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写真を撮るときに気をつけてる『視点』の話

「ゆー。さんはどうやって良いロケーションを見つけてるんですか?」

と、そう聞かれることがあります。

え、なんだろう?

そんこと考えたこともなかったと思って改めて自分の中でまとめることにしました。

その人が見てる『視点』って確かにその人だけのものでもあるけど『視点』をどうやって言語化するのかはあまり慣れてなかったので僕なりの考えを書いていこうと思います。



そもそも『視点』ってなんだろう

『視点』
1 視線の注がれるところ。
2 物事を見たり考えたりする立場。観点。「―を変えて考える」「相手の―に立つ」
3 透視図法で、画像と直角に交わる仮定の一点。対象を眺める位置。
出典:goo辞書

視点って何かその人が「すごく特別な才能があってどんどん見つけ出しちゃうもの」って感じてる人が多いような気がします。

僕の中では視点ってそう言うものではなく
「誰にでも持っていて、誰にも真似できないもの」
だと思っています。

写真って、実は『視点』だけの話ではなくて『切り取り方』も入ってきます。

同じ画角で見ていても必ずそこには
「その人が風景をどう切り取るか」
が入ってくるはずなので。

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この写真僕自身が撮った写真なのですがどう思いますか?

「光のボケが綺麗!」
「水辺の太陽の反射がいい感じ」
「ちょっと青っぽいのも好みです」

生徒さんにたまに前情報を入れずに、この写真を出したりするとそんな意見をもらったりします。

でもこの写真は
『繁華街にある澱んだ川で撮った写真』
なんです。


川の色も濁りすぎてこの色になってるだけなので、全く綺麗でもないし、あまり触れようと思うような水質ではありません。

でもぱっと見の印象は
『綺麗』
なんですよね。

不思議ですよね。

つまり視点というものは
「必ずしも自分が綺麗だと思ってるものが、他人も綺麗だと思うわけではない」
ということでもあります。



僕の好きな映画で是枝裕和監督の『空気人形』という映画があります。

切ないし、出てくる人物に感情移入しちゃうし、妙にリアルでめっちゃエモい作品です。

僕はラストシーンがとても印象的で大好きなんですが、まさにそれぞれの『視点』で見た世界なのでぜひ観てみてください。




誰かの視点を真似るより自分が何を見ているかを見つけてあげる

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じゃあ僕自身最初からそれができてたのかというとそういうわけでもなくて、これは人から言われて気がついたことでもありました。


「ゆー。さんの写真ってちゃんと被写体と風景が馴染んでますよね」


もう2年くらい前に言われた言葉ですが今でも印象に残ってます。

「あ、そうなんだ」って思いました。

「この人の視点いいなぁ」ってばかり思っていたけど実は自分なりの視点をちゃんと持っていたんです。

でもそれはたくさん撮ってないとわからないし
「そういえばこういう写真ばかり撮ってるなぁ」
ってそこで初めて気がつくんですよね。

もはやそれって
「普段から自分が無意識で見ているもの」
なので誰から否定されても続いていくものだと思っています。

むしろ他人のそういうものを見てみたくないですか?



以前講座を受けてくれていた生徒さんが個展をやるってなった時に

最初のタイトルを
『私の日常』
にしてたんですね。

でも僕はその生徒さんの撮るお母さんの写真がめちゃくちゃ好きでした。

絶対これは人に共有するべきだと思って
「お母さんとの写真を個展に出してください!」
って言ったんです。

でも本人は
「いや、私の母ですよ!?誰が見たいと思うんですか!?」
って言われたんですが、半ば無理矢理押し通してお母さんの写真で個展をしてもらうことになりました。


結局彼女はその後もお母さんとの写真をとたくさん撮っていくこととなります。(現在は家を出られたのであまり上がってきませんが。。泣)

でもどこか懐かしくて、自分の母親でもないのに
「お母さんってこんな感じだよね」
って思わせてくれる彼女の『視点』なんですね。




『視点』とは誰かを感動させるものではない

「感動ポルノ」という言葉があります。

これは
「相手を感動させるためだけに作られたモノ」
という意味でちょっとネガティブなワードとなっています。

これと一緒で写真って自分の視点とは関係なく「どんな写真が評価されるかな」とか「こういうふうに撮れば反応がある」といった『他人の視点』で写真を撮ってしまう場合がかなりあります。

これは僕自身もやってしまっていたことでもあるんですが。。

でも『他人の視点』で撮った写真っていろんな人を見ていて長続きしてる人を見たことありません。

なので、上で紹介した生徒さんも『ただ』お母さんを撮っていただけです。

これがきっと
「見てくれる人が感動するような写真を撮ろう」
ってなってたらきっと共感することはなかっただろうなって思うんです。

なのであなたもぜひ今見てる視点は誰のものなのかを考えられてみてください。





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