納豆オムレツの思い出

甘口カレーがすきで定期的にアンパンカレーを食べます、水死体です、どうも。
今回は私の好物、納豆オムレツのお話をさせてください。

私が納豆オムレツという食べ物に出会ったのは、地元の立ち飲み屋でした。バイト先の人とご飯に行った帰り、まだ家に帰るのには早いし1杯やっていくかと、存在だけは知っていた立ち飲み屋に入りました。私は結構1人でも居酒屋に行ける口です。その立ち飲み屋は若いママがやってるようで、その旦那さんらしき人がカウンターで賄いなのか、なにかを食べながらビールを飲んでいました。私は立ち飲み屋と掲げてる店で、少し居心地悪そうにしているパイプ椅子に座りました。幸いなことに喫煙可のお店で、私は煙草を吸いながらレモンサワーを頼みました。レモンサワーなら何リットルでも飲めるくらい、私はレモンサワーがすきです。すぐにレモンサワーは私の元へ届けられて、それと同時にお通しとして刺身が出てきました。私は刺身が大好きなので、そのブリとサーモンの刺身に飛びつきました。「お通しで刺身って珍しいですね、私お刺身大好きなんです」私がそう言うと「いつもではないんだけどね、よかったら追加で出そうか?」とママは笑いながら応えました。私は有難く追加で刺身を貰い、レモンサワーと共にいただきました。

1人で居酒屋に来たら、基本的にずっとスマホでSNSをみて、それを酒のアテにするのですが、その日このお店は私以外お客さんがいませんでした。ママも旦那さんも手持ち無沙汰なのか、私に色んな質問をしてきました。話すのが嫌いじゃないので、私も答えられる範囲で答えていくと、ママと私の母校が一緒だと分かり、尚更話は盛り上がりました。レモンサワーも進みに進みまくり5杯くらい飲んでました。ここら辺で少し小腹が空いてきました。さっきから私は、私はと私についての説明が多くてアレですが、私はお酒を飲むときにアテの食べ物がなくても飲めます。たまにほんとに居酒屋でお酒だけしか頼まないときがあるくらいです。小腹が空いたときに食べるくらいです。そこでメニュー表をみて悩み始めました。そこで目に付いたのが納豆オムレツ。聞いたことない料理でした。もしかしたらスタンダードな料理なのかもしれないけれども。けれど、納豆もオムレツもすきな私は美味しいだろうと、少し酔ってきた頭で考えて納豆オムレツを頼みました。

カウンターの奥のこじんまりとした厨房から聞こえる卵を焼く音が、俄然食欲をそそります。5分程で出てきたそれの上にはマヨネーズとケチャップが掛けられておら、見栄えがよく中には普通にキノコとかチーズが入ってそうな感じでした。ほんとは納豆なんですが。ドキドキしながら割り箸で割ってみると、中は納豆。正直なかなかのインパクトのある見た目でした。恐る恐る口に入れてみました。するとどうでしょう、めちゃくちゃ美味しいのです。そもそも先述した通り私が納豆がすきというのもあるかとは思いますが、すごく美味しい。私は美味しいと連呼しながらあっという間に食べました。

レモンサワーが7杯目くらいになったとき、そろそろ帰るかとお会計を頼むと、2500円と明らかに安く、「間違ってないですか?私7杯くらい飲んだし、お料理も頼みましたし」と言うと、「いいのよ、今日お客さんあなた以外来なかったし、元から赤字だしね」とママは顔をくしゃくしゃにして笑いました。「その代わり、また絶対来てね」と付け加えて。私はご好意に甘え、また来ますと帰りました。

早いうちにまた行かないとな、と思いながらもフリーターで収入が安定しない上に、基本的に医師から禁酒を命じられているのでなかなか行けずにいました。しかし3ヶ月くらいした後、なんとかお金と時間を工面でき行くことが出来ました。入るとその日はお客さんがそれなりにいました。入って「こないだはありがとうございました、水死体ですー」と言うと、「ごめんなさい、わからない」と言われました。まあ毎日色んなお客さんが来るから私のことなんか忘れたのかもしれない、そう思ったのですが、よくみるとママの顔が違う。「あれ、もしかして、𓏸𓏸○○さんじゃない……ですか?」そういうと、「あぁ、あの子?あの子ならこの店出ていったよ、今は私がママなの」と応えてくれました。私は呆然としてしまいました。カウンターに座っていた、中年男性は私に話しかけてくれるのですが、話す内容が揃いも揃って下世話。下ネタまでもいかない、でも不快になるような話。内装は同じでもなにもかも変わってしまっていた。メニューをみても納豆オムレツはなく、代わりにたこ焼きなんか始めたようです。私はレモンサワーを2杯だけ飲んで帰りました。もう行くことは無い、と思っていながらも、また来ますとか言ってしまうのは私の悪い癖です。

それからしばらく経ち、納豆オムレツが食べたくてたまらなくなりました。あれくらいなら私でも作れるのではないか、そう思い私は恋人との晩御飯に作りました。初めてでしたがなんとか上手くできました。恋人に出すと、恋人は「美味しいけど、付き合って直ぐに手料理としてこれ出されたら引くかも」とか言ってましたが、私はあの納豆オムレツを再現でしたのが嬉しくて、ショックを受けることもイライラすることもなかったです。

もうあのママには会えないのかもしれない。ママが安くしてくれたのは、もう店を辞めるって決めてたからかもしれない。色んな思いが今でも溢れてきます。でも納豆オムレツという料理を知れてよかった。今では私も得意料理の1つです。

今回は少し長くなってしまいました。すいません。
今日は金曜日。今日頑張れば明日休みの人も多いのでは。私は今日はメンクリの日です。医者に薬余ってるから要らないです、という勇気を分けてください。絶対なんで残ってるのかな?ちゃんと飲んでないのかな?治す気ある?と怒られますが。
皆さん強く生きましょう。それでは。

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