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ライフキャリアレインボーの活用事例

ライフキャリアレインボーという考えをご存じでしょうか。
(HR関連で働く方々やキャリアコンサルタントの勉強をなさった方はお耳にしたこともあるワードだと思いますが、)心理学者であるドナルド・E・スーパー氏が1950年代に確立した、仕事に関わらず人生の様々な局面で訪れる役割を組み合わせてキャリアが形成され、多様なキャリアが積み重なっていく様子を虹にたとえた理論になります。


参照:文部科学省「高校生のライフプランニング」

本来であれば、長期的なキャリア形成・ライフ設計をする際に用いる理論になりますが、多様な役割の中で「今は何の役割を担っているのか(”演じているのか”)」と意識するために、役割専用のツールを設け、そのツールを使うことをトリガーとして役割に没入するという方法を実践してみました。
※以下、この施策を役割専用トリガーと呼ばせていただきます


■(そもそもの)実践理由

あるポイントについて上司に1on1で相談したところ、「本当の自分のまま仕事をするのではなく、理想の仕事を役割として演じてみてはどうか」とライフキャリアレインボーの考えを紹介されました。
確かにここ1年 仕事の役割が増えただけではなく、子供が産まれたことにより父親という役割も増え、全ての役割を本来の自分1人で担っていることでメンタル不調を感じることが多くなったことは自覚していました。
(ちなみに私もキャリアコンサルタント資格を保有しているのですが、この理論をすっかり忘れていました。。)

■1st Step:今の役割を整理する

本来のライフキャリアレインボーでは8つの役割があるのですが、全てを意識するのは難易度高いので、私の場合下記太字部分をピックアップし、「職業人」は大きく①マネージャー業務②プレイヤー業務に分けて整理してみました。

・子供
・学習者
・親
・余暇人
・市民
・職業人 →①マネージャー ②プレイヤー
・家庭人
・その他の役割(年金生活者、余生を過ごす)

参照:文部科学省「高校生のライフプランニング」

役割の整理ができれば、役割専用トリガー(その役割を演じる時だけ身に着ける・使うもの)を設定するだけです

■設定した役割専用トリガー

「職業人」としての役割 ①マネージャー業務

→社員証のネックストラップ

私の勤め先では各フロアは顔認証でドアロック解除をされるため、以前 必要だった社員証(正確にいうと社員証と一緒にネックストラップに入れていたセキュリティキー)が不要になり、業務中に社員証をつける文化がなくなりました。
そのため、普段身につけない社員証をマネージャー業務の専用ツールとして、ぶら下げる時はマネージャーとしての役割を演じるトリガーと設定しました。
本来であれば、自分が社員であることを証明するものですが、私の用途はトリガーのため、誰にも合わない在宅勤務中でもぶら下げています。

「職業人」としての役割 ②プレイヤー業務

→アナログ腕時計

普段はスマートウォッチを身につけているため、プレイング業務をする際は専用のアナログ時計を購入しました(500円のチープカシオ)。
マネージャーの役割を担うようになってからは、プレイング業務の時間は限られるため、時間意識の観点でもプレイヤー業務の専用ツールはアナログ時計に設定しました。

「親」としての役割

→設定なし

この役割は本来の自分でいたいこともあり、特に何もトリガーを設定していません。ただ息子は1歳未満なので、まだオーラルな説明ができないため、もしかしたら将来的に教育上必要な役割トリガーが必要かもしれません。

■役割トリガーを設けた効果

結論ですが、自分には非常にマッチした施策でした。
実は似たようなことはコロナ渦の1回目の緊急事態宣言時に、リモートワークになれるために、在宅でも襟付きのYシャツを着る、始業時に組織理念を唱和することを実践していたのですが、すっかりリモートワークにも慣れ、在宅時に意識的に業務に入るトリガーやルーティン自体がなくなっていました。
ライフキャリアレインボー理論では役割が重なっていることを表していますが、複数の役割があっても、演じる人間はたった一人です。つまり、何かをする時には基本的に一つの役割しか演じられません。
そのため、一つ一つの役割を意識することで効率よく、業務の集中にもつながっていると感じます。

今回は道具をトリガーとして紹介させていただきましたが、「演じる場所」も組み合わせることでもっと細かく役割を設定できます。
この点は機会があればアウトプットさせていただきますが、考え方一つで実践できるTipsなのでぜひ意識的に実践してみてはいかがでしょうか。

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