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スライドの長さと体幹バイオメカニクスと肘内側の関係 -思春期の投手における肘の損傷:臨床的考察-


2022年

⚾️目的

体幹の動き方と歩幅の役割について検討すること

⚾️まとめ

成長、早期のスポーツ特化、複数チームへの参加、マンウドまでの距離、マウンドの高さ、投球数の多さは、思春期の投手の故障リスクが非常に高くなる
だが、疑問が残る
投球数の規制は、思春期投手の傷害を予防するのに十分なものなのか?
使いすぎによる傷害を減らすことはできるが、個々の運動学、運動連鎖を介したエネルギー伝達、投球回数などが考慮されていない。

適切な投球メカニクス、特に体幹の回転・歩幅を身につけることは、肘の故障を予防をする上で非常に重要である
運動連鎖を上手く使えるようにならないといけない
投手が運動連鎖を使えるよになるには、下肢、体幹の筋肉の安定性と神経-筋制御が不可欠である

ピッチャーがホームプレートに向かって踏み出し足を出す時に、位置エネルギーから運動エネルギーへの変換が行われる

位置エネルギーから運動エネルギーへ




踏み出し足が、地面につくと打者に向かって骨盤の回転を開始する
骨盤は回転するが、上半身はそのまま(下半身と上半身の分離:セパレーション)
この不適切な分離:セパレーションが起きると肘・肩の傷害を引き起こす可能性が高くなる

 上半身と下半身のセパレーション(分離)



体幹の回旋のタイミングとスライドが同期していないとエネルギー伝達が制限され、肘・肩に頼ったいわゆる手投げになり、傷害を引き起こす

適切なスライド長は身長の80-87%と言われている
スライドが短い・長い投手は上肢への負荷が増大すると言われている
また、投手の年齢や成長・成熟度によって、最適なスライドの長さが変化することも示されている。

スライド長は身長の80-87%がベスト



身体の可動域・バランス・および身体的パフォーマンスの能力を定量化することが大事
両脚の垂直跳びは、若い野球選手において歩幅と中程度の相関している

両脚垂直跳びはスライドと相関がある


Early Cockingでの最適なスライドが、下半身と上半身とのセパレーション(分離)を作り、運動連鎖でエネルギーロスすることなく投球することができる。
そのため、傷害が起きにくいフォームになる






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