12月1日(金)朝、
水槽にメダカがいない。
一匹飼いの小さな水槽。
忽然と姿を消した。

昨日まで普通に泳いでいた。
床に落ちてはいない。
死んで貝に食べられたにしては
展開が早すぎる。
なんで居ないのかさっぱり分からない。

元々、弱って水槽の下でじっとしていて
他のメダカにいじめられていたところを
保護した背まがり気味のみゆきメダカ。

餌もいつも食べ損なってお腹を減らして
弱ったと予想。しっかり餌を食べさせて
回復をさせるために単独飼いにして、
メダカ病棟と勝手に呼んでいるスペースの
一番看視できる場所に置いておいた水槽。
早急な処置が必要だと私が判断した
メダカの中の一匹。

でも、消えるってなんだろう。
弱った子が水槽から飛び出ることは
考えづらい。飛び出たと言うならば
何故見つからないのか。
意味がわからないまま出勤して
一日中仕事どころではなかった。
スマホに残っていた消えたメダカの
最後の映像を見ては落ち込み、
水から離れて生きている可能性が
あるわけがない現実を突きつけられて

ふと思いつく。

そういえば、あの子の水槽の下に
水換え用の水を作っている水槽があるなあ。

偶然そこに落ちている確率は低いけど、
スクエア水槽の四面のうち、水槽に
向いた一面から落ちてくれていれば
助かっていることになる。
そんな夢みたいなことを考えながら
家に帰った。

まず、朝の私が寝ぼけて見間違った
だけではないかと思って元の水槽を
覗いたが、やはり見間違えではない。
いたはずの水槽にメダカの姿は
なかった。

そして私は、

水替え用の57L大水槽を
恐る恐る覗く。

ーーーーいたよ。

スイスイ気持ちよさそうに泳いでたよ。
なんなんだよもう。

生きてたよ。

水替え用の大事な水槽に
気持ちよくフンしてたよ。

色々諦めてその場で
餌をあげたら
パクパク食べたよ。

元気だよ。

良かったよーーー。

君のために一日の思考の
ほとんどを使ったよ。

単独飼いにして
餌をあげたことで
元気いっぱいに
なっていたらしい。

そして、あのハードルを
普通に飛び越えたらしい。

落ちた先が、ヒーターとエアポンプで
水温を調整され、バクテリア水で
水質を管理されていた
57Ｌ水槽。

奇跡だよ。

そのまま今日は　57Ｌ水槽で
悠々としていてよいよ。

生きる方向を選んだ
ご褒美だよ。