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子どもの病気が親にうつると

 りんご病になった。朝、娘のほおが赤いので、どうしたのかな? と思っていたが、熱もなかったので、いつも通り登校させた。帰宅後、学校の連絡帳を見ると、「りんご病だと思います」と書いてあった。

 その日、私は会社にいる間に体中が痛み始め、手足が腫れてきていた。家に帰りついた時には、階段を上り下りするのも痛み、うめき声をあげるほどだった。その日はもう病院はしまっていたため、りんご病とは何たるかをパソコンで調べると、りんご病は主に子どもの間で流行する感染症で、症状は顔や手足に出る赤い発疹と書いてあった。試しに「りんご病 大人」でも検索してみると、出るわ、出るわ、りんご病に感染したお母さんたちの叫びが載っていた。大人がかかると子どもと違って重症化し、関節炎、筋肉痛、頭痛、発熱などが起こるとも書いてあった。

 翌日はさらに痛みがひどくなり、ベッドから起き上がれないほど。娘と一緒に内科クリニックに行くと、娘用の薬はなく、私の痛みどめ用の薬だけが処方された。

 当初は大人がりんご病にかかると重症になるという知識がなかったので、原因不明の関節痛に思えてとても不安になった。痛みは3日目には治まったが、中には何週間も長引く人もいるという。また、妊婦がかかると危険だが、感染する時期は症状がないので、予防は難しいそうだ。

 ともあれ、週末に起きたりんご病騒動は週明けに終息した。雪国の真っ赤なほっぺの子のようでかわいい娘に比べて、私は手足が腫れあがり、無残な姿だった。そういえば、おたふくかぜをうつされた時も重症になったっけ。子どもが小さいうちは、保育園や学校でさまざまな病気をもらい、うつされた親が子どもよりつらい症状に苦しむことがよくある。子育てについてまわるものと割り切るしかないのだろう。早々に治った娘をみて、安心しながらも、ちょっぴりうらやましく思った。

2010年6月6日

☆2009年から2012年まで子ども向けの新聞につづった連載を改編したものです。

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