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ビーコル2018-19シーズンを勝手に振り返るの巻 ⑥〜キャスティングのこと、HCのこと〜

キヨウケンです。
CSセミファイナルやB2 3位決定戦を観ている方も多いと思います。
私は3シーズン目にして初めて肩の力抜いて観れてます。
B1はもちろんですが、とりわけB2のレベルアップには目を見張るものがあって、正直、入替戦があったらどうなってたか分からんと率直に思います。

いよいよ戦力の話に移ります。

■リーグの進化に置き去りにされた2018-19シーズン

改めて言うまでもありませんが、今季の戦績は次の通りです。

14勝46敗(中地区最下位、全体16位)
残留プレーオフ1回戦敗退

ウィスマン3年計画の初年度が仮にエクスキューズに成り得るとしても、そこに関わる人たちは誰1人としてこの結果に納得していないでしょう。
けれど今となって振り返ると至極妥当な結果であったとも取れるし、下手に勝ちを拾わずキツいお灸を据えられ続けて良かったとさえ思ったりします。
シーズンを通して様々な理由や事情が絡み合ったものと察しますが、ここでは、この結末を招いた大きな要因をオフシーズンにおける編成への見通しの甘さと、クラブとしてのトーマス・ウィスマンへの過度な依存にあったと敢えて仮説させていただきます。

■編成はリーグレベルの向上を予見できたか

2年連続で残プレに回り、編成着手ではまたしても後手を踏んだことでしょう。人件費高騰の影響で欲しい選手が獲得できなかったなど、苦労はきっと絶えなかったはずです。
限りある選手生活の場としてビーコルを選んで来てくれた選手たちには、もちろん愛着があります。それぞれに魅力的な個性を持ち、誰もがブースターに愛されたことも間違いありません。
しかし、時間は我々を待ってくれませんでした。
B1はもはやスキル習得や個の力だけで太刀打ちできるリーグではなくなりました。個々が身につけたスキルやバスケIQなどをチーム戦術の中に落とし込み、熟成させた者同士がしのぎを削るステージに進化を遂げたというのが実感です。

誤解を恐れずに言うなら、やはり人件費予算の影響は否めないでしょう。もう1つは、低予算なりの目利き役が不在だったことでしょうか。結果としてB1レベルのチーム力を構築できず、やむを得ない事情もありましたが相次ぐ外国人選手交替にも見舞われました。
ロスターが最終形を見せたのは12月下旬。実に他チームより最大半年近く遅れてしまった編成とそこからの熟成で容易く勝てるようなリーグではもはやないのでしょう。最後までチームオフェンス、チームディフェンスの形を明確に打ち出しきれないまま、リーグ内の競争から置き去りにされたというのが私の率直な感想です。
大変悔しいけれど、順位も結末も妥当だったと受け止めた方が今後の糧になると考えます。

過去2年の残留という小さな成功体験が、私自身でも状況の危うさを曇らせていたように思います。
おそらくBリーグの競技レベルは加速度的な発展途上と思われます。資金やスカウトティング力、今後の戦術トレンドなどを見極める力などを持つ、持たざるの違いが将来に渡り大きな差を生じさせるかもしれません。
ともあれ、何度も繰り返された外国人入れ替えの末にアーサーとブランドンを獲得できたのは幸運でした。今季の労苦の末に出会えた選手たちと継続契約が結べたり、より強力なコネクション構築につながったりと、好循環が生まれて欲しいです。

更にはHCとして1シーズン過ごしたトムとクラブなら、昨オフよりお互いを理解して物事を進められるはずです。その上で、双方の言葉を理解しビーコルが描く絵を完成させるための戦力を見定める目利きがいてこそ、編成の精度をより高められるのではないでしょうか。予算潤沢とはいかない分を、知恵と才覚でカバーしたいです。

■ウィスマン招聘の功罪

先に言っておくと、私はウィスマン続投支持です。その理由は、1年を経て彼の勝つための確たるメソッドの存在と、ビーコルの積み上げの欠落を知れたことが1つ。もう1つはトムが作り上げるビーコルの続きを見てみたいから。
ただし、そこにトム自身の変化も付け加えて欲しいというのが、私の勝手な注文です。

中村太地の言葉から、トムが選手に何を求め続けていたかが垣間見えました。

横浜ビー・コルセアーズ 法政大学 中村太地 #6
プロの環境を垣間見られるインターンシップ=特別指定選手 part3

そして、その要求に選手個々、チームとしても応えきれなかっただろうことも。
トムの指導メソッドは確立されており、きっと前任の栃木とも共通しているはずです。栃木の選手たちはその指導の下、体制3年目にリーグ優勝を勝ち取りました。かたや就任初年度のビーコル、必死に戦ってくれた選手たちから将来に向けた萌芽は見られたものの、残念ながら期待値には達していない印象です。育てながら勝つには、やるべき事があまりにも多すぎて消化しきれなかったように思います。

ただ、この成績に終わってしまったなりにトムの責任も存在するはずです。
出来ないことに目が行きすぎて、それぞれの選手の良さが失われていなかったでしょうか。
シーズン終盤に自分の輝きを失う選手を作ってしまったことは、チーム作りの上でのミスだと思います。
また、トムに対する進言ができたり、選手との間を取り持った人材がどれ程いたでしょうか?クラブとして、あまりにも多くのことでウィスマンに依存してはいなかったでしょうか?

トムは紛れもなく経験と実績ある名称ですが、それ故に彼のプライドが時として裏目に出てしまうこともあると思います。
橋渡し役を既存のオーバー30世代が担ってくれることを今季密かに期待していましたが、残念ながら今のままでは他の手段が必要な状況にあります。

解決策の1つは、トムが求めるタスクをより実行できる戦力を確保することですが、その上で現有戦力に見合った戦い方も考慮して欲しい。
そしてHCと選手間の風通しを改善して欲しい。
CSやプレーオフを観るにつけ、選手やコーチが互いをリスペクトし助け合い、一体となって戦うことの大事さを改めて考えさせられます。
これこそが今後のビーコルにまず必要とされる要素だと感じる自分もいます。

⑦につづきます、おそらく最終回です)




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