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子どもだけの登校にヤキモキ……

 保育園では親が送り迎えをしていたが、小学校では子どもだけの登校だ。娘の通う学校では集団登校はない。本当に一人で歩いていけるのか、横から悪い人が腕をサッとつかんで連れて行ったりしたらどうしよう……とヤキモキだった。

 親の心配をよそに、娘は保育園の友達3人で待ち合わせて通学する約束をしていた。が、彼らはたいてい約束の詰めが甘く、会えたためしがない。結局、親同士が連絡し合った。

 子どもだけで登校する記念すべき日、待ち合わせ場所のわが家の前に、ピカピカのランドセルを背負ったミクちゃんと太郎君がそろった。太郎君のママが心配で付いてきている。わが家の前は他の人たちの待ち合わせ場所にもなっていた。ほとんどパパかママが同行している。どこのうちも同じなのだなぁと思った。

 娘たちは横断歩道で太郎君のママと別れ、緊張の面持ちで学校へ歩いていったそうだ。夜、「何の話をしたの?」と聞くと「太郎君は明日引っ越しをして遠い町へ行くと言っていた」。

 驚いた私は太郎君ママにメールした。「そんな話をしているんですね……。引っ越そうかと家は探しているけど未定」。子どもの会話ってよく分からない。

2009年4月19日

☆2009年から2012年まで子ども向けの新聞につづった連載を改編したものです。

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