持って生まれたもの

自分は体力がないのだ、ということにはっきり自覚的になったのは30代になってからだった。たしかに元々体が強い方法だとは思っていなかったが、特別身体が弱いとは思っていなかった。

残業月100時間を超えていた20代の頃。体調も悪いしつらかったけど、社会人というのはそういうものなのかと思っていた。

週4で時短で働いても精一杯な今、歳を取ったというのもあるが、20代は私の体力にしてはかなり無理があるほど働いていたのだということがよくわかる。思い返してみれば、学生時代も休みがちだったり、ひどく疲れて帰りに喫茶店に寄って一休みしてから家に帰ったりしていた。

20代の時は自分のことで精一杯で、自分が頑張れないのは、体力の違いではなく、努力の差なのかと思っていた。歳をとって周りを見てみると、持って生まれた体力は人によって大きく異なること、自分は人よりも体力がない方だということがよくわかる。

若い子たちを見ていても、明らかに体力的に厳しそうな子はちらほらいる。見るからに細身で、低血圧そうな子。しかし彼らはあまり自覚してないようで、そのことで休みがちだったり、周囲に迷惑をかけてしまうことを申し訳なく思っている。人によってはそれが精神面にも影響を与え、自分を責め、鬱的になっている人もいる。

早寝早起きに努め、体を鍛えれば多少マシにはなるのかもしれない。私もジムに通ったり、バレエをしてみたり、色々試し、ある程度体力がついて楽に感じた時もあった。でも、多少の底上げはできても、周囲との元々の体力の差は歴然たるものだ。

若い彼らには、あなたの体力がないのは、あなたの努力不足ではなく、持って生まれた体の特徴なのだよ、自分を責めなくていいのだよと言ってあげたい。

女性は生理の影響も大きく、生理前は確実に体調が悪いし、ピルを飲んでいなかったら、寝込まずに仕事もできない。

そういった特徴が分かってからは、諦めもつき、無理して頑張りすぎたり、悲嘆に暮れることもなく、疲れた、、休もう、となれたけど、そこに至るまで、本当に長い道のりだった。

自分の持って生まれた特性を理解するというのは、生きやすくなるために本当に必要なことだとしみじみ思う。持って生まれたものを、大事にしていきたい。


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