市場で踊るザル
わたしの日課は散歩です。
きょうは、運動がてら隣駅の商店街まで。
アーケードは快適。雨風しのげて紫外線もカット。
あの、八百屋さん!
何が驚いたかというと、ザル。
ほらほら、お店の軒先から ぶら下がるザル。
見えるかな?
まだ現役のザルがある!
子どものころ、食料品は公設市場で買っていました。
ひとつ屋根の下、個人のお店の集合体。
今のスーパーのように、まとめて最後に一括払いではなく、個々のお店で都度払い。
お肉屋さんで、豆腐屋さんで、魚屋さんで……レシートもなかった。
お母さんたちの、財布は「ガマぐち」
市場ではガマの口がパチパチと、
しゃべりっぱなしで、お支払い。
当時、長財布ってあったのかしらね?
どこのお店でも天井から、ザルがユサユサと、ぶら下がっていました。
バネや、頑丈なゴムで吊られたザルは、上下にビヨ~ンと伸び縮み。
商品が売れるたんびに、お店の人は売り上げのお金をザルに放りこんだ。
お札も小銭も、いっしょくた。
そしてザルを引っ張ってお釣りを出したり。
お店が忙しくなると、
ユサユサ、ビヨョ~ン。
前後左右にザルが踊りだす。
上下左右にスライド、ホップ。
たまに小銭も弾け跳ぶ。
お店の人も頭がグルグル。
お釣りが多くなったり、
少なくなったり。
お母さんたちも、わかんないね。「ザル勘定」ってみんなで笑った。
小銭のリズムと、笑顔を乗せて。
おどるザルが おもしろかった。
レジスターが登場するまでは。
いつも こころに うるおいを。
水分補給もらわすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。
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