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15分以上有名でいるには変化が必要だ アンディ・ウォーホル展・京都

京都市の京セラ美術館で「アンディ・ウォーホル・キョウト」展が開催されています。音声案内を飛鳥ちゃんがやっているというので、先日行ってきました。(会期は2023年2月12日まで)

■京セラ美術館

京セラ美術館の前身は京都市美術館。戦前の1933年に開館し、太平洋戦争後は進駐軍に接収された時期もありましたが、直接の空襲を逃れたことでモダンな洋風建築はそのまま残りました。戦後、「ミロのヴィーナス」や「ツタンカーメン展」などが話題を集め、京都の芸術・文化の一大拠点となりました。2014年から再整備が始まり、2020年にリニューアルオープン。現代アートに特化した「新館・東山キューブ」などが整備されました。ウォーホル展はこの「東山キューブ」で開催されています。

平安神宮の大鳥居のすぐそばです
昔の銘板も残されています

平安神宮の目の前にあり、観光客でごった返すエリアです。最寄り駅は京都市営地下鉄東西線「東山駅」です。
チケットは前売り券で「土日祝日」用を買っていました。ただ、入場には別に入場時間を事前に予約する「予約券」が必要です。美術館のHPからWEBで予約可能。
訪れたのは9月下旬の日曜日ですが、始まったばかり(9月17日~)ということもあり、館内はかなり混雑していました。

正面ピロティは広々しています

■飛鳥ちゃん解説

展示室に入ると壁にQRコードが掲載されているので、そこから専用のポータルサイトにアクセス。音声案内かBGMを選ぶことができます。要注意なのは、「スマホとイヤホンがないと聞けない」点です。美術館の音声案内は専用のヘッドセット的なものを貸し出してくれるのかと思っていたら違いました。スマホはフル充電で行くことをお勧めします。

飛鳥ちゃんはナビゲーターというポジション

館内はスマホ限定で撮影可能です。

入口すぐ

飛鳥ちゃんのナレーションは、外仕事でしか聞けない、「よそ行き」飛鳥バージョンです。おすましバージョン。「乃木坂工事中」のカワイイ声選手権みたいな企画で聞いたあの感じの声で、聞いてるだけでも十分に癒されます。普段の小生意気な、どこか投げやりないつもの感じで読んでくれてもいいんだけどな。

あの普段着的ないつもの「齋藤飛鳥」の声は、乃木坂のメンバーやスタッフ、バナナマンなど気心の知れた人の前でしか見せない姿なのかもしれません。

■アンディ・ウォーホル(1928~1987)、アメリカ人

後半に出てくるポートレート


展覧会は「プロローグ」「ウォーホルの初期作品」「日本とウォーホル」「活け花への関心」「ファクトリー」「反復と商業デザイン」「華やかな社交とファッション」「有名人と影」「美術史の中のウォーホル」「死と惨事」「最後の晩餐~エピローグ」という11のカテゴリーに分けられていて、ウォーホルの人生をたどりながら作品を見ることができます。

スケッチのたぐい①
スケッチのたぐい②
スケッチのたぐい③

コンプレックスを抱えた幼少期から、有名人・スターへの憧れ、大きな成功を収めた商業デザインの数々(誰でも見たことがある、スープ缶のイラストなど)、華々しい社交とその代償のような事件の数々、忍び寄る死の恐怖、壮大な美術史への反駁と畏怖の念。

美術の教科書に載ってたっけな?
実はシリーズもの
懐かしいMacintosh. ロゴ

ウォーホルが駆け抜けた60年余りの人生の中で、何が彼に影響を与えたのか、または脅かしたのか、アメリカの最繁栄期といってもいいかもしれない20世紀の後半、歴史を揺るがした大きな事件や人物はもちろん、新聞の片隅にしか乗らない場末の小さな事件や人の死まで、かつて「鉛筆からロケットまで」が代名詞だったどこかの総合商社のように、ありとあらゆるものに反応しては作品に昇華させていったアンディ・ウォーホルとう人物の一端に触れることができます。

ジョージ、ジョン、ポール、リンゴ 世界一有名なバンド

ウォーホルのことはほとんど何も知らず、ただ齋藤飛鳥の音声案内だけが目当てで行きましたが、十分に楽しめたように思います。

きっと、カミソリのような神経の持ち主だったのだろうなと勝手に想像しています。さぞかし、生きづらかっただろうと。常に渇きのようなものがあって、それを充足させるためにひたすら作品を生み出し、自分なりに理解し咀嚼しないことには、頭が破裂してしまう。

共産主義のモチーフ 米ソ冷戦時代をリアタイで経験したウォーホル

だから展覧会に並んだ作品の数々は、彼の歓喜の声のようでもあり、呪いの言葉のようでもあり、悲しみのようでもあり、魂の慟哭のようでもありました。

展示室の最後に出てくる、最後の晩餐みたいな作品 壁一面を覆う大きさです

ウォーホルが強くあこがれ、その死に深い衝撃を受けたというマリリン・モンローの肖像画は、この展覧会のメインビジュアルにも採用されていますが、ウォーホルが数年間にわたり繰り返し描き続けたモチーフだそうです。同じ人物を繰り返し繰り返し描き続けることで、「語り継がれ」「消費され続ける」有名人の影の部分を描いたのだと指摘されています。

ウォーホルは狂信的なほどマリリン・モンローにこだわった

飛鳥ちゃんのナレーションより
「有名人にはどこか商品のように大量に売り出され、消費されてしまう側面があります。『将来、だれでも15分間は有名人になるだろう』とはウォーホルが残した有名な言葉ですが、15分以上有名であり続けるには常に変化が求められるもの・・・」


■アラカルト(公式グッズ)

図録、マグカップ、ランダム缶バッジ、フリスク的な何か

展示室を抜けると、グッズ売り場があります。飛鳥ちゃんに絡むものは特にありませんでした。

フリスク的な何かはギターのピック入れに。

2022年10月1日

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