見出し画像

2016.11.27 Signal to Noise @東京NHKホール

2016.11.27
TK from 凛として時雨
Tour 2016 “Signal to Noise”

ツアーファイナルのレポ&感想、ツアー(福岡・広島)の総括。


てけふろライブでの開演SEとツアータイトル映像のシンクロが凄く好きで、Secret Sensationツアー(以下SSツアー)のオープニングをよく思い出してたんですが、今ツアーも良かった……遠くに見える白い光を、霧のようなノイズの中に見据える映像が紗幕に映し出されて、溢れていく光の中から宇宙を閉じ込めたような三角形が幾つも散りばめられていき、そこにツアータイトルが現れる。

01:Wonder Palette
木漏れ日のような、金木犀の花のような橙色の光が舞う中に浮かび上がるステージが鮮烈な始まり。「黒く塗り潰されないように」で白く強い光が差してた。「渦巻く世界……」で紗幕が上がっていって、メンバーの背に舞い散る光が美しかった。序盤からよくTKの右手が宙を舞ってて、特に「薄められた……」のところで右手をふわりと浮かせた後に、マイクから体を離して肩と首を左右に揺らしてたのが、すごいノってるなぁと思ってグッときた。

02:Addictive Dancer
ライブハウスでは赤い照明(序盤)だった気がするけど(気のせいかも)、ホールでは様々な色合いの青。薄青と、黄色みのある白いピンライトが交差してTKを照らす。音響が素晴らしすぎて音源よりも低音の圧が凄くて、心臓が鳴らされてるみたいだった。

03:Secret Sensation
音源には無い、アウトロにキンと冷たく響き渡るヴァイオリンの音色が本当に好き! ていうかこの曲全体を通してかなりヴァイオリンの旋律が耳に入ってくるので、結構それに合わせてノッてしまう。三角錐の宇宙に吸い込まれそう。初披露(2015年のDecember's Children)の時は青い照明だったな〜くらいしか覚えてなくて、こんなに壮大でとんでもなく美しい景色になるとは……。

04:dead end complex
終盤の「壊して」「満たして」の音を伸ばすところがファルセットになってちょっと優しい感じに。福岡や広島で観た時は音源と同じように歌っていたはず(歌い方変わってた印象無い)。喉の調子か、新たなライブアレンジか……大阪・名古屋はどうだったのかな。

05:subliminal
めちゃくちゃ大好きなんですけど、正直セトリ落ちすると思ってたので、また観られるなんて驚き……福岡で聴いてわかってたくせに広島でも肩がビクゥ!!ってなるほど、あのイントロは不意をついてくるものがあります。記憶が剥がれ落ちていくように、モノクロの写真が溶けて無くなっていく映像良い。最後のシャウトとても勢いがあってかっこよかった。

06:flower
「魔法に溢れてる色をつけたら 鮮やかなfake」に歌詞が変わってた。普通に間違えたのかなとも思うけど、そういうのも自然に繋げてしまっていい感じになるのさすがです。ライブハウスでは曲が始まると共にTKの背後に灯った赤いスポットライトがまるで大輪の薔薇みたいだったけど、ホールでは巨大なピンクのダリアが、バックスクリーンに後光のごとく。後半の「自分を殺す魔法で……」のところは真っ赤に照らされたステージが揺らめくように明滅していたのが緊張感を増していて良かった! 個人的に、SSツアーからflowerの良さを再認識していて、以前はそこまででもなかったけど「カラフルな世界を夢見て生きてるから」「誰かが待ってる気がして生きてるだけ」というフレーズがダブルで涙腺を刺してくる……自分自身の心境もあるけど、最近のTKからリスナーへの歩み寄り?のようなもの(kalappoとかラジオ等々)を感じていて、より一層、アーティストとしての人生をTKはどのように考えているのか、ステージからの景色はどんな風に目に映っているのかとか、あと自分も生きていく中で何を生み出せるのかみたいなことまで、いろいろと一瞬で駆け巡っちゃって苦しくなります。

07:Abnormal trick
レーザー演出かっっっっっこよすぎて目が皿になりました。ステージから剣のように伸びた青白い光線めっちゃ強そう……(?) この曲のライブでの始まり方かっこいいなーと最近やっと気づいて、BOBOさんのシンバルシャシャシャーーーッからギターに抜けてく感じを堪能しました。あと今まで490万回くらい言ってるけど、間奏で首を左右に振り乱してリズム取るTKがマジで最高オブジアースって感じです。最後の「この世界から抜け出せないし」でTKにだけスポットライトが当たって暗闇に浮かび上がった様は、物凄く孤独を感じさせた。

08:contrast
「もう僕と君を繋ぐものが」で、とてもゆっくりと右手を上げて客席を指さして、またゆーっくりと下ろしていて、前方の真ん中あたりの人達の心臓が心配になりました。大丈夫でしたか? 生命の水平線に堕ちませんでしたか? サビで夜色の青い光がステージに満ちるの良い……。でも「届かないよな」って歌ってるのつらすぎるんだ……contrastはほんとそこが……。

09:like there is tomorrow
金木犀っぽいシルエットがバックスクリーンに浮かび上がって、そういう植物の有機的なモチーフ大好きなので、シンプルに綺麗だなぁ……とため息。粛々とピアノを弾き終わって「えいっ」て感じでライトのスイッチ消してから勢いつけて立ち上がるのあざといんですけど、ギター持ったらもうそこにはかっこよさしかなくて。アウトロの泣きのギターが最高に脳を痺れさせる。いつも大団円感のある終わり方に浄化されます……。

10:unravel
紫の照明に沈むステージが美しい。個人的にはSSツアーの時の、 赤やオレンジの光の欠片が印象的な演出が好みだったんですが、シンプルな照明のみの演出もかっこいいです。紫の色味はスミレの花のような感じ。この曲に限らずですが、ライブするごとに歌への感情の入り方が深くなっている気がして泣けてくる。

11:12th laser
Abnormal trickでレーザー使うなら12th laserこそ使いどころだろ……と思ってたので、初っ端からレーザー放出されてテンション上がりました。そして中心から放射状に出てる本数が12本なのか数えましたよね。中央から見てないから微妙だけど12本あった(たぶん)。扇状に広がったレーザーがいくつもバックに開いていて氷山のようだった。

12:Showcase Reflection
「メロディ」と「物語」の文字がいっぱい並んで出てきた時点でこ、これか……!と思いましたし色々注目すべき点が多すぎたんですが、やっぱり「衝撃の密会」のチラ見せがダントツ印象深いです。なぜ開いて閉じた笑 好きなのは「誰かの為なんかじゃないよ」って暗闇に浮かび上がるとこかな。
凶悪なギターの音がエフェクターの不調により不安定に。スタッフさん出てきて直しながらギターソロ続行してた。間奏終わりに高いノイズがキーーンと鳴ったところが痺れました、鼓膜も頭も。曲の最後までずっとエフェクター不調で、終わった瞬間にキョロキョロしてスタッフさん探してた……それでも言った「ありがとうございます」が凄いテンション低くてそわそわ。

TKがスタッフさん来る前に、前屈して手でエフェクターを押した時になんかこう……クラウチングスタートの立ち上がった時みたいなポーズになってから素早く元の体勢になったの凄かったです(うまく言い表せない) 紗幕越しに見た記憶だった気がするんですけど、これShowcaseであってたかな。

13:Shandy
Shandyは初披露から何度も何度も観てるけど、どんどん音のまとまりが良くなって、殺傷能力と色気が増してる気がします。キレッキレ。「見られないように塗り重ねてしまった」のところを顔や肩を揺らしてマイクに噛み付くように歌うのズルすぎる。最後にスポットライトたちがぐるりと回転してTKだけ照らしてたのめっちゃ良いです。神々しい。

14:white out
降り注ぐ白の照明と、雪の中に伸びた道を彷徨うように揺らめく映像が、静謐な空気をつくっていて良かった。羽根のような雪が舞う中に立つ黒い衣装のメンバーの美しさよ。ライブだと「僕の両手は……」のロングトーンが音源よりちょっと長くて最後に力がこもっているのが好き。「溢れるほどの失くしたいものがまだ”そこ"にあって」と歌っていた。

15:Signal
深緑色に沈んだ大きな窓枠をバックに、まるで昇天するかのような、立ち上る雲の渦。こっちが昇天しそう。エフェクターが気になりすぎて、かなり足元を見ながら演奏するTK…それでも圧倒されるくらい凄いんですけど、もどかしい気持ちでした。最後の「ありがとうございました」もちょっと元気なさげだった。(他公演では、本編やりきったぜ!みたいなハキハキした感じだった) 黒シャツの袖を直しながら一旦ハケる。

【アンコール】

ピアノの前に座って急に思い出したように「お久しぶりです、TKです!」と挨拶。

TK「最近ライブ中に、妖怪音切れ太郎が出てきて……音を、無くしてしまうんですけど、(客席に手を向ける)……切れた時は、皆さんの頭の中で、ギターを鳴らしてください。よろしくお願いします」
一番もどかしい気持ちなのはTKだろうに、あまりにも機材トラブルあるからかもう開き直って「妖怪音切れ太郎」とか言って和やかな空気にしてくれるの本当に好きです。頭の中で鳴らせるほど聴き込んでるので大丈夫です。

en 01:罪の宝石
青緑色のレーザーに囲まれるてけクリスマスツリー! すみません正直冒頭しばらく笑いこらえてました。クリスマスツリーっていうか雪吊りみたいな。逆さにしたダイヤモンドにも見えた。曲が終わって暗転する時に消えゆくレーザーが、薄く暗闇に浮かんだ一瞬がなんだかよかったです。TKが世界から隔離されてるみたいでさ……(つらい) 音源では「いつのことだろーーー……う」と長めのウィスパーですが、ライブではやっぱり以前のまま語尾短めで。その感じ好きなんです。

TK「この会場にピッタリな、スーパードラマーを紹介します、BOBO!」
めっちゃハキハキ言うTKの紹介で、ニッコニコして会釈しながら出てくるBOBOさん。1人だけてけスイT。サポメン女性陣に向かってお辞儀するBOBOさんと、笑いながらお辞儀を返す女性陣の構図が、ご近所でばったり会ったマダム達みたいな謎の優雅さあってウケた。

en 02:invalid phrase
invalid phrase〜〜〜!😭  イントロのギターがじわりと響き渡った瞬間、福岡でも広島でも聴けてなかった私としては、ついに来てしまったか……と絶望にも似た気持ちに。本当に好きすぎて、そしてつらすぎて受け止めるのが大変なんです。Aメロで、白っぽくてちょっと暖色系が混ざったような、朝方の水辺みたいな色味の照明が、私がイメージしてたものとぴったりで、すごく綺麗でした。確か「その先にある遠い遠い夢を見てた」って歌った後、首を横に振っててとても切なかったんだ……「自分を殺そうとした」なんてさらに胸を締めつけるような言葉に確信的に変えていたのも苦しすぎた。
TK自身が歌うように、私もTKが見せてくれた音や景色を、大好きだからずっと覚えていたいし、作品に触れて感動した瞬間を何度でも思い出したいとか思って泣いてしまう……。TKの片耳が聞こえなくなった話をインタビューで知ったこともあり、SSツアーも、このツアーも、今このステージにTKが立っていることも、それを目の当たりに出来てるのも奇跡なんだなって改めて思ったら涙で目の前が揺らいだ。最後のシャウトのところは、ライブではちょっと溜めるんですね、声の余韻が長く響いて良いアレンジだった。

TK「次が……最後の曲になるんですけど、もし、この会場と僕達の威圧的な空気で、立ちたいけど立てないって人がいたら、全然立ってもらって大丈夫なので、最後の曲なんで……自由に楽しんでください。ありがとうございましたTKでした!」

en 03:Fantastic Magic
TKのMCにみんな緊張が解けたように笑って、会場の空気が一気に暖かくなったのすごく素敵だった。確かにみんな座ってるとやっぱりステージとの温度差があるように見えてしまうこともある。心はめっちゃ熱くなってますけど!座って観るのも好きだけど! 体を揺らしつつ、これで最後だ〜〜と思いながら観てたら、曲の後半でフッとTKが下手〜中央くらいの客席を見渡しながら、すごく楽しそうというか嬉しそうな感じが伝わってきて、それでまた泣けました。つらさではなく嬉しくて泣いた。

このツアー中、単純にソロで回る場所が増えたの凄いなぁと思っていて、TKがステージから見ている景色を想像してみたりして、やっぱりどの会場行っても沢山の人が来てくれてるの嬉しいかなとか思って勝手に感極まってました。いろんな場所にTKの音楽を好きな人、生で観られるのを待っている人がいて、私もその一人で、それがTKに楽しさとか嬉しさをもたらしていたなら最高だなと。もうどう考えても完全に私にとっての最高のロックスターなんです。痛いこと言ってるのはわかってます、でもやっぱり最高に好きな人が楽しそうにしてたらこっちも嬉しいじゃん……ライブはつらいとか言ってた人がさ……😭

そんなこんなで暖まった空気とバシバシのストロボ照明の中で終わりを迎えて、TKが両手を広げてサポメンを示し、ギターのノイズもそのままで、それでも掻き消されないように「TK from 凛として時雨でした!ありがとうございました!」と言って大団円な感じで終演。胸が熱い。どのタイミングか忘れたけどピックも優しく投げてましたね。TKは客席を見渡しながら袖に向かって、ハッと思い出したように二、三階席に手を振って、何を照れたのか笑いながら小走りで去っていきました。さっきまでロックスターや!と思わせていた人と同一人物とはまるで思えないかわいらしさだったけど、そういうのも含めて最高に好きだな!!とまた思う。笑顔を見れたことに泣く。感情が揺り動かされすぎて壊滅状態になるのもいつものことだけど、こんなに激しくて美しくて冷たくて暖かいツアーと、そのファイナルは、今までを経て作られた何もかも剥き出しのwhite noiseというアルバムと、今のどこか開けた感じのTKがいるからこそだなぁと思いました。一曲一曲が、鮮やかなショートフィルムを観るかのようなライブだった。「最高」以上の言葉をまだ探してます。

画像1


【おまけ】福岡と広島でのMC

・福岡

最初のMC
TK「お久しぶりです、TK、と……申します!」

TK「博多の人は…水炊きが好きなんですか?…………好きじゃないですか?」
客「好きです!」
TK「好きですか、僕も好きです。……僕は、水炊きと、皆の笑顔を、おかずに頑張っています(笑顔) 今日は最後まで楽しんでいってください(笑顔)」
このほんわかMCからのShowcase Reflection、温度差凄すぎて気が狂うかと思った。

アンコールでピアノの前に座って
TK「ありがとうございます……ありがとうございます……(斜め後ろ振り返って)……ありがとうございます」

ドラムの方を振り返って凝視→客席を見る→ドラムの方を見る→BOBOさんがてけスイTシャツを着て登場
TK「スーパードラマー、BOBOです!」
BOBOさんニッコニコ笑顔でTシャツを披露(裾が短パンとほぼ同じ丈でまるで彼シャツを着た美少女)

「今日は本当に楽しかったです。最後の曲になります。ありがとうございましたTKでした」って嬉しそうな笑顔で言ってて泣けた。

・広島

TK「初めまして、……初め、まして! ワンマンで来るのは初めてになります、TKと申します。今日は楽しんでいってください」

BOBOさん紹介
TK「……マイメンを紹介します。スーパードラマーBOBO!」
袖からヨタヨタと歩いてくるBOBOさん
TK「今日はちょっと、お腹の調子が悪いみたいです」
※絶対に福岡で朝からラーメン食べてたからだと思う。

subliminalを演奏中、マイクスタンドの調節部分が緩んだようで、TKが口を近づける度にマイク位置がズレて、曲終わった後にマイクとスタンド掴んでグイグイ直してた。無表情。急いでスタッフさんが直しに来てたけど、その時の空気のピリッとした感じにドキドキしてしまった。

福岡の水炊き大好きMCが衝撃的すぎて何かと理由つけて福岡にライブしに来てほしいって思いました。あと差し入れしたお菓子をピアノのはるなさんが写真付きでツイートしてくれたのミラクルすぎて絶句した。会場から出ていく時に車の窓開けてくれたTKに「また来てください!」って、頑張って笑顔で手を振りながら言えたんですが、微笑みながら頷いてくれました。ありがとうありがとう……。

画像2

画像3

2016.11.29
(2020.10.01 note移行にあたり一部編集)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?