滞独日記「循環する生活をする」
いよいよベルリンのなかで引っ越し6回目になった。
今までの住宅のなかでも最も古いであろう佇まいに一目惚れして入居を申し込んだ壁には赤や黄色といった代々の壁色の痕跡が残っているから、100年以上この家が繋いできた人の生活を想わせる。
ここでの暮らしは自分たちがいなくなっても続いていくということを想うと、家そのものを大切にしたくなった。
この古くて居心地のいい家に住まわせてもらうといっても、塗装は剥げ生活するための品々も充分ではなく、ゆっくりくつろげる居場所もほとんどない。