中心と軸。
つい先日、前職の先輩に会ってきました。
会社を辞めて合気道の師範になった。という、特殊な経歴の方です。
僕はこの先輩が大好きです。
会社員時代、落ちこぼれな僕を気にかけてくれ、名前を呼んでくれて、励ましてくれた温かい方。
最後に会ったのは2年?3年前かな?
連絡をしたのも「奥様がカフェを経営しているから、僕らのドライフラワーを置けないかな?」なんて浅ましい理由でした。
今思えば、それもよし。笑
素敵なカフェを堪能した後、道場に通してもらった。独特な畳や木の香りと高い屋根、外の木々もよく見える大きな窓。
ゆったりとした空間で話す心地よさがあった。
大好きだなー。と思っていた先輩は、前に会ってお話しした時よりも「はるかに大きい人」だった。
真っ直ぐな立ち方や、身のこなし、正座の美しさと、常に微笑んでいる落ち着いた姿。
「うわぁ…」と思った。
真っ直ぐに立つのは難しい。
力んでも続かないし、力を抜くと背中が丸くなる。足を投げ出したり、頭がぐらぐらする。
真っ直ぐ座るのも難しい。
腕も足も組みたくなる。背もたれが誘惑をしてくる。
人の目を見て、真っ直ぐ。
これはもっともっと難しい。
相手がいると「気をつける」だけでは真っ直ぐ立っていられない。
自分はこう在る。
相手は何を想って対話しているのかな?
気負っては真っ直ぐに立ち続けられない。自信が必要になってくる。
「深呼吸をすると良い。」
そう教えてもらいました。
真っ直ぐに立てないのは、重心が浮いているから。
頭で考えると重心は頭まで上がるし、心がそわそわしても胸が中心になる。呼吸が浅くなっても、中心は胸だ。
息を吐く事で腹に中心を落として据える。
この一言に、大木のような安心感と積み重ねた経験値が見えた気がした。
優しくて大きい先輩の大きさだ。
最近の僕は、頭と胸がいっぱいになっていました。
慣れない会社の代表業務で、考える事とそれに伴う焦燥感で苦しくなることが多かったのです。重心が高く、グラグラしていました。
だからこそ
「あぁ、僕はこんな大きな人になろう」
心からそう思えた。
根を張り、幹や枝を伸ばし、葉をつける。
みんなが安心できる土台を。
欲張って実をつけることが出来たら、外の人たちを歓迎しよう。
そして、変わらずにそこで立っていよう。
在るだけで勝手に与えられるような大きな木のように。
コンセプトは変わらない。
「目の前の人に、ていねいに」
重心と軸を整えて、軽やかに行きましょう。
一日にも感じる15分のお話しでした。
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