もう1人の私との出会い
20代前半の頃の私はまだ何も作ってなく、自分の創作の手がかりも掴めなかった。名前を検索すると、同姓同名の小説家が居て、星新一のショートショート選に、ある作品が掲載されていた。
私は二重人格と言われていた時期もその頃で、家を裸足のまま飛び出した友人を追いかけ連れ戻したところ、翌朝になって足の裏が汚れていたのは自分の方だったこともあった。私は、家庭の問題で不確かな人格形成を経ていたので、少し腑に落ちることがあった。
そして驚いたことに、その同姓同名の小説は、二重人格の物語だった。