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この家どうするの?(16) 結婚ひろう宴

披露宴をするべきといわれた
結婚準備中にオットからボソリ。
職場の因習というか慣例というか。
二時間の宴会で何百万も……めんどうすぎる。
《すみません。個人の感想です。こんな人間もいるんだなと、お読みください。》


結婚披露宴

披露宴。ごくごくふつうのこと。
わたしは、父子家庭が人生最大の恥だ暗黒だと思っていた。
父・親族が登場するのは、まっぴらごめん。


あの金屏風きんびょうぶに父ひとりですわる。となりは誰もいない。
「苦労して娘をそだてました」
ありえない演出。うそ八百。
うそ八百八橋はっぴゃくやばし。大阪の橋よりおおい嘘は許せない。八百ヤバし。
メンドウ疲労宴。回避したい。


バブルは既にはじけとび、世はジミ婚の時代へ突入。
いまでいうとナシ婚
結婚披露のお金があれば貯金しときたい。これからいくらでもお金はいるのだ。ムダ無駄。不要。


しなくていい宴会

父は「生活費は食費だけ」のタイプ。
「食費以外に、なにに使うんだ」
いまでも、そんな考えの男性は一定数いるでしょうね。
おまけに、女子のファンシーな買い物願望・食欲・習い事などは理解できない。


いつも、こぎたない服を着て、よごれた顔のブサイクな女子高生。
社会人になっても、こころのゆたかさも、お金も思いやりもない貧乏人。それがわたしでした。


結婚披露宴をするとしても、父は嫌がったはず、興味もナシ。家でイベントはなかった。
うちにかぎっていえば、無駄遣い。
家族といっても家族のかたちは、すでになかったのでした。



時間をお金にする

わたしは高校生からバイトをはじめた。
ある失敗があり、お金がほしかった。すきなことができなかったからだ。
なにもかも気づくのがおそい。
アドバイスしてくれるひともなく、要領もわるくアタマも悪かった。
じぶんにとって人間というネットがない時代で、よく損をした。


バイトや仕事では、時間をお金にかえる
それでお金をかせげる。収入だ。
うれしい。
好きなだけお金をつかった。
やっとじぶんが生きていると思った。
披露宴で何百万も使うなんて、気がすすまなかった。
どうしたら回避できるか……?


披露宴のぬけみち

実家はあるけれども。
住むところはあったけれど。
この家は寝に帰るだけのハコ。
合法的に家を出れる結婚。
のっかるけれども披露宴はイヤ。


そのころ旅行会社で「家族で海外挙式(仮称)」というプランがありました。
オットの両親は海外に行ったことがないらしい。
披露宴より、オットの両親を連れて、新郎新婦だけでハワイに連れていくほうが安あがり。

オットは、
①両親を連れての海外挙式
②披露宴ナシ
と職場に届け出ました。
これも一種の親孝行のかたち。


このプランは通りました。

オットの両親が同伴の海外旅行。
いやな女性が大部分だろう。
わたしは披露宴より、こっちのほうがよかったのです。


人生に、ぬけみちはある。


しかしオットの故郷の神戸は
未曾有の大災害にあうのです。


このプランはキャンセル。
中止と白紙。


そして、この海外挙式のプランは実行されることはありませんでした。



毎週金曜日は
「親の持ち家」の日

いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。

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