えーっとね。何から話そうか。君はどこに住んでいるのかな。どういう言葉を喋っている？ 言葉とかあるところなのかな。
　学校とか仕事ってある？ 君の見た目はどんなのだろう。それって僕にも見えるのかな。君はどういう存在なのかはわからないけど、とりあえず僕達の住む世界について話すね。

　僕達の宇宙はさ、全貌はよくわからないよ。頭のいい人達がいっぱいいて研究はしているけど、やっぱり憶測の域をでてないみたいだ。宇宙の外から見た人なんていないからね。もしかしたらいるのかもしれないけど、それはオカルトとかそういう類いになってしまう。シャーマニズムなんかいまの時代には流行らないんだ。もっともっと昔、僕の住む日本っていう国（太陽系第三惑星地球ってとこ。太陽から水星、金星の順である）にはね、ヒミコっていう人がいた。西暦250年前後の話かな。西暦ってのはね、イエス・キリストっていうえらい人が生まれた年から始まったんだ。まあそれはおいといて。

　ヒミコは特別なちからを持っていて、神様の声を聴いてそれを民衆に伝えた。君の住むところは神様とかいる？
　僕の住む地球はね、いろんな人がいろんな神様を信じてて、そのせいで喧嘩したりしてるんだ。僕は正直神様とかよくわからないんだよね。いまの日本では神様を信じてる人のほうがちょっと特殊な感じでさ。ちいさい頃から初詣に神社に行ってクリスマスパーティーをしてお葬式はお寺とかね。それぞれ違う神様なのにね。僕はそういう雑食さは嫌いではないけど。
　クリスマスっていうのもイエス・キリストのお祭りだ。誕生日だったかな。イエスは魚座だったっていう話もある。魚座といえば2月か3月生まれだ。僕も魚座なんだ。クリスマスは12月。これは冬至と関係しているらしい。僕達の住む地球は冬至を境に太陽が勢いを取り戻してくる。太陽の復活祭だよ。これは古代ヨーロッパの信仰かな。日本よりもっと西のほうだ。東洋にもそんなのはあったと思うけどね。その太陽信仰が中東で生まれたキリスト教とあわさったんだ。

　なんかとりとめのない話になってしまったね。僕はただの日本に住む中学生だよ。名前は大地だ。英語だとearthになる。地球ってこと。日本語だと地面って意味あいが強いかな。
　また僕の話を聴いてくれるかな。名前も顔も知らない君だけど。よかったら何かの合図で知らせてほしい。じゃあ、またね。