銀行員=ただの出世サイボーグだった件。

某金融機関のコンサル子会社に数年務めて分かったこと。現職は、親会社である銀行からの転籍出向者が管理職ないし幹部を占めている。従って「統治する側」の意識で接してくるわけだが、その姿勢が銀行がどういう組織・メンタリティなのか、ということを如実に物語っている。

まず、とにかく不祥事を起こさないことが全てなので、ちょっとした逸脱を見つけては、プロパー社員に高圧的な態度を取ってくる。顧客価値とかは、正直どうでも良い。基本的な行動原則は、出世する上で汚点がつかないようにする、ということにモデリングされており、毎日、神経質に過ごしているなぁと感じる次第。
そして、出世のために手柄を喧伝することが大事で、組織的にもそれを促すように、一生懸命表彰の機会を設けたり、今月の感謝賞、的な舞台装置づくりにリソースをかなり割いている。
つまるところ、銀行員は「出世サイボーグ」で、出世をすることに全精力を傾けている。そして組織がそう動く環境を作り、皆の行動を統制している。今は、投信契約○点、預金○点、融資○点・・・と、全てがポイント化されていて、そのゲームに乗れた人が偉くなれる仕組みを、(多分それは旧時代の産業遺構に近いと思うんだが)営々と運営している。

簡単にいうと、その仕組みがアホくさい。アホくさいと銀行員も分かっているのに、ゲームの利得を考えて、それに乗っかり続けることが、さらにアホくさいことをやっているなぁ、と私には映る。

コンサルティング自体はとても素晴らしい仕事だと思う。クライアントと本質的な議論をして良い組織や成果に向けて価値を生み出す。プレッシャーはあるが、やりがいも大きい仕事だ。
ただ、銀行員=出世サイボーグがマネージできる内容の仕事ではない。銀行=出世による人間統治モデル、では対応のできない仕事なのに、それを分からず、銀行化で対応しようとする。金融機関系シンクタンクはどこも同じような悩みを抱えているのではないだろうか。

ということで、今の会社にサヨナラをすることにしました。銀行の子会社のコンサル会社(○○総研)は、絶対に仕事に困ることはありません。融資先他で案件は降ってくるから(むしろ対応しきれず外注化している)、営業に時間を取られるということもありません。
ただ、ビジネスの諸々のことを本質的に分かっていない銀行員が、統治者としてやってきて、尊大にふるまうことも漏れなくセットでついてくることは理解しておいた方が良いと思います。何か不祥事があると金融庁マターになるので、重箱の隅は基本的に毎日突かれると思った方が良いと思う。そこに大人の対応ができる人であれば、仕事も緩いし、ノルマも低いし、楽勝でしょう。コンプライアンス違反なんて論外なので、ホワイトな見てくれは確保されています。そんなテイなので、若い人は学びが少ないので、絶対に止めた方が良いと思います。
まぁ、私のところは準メガバンクの二流銀行の子会社だったからかもしれないけれど、ありていにいうと、銀行員は、思ったよりも品性が少し足りない人々の集まりでしたとさ、という話でした。あと銀行を嫌いな人が世の中にたくさんいることも良く分かったし、その理由もまた、良く分かりました。

何かのお役に立てれば幸いです。


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