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イリマメニハナさん・大阪長屋の珈琲焙煎所

イリマメニハナ……暗号のような。
珈琲と書いた青い布が、ひらひらと。
ここは、長屋ながやの焙煎所。
長屋ながや」というのは、お店ではなくて大阪のむかしのお家です。


イリマメニハナさん

大阪のまちの住宅・長屋ながや。昭和時代・戦前盛んに建てられた。
名前のとおり、長くておんなじ家と屋根が連なります。マスキングテープみたいですね。
大阪市生野区は戦火を逃れた古い長屋が残るエリアです。

 イリマメニハナさん
大阪市生野区林寺2-24-3
12:30~17:30
日・月・不定休


最寄り駅は……
●JR大阪環状線・寺田町駅…徒歩約20分
●JR大和路線・東部市場前駅…徒歩約20分
●大阪シティバス・林寺1丁目…徒歩約5分

派手な看板や目印もなく、まわりに溶けこむ、イリマメニハナさん。
「通りすぎに、ご注意」の珈琲焙煎所です。


大阪・令和の長屋

2021年「大阪市ハウジングデザイン賞・特別賞受賞」プレートがさりげなく。
ここは5軒の長屋「林寺2丁目長屋」です。
古めかしさと、モダンなたたずまいが共演しています。

わたしの小さいころ、大阪の町は、こんな長屋が普通に並んでいました。
わたしの祖母は長屋ぐらし。
長屋の両隣は壁。窓はなく暗かった。玄関の上に光を取りこむ窓があった。
そう、こんな感じの。

窓は建物の入り口近辺ぐちきんぺんと裏にあった。
窮屈で急勾配の階段。登り降りはキシキシ音がした。


わたしは、子どものころを思いだし、店内をキョロキョロ見渡す。ついつい懐かしくて。
内装は明るい色の木材、これだけで室内も明るいんだ……


イリマメニハナの店主さんは困ったと思います。


白い焙煎機

奥に細長い長屋。木のカウンターが渡る。
長屋は入り口近辺が明るいもの。
今回は経験にのっとり、手前のカウンターに座ります。

ガラスの扉。わたしは専門的なことはわかりません。これが焙煎機というのは、かろうじて。
白い枠にコンパクトなシルバー器具。焙煎機って大男のような設備かと思っていました。
よく珈琲専門店にあるような。


むかしの階段とピカピカの焙煎機。新旧が共演する。そして珈琲が目の前に。


キリマンジャロAA ンゴロンブロ

暗号のような名前の珈琲。
珈琲は三種類あり、一番上から注文しました。いい香り。
長屋でコーヒー。新旧の共演。

バナナケーキもいただきます。
柳の陶器「ウィローパターン」
このシリーズ、ケーキ皿もあるのですね。

ガラスの保存瓶にみどりの豆。
奥行きのある長屋の壁のディスプレイ。

どうしても長屋の奥の方は「プライベート」の認識がある。
わたしはあまり目を向けれません。
また次回に行ったら奥の方も見てみたい。


トイレは2階に。この階段は、祖母の家にあったのと同じ。
幅が狭い。急階段。思わず、つま先立ちになる
足裏に触れる面は、むかしからの木を残してある。
珈琲のような艶。
不思議、キシキシしない……令和の長屋。



焙煎を見る

きょうは、長屋の思い出と珈琲豆を連れて帰ろう。
イリマメニハナさんの珈琲を。

店主さんはガラス瓶から、みどりの豆を取り出す。こんなシーンが見れるとは感激だ。


「焙煎すると、100gは 85gほどになります」

みどりの豆から水分が抜けるのか。
店主さんの丁寧な説明、初めて聞くことだ。
みんなは、きっと知ってるね。


シルバーの焙煎機が歌い踊る。

くるくるくる……豆は珈琲の色になる。
長屋でアトラクション。高速の遊技機に乗った豆に、いまの気持ちを聞いてみたいな……

選んだ豆は、
「グアテマラ カフェ ピューマ」


「ピューマ。大阪のおばちゃん、おばあちゃんにピッタリの柄」
「それはヒョウ柄」
「ピューマ柄なんてないで」
「ガラにもないことを……」
いけない、脳内で漫才の時間。


さあ、帰ろう。

背後に「あべのハルカス」が見える。
大阪で一番高いビルと長屋。


 新旧の共演が多いまち大阪。



毎週月曜日は
「コーヒー・喫茶店」の日


いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。

最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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