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鹿児島で人生が変わった話。

前回の投稿で、人生の夏休みで旅に出たことを書いたのですが、そのきっかけとなったのが、鹿児島県鹿屋市でした。
会社員から一転、フリーターになった経緯を振り返りたいと思います。

30歳目前、セカンドキャリアに迷う。

コロナが猛威を振るった2020年、私は28歳でした。キラキラOLに憧れて入った広告業界で、営業の仕事をしていました。会社に大きな不満はありませんでしたが、今後も同じ仕事をしていく将来が想像できず、モヤっとした気持ちを持ってました。

営業は、良く言えば専門スキルがなくてもできる仕事ですが、誰でもできてしまうとも言えます。周りとの差別化をはかるため、デザインの勉強を始めました。
美大出身ではありませんが、現代はツールを使えば絵が描けなくても何とかなるので、専門学校に通い、グラフィックデザインとWEBデザインを1年かけて学びました。

当初は「営業+α」で考えていたデザインですが、それ自体が楽しくなってしまい、デザイナーを目指して転職活動を始めます。が、アラサーで未経験OKの求人などほぼありません。20代前半なら、第二新卒という選択肢もありますが、30歳手前の変にキャリアを持っている人間の行く先はないのです。。

転職に悩んでいる真っ只中、知り合いから、3泊ほどの地域創生フィールドワークに誘われます。その目的地が鹿児島県鹿屋でした。

田舎って、もっと廃れてると思ってた。

元から精神的に参ると、全く別のことをしたくなる性分なので、いい気分転換にと、全く知りもしない鹿屋のフィールドワークに参加しました。

鹿屋に行くまで「田舎」という場所について全く知らず、日本は電車を使えば大体のところにはいけると、本気で思っていました。鹿屋には電車が通っていません。空港からのリムジンバスも1日3便だけです。

最初は「どんだけ田舎なんだ」(鹿屋の人、すみません)と思ったのですが、ご飯は美味しいし、人は優しいし、フィールドワークそっちのけで鹿屋を満喫しました。

驚いたのは、街で出会う人が明るいことでした。東京みたいにたくさん飲食店があるわけでも、遊ぶ場所が多いわけでもありません。でもテレビで見るような廃れた田舎の印象はなく、みんなが楽しく暮らしているような暖かい雰囲気がありました。

私が日常的に見てきたのは、電車でみんながスマホを眺めるところや、飲み会で愚痴を吐き出す風景でした。鹿屋の雰囲気を見て、都会が薄暗いように見えてきました。

久しぶりの四季を感じて。

ある会社さんで、畑を見せていただきました。
社屋から覗く畑には、大麦若葉が植えられており(訪問時は11月)、等間隔で植えられた苗が青々と育っていました。夏にはひまわりを植えているそうです。その時に自分は、

「最後に四季を感じたのはいつだろう?」

と寂しい気持ちになりました。また、そもそも畑自体を見るのは初めての経験で、一次産業が何かも知りませんでした。

鹿屋から東京に戻ってスーパーに行った時、画一的に並ぶ野菜を見て、何とも言えない気持ちになりました。畑の野菜は形もサイズも様々なのに、ほとんど同じ形の野菜たちが、まるでクローンのように見えました。自分の口に入れるものに、もっと興味を持たなければと思いました。

働き方を考える。

鹿屋では、フリーランス、他拠点生活、移住検討、様々な境遇の方と出会いました。転職活動もうまく行ってなかった私には、様々な働き方・生き方をしている人たちが、ものすごく眩しく映りました。

今までの私は、正社員でないと社会から浮いてしまうと思っていました。大卒ではありますが、はっきり言って勉強したいこともなく、就職のために4年制大学に入ったようなものでした。

焚き火を囲みながら、たくさんの話を聞いて、正社員へのこだわりがだんだん薄れていきました。おそらく収入はかなり下がるはずですが、そんなことより、色んなことにチャレンジするのが楽しそうだと思いました。

何も決まってないけど、とりあえず旅に出る。

鹿屋で田舎を知り、多様な働き方を知った後、即座に東京を出たくなりました。会社で働いていても、「私の居場所はここじゃない」と思うようになりました。鹿屋を訪れて1ヶ月もしないうちに、勤め先に辞意を伝えました。

その時は、特に目的も決めずに東京を出ることを決めました。それだけ現状に満足していなかったんだと思います。精神的に追い詰められると、すぐに環境を変えたがるのは、自分の悪い癖です。

目的はありませんでしたが、「東京が自分の居場所じゃない」ということは確実だったので、国内を回って自分の生きる場所を探そうと思いました。手あたり次第に住み込みバイトを探して、最初の地、宮城県気仙沼に辿り着きます。

気仙沼で出会った人間関係から、新たな縁が繋がれていって、訪れることになった場所もあります。そう考えると、あてもなく飛び出したのは大正解でした。思い切りの良さは、自分のいいところかもしれません。

鹿屋から再びスタート。

鹿屋で人生のターニングポイントを迎えた私は、そこから約一年、主に農業で短期滞在をしながら日本各地を回りました。

「さまざまな田舎の景色の中で暮らして、自分の生き方を考える」
を目的に、各地を周り、自分の身体や内面が変わっていくのを感じました。

普通に嬉しかったのは、農業で長年の運動不足が解消され、7kgほど体重が落ちたことです。ストレスで太るタイプなので、旅の直前が人生MAX体重でした。笑

会社を辞めて2年目の今年は、ただ単に旅をするのではなく、新しく決めた農業とキャリアデザインの2つについて、活動を始めたいと思っています。そのスタート地点を鹿屋でと考えており、現在水面化でプロジェクトを動かそうとしています・・・!そのために、2月〜3月に鹿屋に短期滞在してきました。

次回、鹿屋の短期滞在をレポートします!


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