をしているので、体感温度が違うのを考慮にいれておくべきだった。

■デザートキャンプ

寒そうだったので、行かず。情報なくてスマン。

■観光

旧市街は、ほどよい広さで全体的に徒歩でOK。夕日を見に行く「Vyas Chhatri」と池「Gadisar lake」だけは、オートリキシャの距離。そのどちらも100ルピーくらいが相場。もちろん現地価格ではない。払うか交渉するかは考え方次第かと。

Gadisar lakeの周りには大量の出店があり、縁日のようになっていた。インド人観光客目当ての店がほとんどなので、外国人はそんなにしつこくされなくて最高。しかし、年末年始で混んでいた。

徒歩で観光ポイントを巡るときは、お土産屋に誘導するために、Google Mapのピンの位置が意図的にまちがっているところがあるので、ホテルで地図をもらってそれを頼りに行ったほうがよいかもしれない。「Nathmal Ki Haveli」は要注意。インド人の観光客がそばにいる場合は、現地の人より彼らのほうが正確な情報をもっていて安心であることがわかった。年末年始はインド国内の人々も旅行をするので、ジャイサルメールは激混みでだった。特に城壁内の観光は10時半を過ぎたあたりからごったがえすので、それまでに観光はすませて、眺めのいい「City view cafe」でマサラティーで休憩というくらいのスケジュールがいいかもしれない。他の季節のことはわからない。

12月30日の午前10時半頃の王宮の隣のひな壇の様子。団体インド旅行客が記念撮影中。これも面白いと思うならば遅めの午前中から観光をエンジョイするのも乙。

ガイドを手配するのも効率的で良いと思う。私は街中でmaniさん(tel:9413092304)に声をかけてもらったが、ホテルのフロントできいてみると紹介してくれると思う。maniさんには1時間350ルピーくらいの金額を言われた。悪い人ではないし、ガイドも的確だったが、最後の最後で怒涛の「知り合いの店を案内するぞ」攻撃はあった。ジャイサルメールに日本語のガイドがいるかはわからないが、いるとして料金は英語のガイドよりも結構高くなると思う。

■ゴールデンシティを実感するならば

黄色っぽい砂岩でできている街なので、昼間に城壁を外から見ればいつでもゴールデンシティではあるのだが、より黄金色をということならば、夕方に眺めるのが良い。しかしこれは「日が沈む時」というわけではないところがポイント。「日が傾いてきた頃に金色になる」でした。日差しに角度がついて、城壁を照らす状況を見に行く。年末で日没から1時間〜30分くらい前がジャストだった。とはいえ、地平線近くに夕陽が沈むところをみるのは趣きがある。

夕暮れスポットは、2つ。ひとつは、オートリキシャの距離の「Vyas Chhatri」。

「Vyas Chhatri」では、東屋のような建物から対岸の城壁を眺める。

ここは王家の墓所の遺跡で、入場料が必要なので観光客しかおらず静かに観られるのも利点だが、城壁は遠め。ちなみに、オートリキシャで行って、待っててもらう必要はあまりないかも。日没あたりには客待ちもそれなりにいた。ついでにいうと、歩こうと思えば歩ける距離だった。近くのほうは、城壁から完全徒歩圏内で「Suli Dungri」という。ロマの集落をこえたなかなかの高台にある。足がわるいとアウト。ここは無料なので様々な物売りたちを「いないもの」として振る舞う演技力が要求されるが、城壁から近いのもあって「ゴールデンシティ」を実感するのはこっちのほうがよいのではないかな、と思う。

「Suli Dungri」からははズームを駆使してこんな感じの写真が撮れる。

観光の内容については、ガイドブックを参照してください。それ以外の現地での情報は以上です。